網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する調査研究

文献情報

文献番号
202310072A
報告書区分
総括
研究課題名
網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FC1043
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 峰生(国立大学法人三重大学 医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 飯田 知弘(東京女子医科大学 医学部)
  • 池田 康博(宮崎大学)
  • 上野 真治(弘前大学 医学部)
  • 大野 京子(東京医科歯科大学 医学部)
  • 古泉 英貴(琉球大学 医学部)
  • 近藤 寛之(産業医科大学 医学部)
  • 坂本 泰二(国立大学法人鹿児島大学 医歯学域医学系)
  • 園田 康平(九州大学 医学部)
  • 辻川 明孝(京都大学 医学部)
  • 角田 和繁(独立行政法人国立病院機構東京医療センター 臨床研究センター 視覚研究部)
  • 中村 誠(神戸大学 医学部)
  • 西口 康二(名古屋大学 医学部)
  • 森實 祐基(岡山大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
16,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「網膜脈絡膜・視神経萎縮症」は眼科で最も難病患者が多い領域である。これまで我々は、各疾患あるいはプロジェクト毎にグループを作り、それぞれのグループの目的と進捗状況に沿って調査研究を少しずつ推進してきた。特に今回は、以下の3つの新たな試みを推進することを目的とする。(1) 杆体一色覚と自己免疫網膜症という新たな難病候補疾患に対し、診断ガイドライン、患者数調査、レジストリ構築を順に進め、難病に相当すると判断された場合には指定難病に申請を行う。(2) 2023年度に眼科領域で初めて保険収載された遺伝学的検査と遺伝子治療に対して、これを専門に扱う新たなグループ11「ゲノム診断・治療グループ: G11」を創設し、これらを適切かつ円滑に運用するためのガイドライン、適正使用指針を作成し、日本での検査施設、治療施設などの選定や実施体制を構築し、学会のHPに公開する。(3)関連学会や関連研究班(AMEDなど)との連携を推進し、医療従事者、国民、患者やその家族への疾患情報の提供を推進する。これらにより、「網膜脈絡膜・視神経萎縮症」の難病患者に対する医療の質向上に役立てる。
研究方法
研究方法については、G1-G11のグループ毎に異なるため、それぞれの分担研究報告書内の研究方法に記載した。なお、今回の調査研究に関しては患者の個人情報は含まれなかったが、個人情報を含む倫理面には十分配慮して行った。
結果と考察
(1) 新たに創設された杆体一色覚(G7)および自己免疫網膜症(G10)では、ともに各疾患の専門家集団により話し合いが開始され、日本における診療実態調査を行った後で診療ガイドライン作成に進み、患者数調査を行い、指定難病に該当すればその申請を行うという3年間のロードマップが作成された。特に本年度ではG7とG10の疾患を多く扱う施設による実態調査が主であった。
(2) 2003年度に眼科領域で初めて保険収載された遺伝学的検査と遺伝子治療に関するガイドイドライン、適正使用指針作成および運用体制構築(G11)は、本年度に我々の研究班が最も注力したプロジェクトである。G11の報告書にあるように、以下のa〜fのような十分な成果を得た。(a)「遺伝性網膜ジストロフィにおける遺伝学的検査のガイドライン」を作成した。(b)「遺伝性網膜ジストロフィの原因となりうる主な遺伝⼦」82遺伝子リストを作成した。(c) 遺伝学的検査に対する運用指針を作成し、検査が実施できる12施設を選定した。(d)「日本における遺伝性網膜ジストロフィのバリアント解釈基準」を作成し、英文誌に投稿した。(e) 承認された遺伝子治療薬に対して、適正使用指針を作成した。(f) 遺伝子治療の第1次投与施設を選定し、この治療における留意事項についても公開した。
(3) 我々の11の調査研究グループの全てにおいて、日本眼科学会やその下部の分科学会、AMEDと横断的な協力体制を推進した。例えばG10の自己免疫網膜症においては、AMED(「自己免疫網膜症を対象とした多施設共同研究による診断・治療エビデンスの創出」との共同研究が開始された。またG2の網膜色素変性およびG3の黄斑ジストロフィでは、難病プラットフォームのレジストリシステムを利活用しており、これによる情報収集の効率化や情報へのアクセス向上、共同研究や臨床試験促進等につながることが期待された。また、今年度は特に全グループに呼びかけて、医療従事者、国民、患者やその家族への疾患情報の提供を推進するよう心がけた。例えば難病患者が最も多いG2 網膜色素変性においては、厚生労働省による難病ホームページをわかりやすく、また最新の情報を追記して修正した。さらに患者会であるJRPSの全国大会に班長の近藤が自ら参加し、網膜色素変性の治療に向けた日本および世界の研究動向について患者および家族に説明を行った。今後は同様の活動を他のグループにも広げていく予定である。
結論
本年度に我々は11のグループそれぞれにおいて網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する調査研究の当初の計画をほぼ達成することができた。特に着目すべき成果は、2023年に日本で初めて眼科で保険収載された遺伝学的検査および遺伝子治療に対して、本研究班メンバーが中心となり短期間でガイドラインや手引きを作成し、その円滑な運用体制の構築を行うことができた点であると考える。

公開日・更新日

公開日
2025-07-03
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2025-07-03
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202310072Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
21,450,000円
(2)補助金確定額
21,450,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 8,263,313円
人件費・謝金 0円
旅費 424,754円
その他 7,811,933円
間接経費 4,950,000円
合計 21,450,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2024-09-20
更新日
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