Claudin-1を標的としたC型肝炎ウイルス感染阻害法の開発とその臨床応用に向けた疫学調査

文献情報

文献番号
200933042A
報告書区分
総括
研究課題名
Claudin-1を標的としたC型肝炎ウイルス感染阻害法の開発とその臨床応用に向けた疫学調査
課題番号
H20-肝炎・若手-012
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
磯田 勝広(帝京平成大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
  • 角田 慎一(医薬基盤研究所)
  • 近藤 昌夫(大阪大学大学院 薬学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
9,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、最近新規同定されたC型肝炎ウイルス(HCV)受容体、claudin-1(CL-1)に着目し、独自のCL binder〔アンタゴニスト〕創出技術を用いてHCV感染阻害薬を開発すると共に、疫学的にC型肝炎の炎症・悪化とCL-1の発現パターンの連関解析を行うことにより、近未来に臨床応用可能なC型肝炎の画期的予防・治療薬の創製を試みるものである。
研究方法
アラニンスキャン解析により、アラニン置換に伴いウェルシュ菌エンテロトキシンClostridium perfringens enterotoxinのC末断片(C-CPE)のClaudin-4結合性が低下する5アミノ酸を同定していた。そこでまず、アミノ酸をランダムにアミノ酸に置換し、ライブラリの作製を試みた。次にClaudin-1,-4を発現するバキュロウイルス(CL-BV1, CL-BV4)作製し、CL-1とCL-4のタンパク発現を確認し、さらにCL-BV1, CL-BV4を用いたスクリーニング系構築を試みた。作製したライブラリとスクリーニング系よりCL-1binderのスクリーニングおよび結合性をELISA法により確認した。
結果と考察
結果、本研究は、1)アミノ酸をNNS配列に置換した数千万種類以上のC-CPE構造変異体ライブラリを作製した。2)C-CPE構造変異体ライブラリからCL-1結合分子をスクリーニングするために、各種CL発現細胞、CL-1、-4蛋白質発現系、CLをウイルス膜上に提示した出芽バキュロウイルス(BV)を作製した。3)作製したライブラリ、CL-1結合分子スクリーニング系を用いて、CL-1結合性ファージクローンを単離し、これを出発材料にしてCL-1 binder候補分子を作製し、CL-BV1を用いてCL-1結合活性を評価した。今後、さらにCL-1binderのスクリーニングを進め、活性を解析する。
結論
 CL-1アンタゴニスト探索系としてCL発現細胞とCL蛋白質発現系を構築し、CL-1発現バキュロウイルスを用いたスクリーニング系を構築した。さらにファージライブラリを用いたCL-1結合性を有する機能性分子とペプチドを作製した。

公開日・更新日

公開日
2011-06-06
更新日
-