ライソゾーム病、ペルオキシソーム病(副腎白質ジストロフィーを含む)における早期診断・早期治療を可能とする診療提供体制の確立に関する研究

文献情報

文献番号
202310061A
報告書区分
総括
研究課題名
ライソゾーム病、ペルオキシソーム病(副腎白質ジストロフィーを含む)における早期診断・早期治療を可能とする診療提供体制の確立に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FC1032
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
奥山 虎之(国立成育医療研究センター 遺伝診療センター遺伝診療科)
研究分担者(所属機関)
  • 衞藤 義勝(一般財団法人脳神経疾患研究所 先端医療研究センター&遺伝病治療研究所)
  • 酒井 規夫(大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻成育小児科学)
  • 村山 圭(順天堂大学 難治性疾患診断・治療学)
  • 辻 省次(国際医療福祉大学 ゲノム医学研究所 )
  • 檜垣 克美(鳥取大学 研究推進機構)
  • 坪井 一哉(名古屋セントラル病院 ライソゾーム病センター・血液内科)
  • 松田 純子(川崎医科大学 病態代謝学)
  • 下澤 伸行(岐阜大学 高等研究院)
  • 小林 博司(東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 遺伝子治療研究部)
  • 横山 和明(帝京大学 薬学部)
  • 渡邊 順子(久留米大学 医学部・質量分析医学応用研究施設・小児科)
  • 石垣 景子(東京女子医科大学 小児科)
  • 成田 綾(鳥取大学医学部付属病院脳神経小児科)
  • 福田 冬季子(浜松医科大学 浜松成育医療学講座)
  • 中村 公俊(熊本大学 大学院生命科学研究部 小児科学講座)
  • 濱崎 考史(公立大学法人大阪 大阪公立大学大学院医学研究科発達小児医学)
  • 矢部 普正(東海大学  医学部医学科)
  • 山川 裕之(慶應義塾大学 医学部)
  • 大友 孝信(川崎医科大学 分子遺伝医学)
  • 小林 正久(東京慈恵会医科大学 小児科)
  • 櫻井 謙(東京慈恵会医科大学 小児科)
  • 右田 王介(聖マリアンナ医科大学 医学部・臨床検査医学)
  • 守田 雅志(富山大学 学術研究部薬学・和漢系)
  • 笹井 英雄(岐阜大学大学院医学系研究科)
  • 野口 篤子(秋田大学 医学系研究科)
  • 瀬戸 俊之(公立大学法人大阪 大阪公立大学大学院医学研究科臨床遺伝学)
  • 衞藤 薫(東京女子医科大学 附属足立医療センター医学部)
  • 伊藤 孝司(自治医科大学 医学部)
  • 小須賀 基通(国立成育医療研究センター 遺伝診療センター遺伝診療科)
  • 福原 康之(国立成育医療研究センター 遺伝診療センター遺伝診療科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
16,924,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の対象疾患は、難病指定されているライソゾーム病(LSD)31疾患、ペルオキシソーム病(PD)6疾患および副腎白質ジストロフィー(ALD)である。本研究班では、LSD/PDに対する質の高い研究・医療の実現とLSD/PD医療の均てん化を目指し、(1)難病プラットフォームを活用した患者登録とDBの構築、(2)患者登録制度の新薬治験に対する活用、(3)早期診断体制の確立、(4)診療ガイドラインの作成と更新を行う。本研究、研究班活動を通して、
・LSD/PD患者を含む国民への普及・啓発
・LSD/PD患者の療養生活環境やQOLの向上
・LSD/PD診断・診療体制の整備を通して、LSD/PDの望ましい診療提供体制の構築
・小児・成人LSD/PD患者を切れ目なく研究・診療できる体制の構築を実現する。
研究方法
本研究の対象疾患は、難病に指定されたライソゾーム病(LSD)31疾患、ペルオキシソーム病(PD)6疾患および副腎白質ジストロフィー(ALD)である。本研究では、LSD/PDに対する質の高い医療を実現する目的で(1)難病プラットフォームを活用した患者登録とDBの構築、(2)患者登録制度の新薬治験に対する活用、(3)早期診断体制の確立、(4)診療ガイドラインの作成と更新の4項目について検討する。
結果と考察
2023年度は、(1)難病プラットフォームを活用した患者登録とDBの構築は、ライソゾーム病の5疾患に関する倫理承認を得た。うち、3疾患(ポンぺ病、NPC、MPSI、II型)はEDC上の実装を完了した。(2)我が国におけるAMED資金などで開発が進む遺伝子治療の治験・臨床研究に対して、コントロールとなる臨床データ取得、プロトコル作成、患者リクルートなどにおいて支援し、開発の促進に寄与し、我が国への遺伝子治療製品の導入に繋げていく。(3)早期診断体制の確立は、①LSD/PDに対する新生児スクリーニングの実施状況の把握のアンケートを配布の上、結果の解析を行った。②診断相談システムの利活用は、これまで個別に受けてきたWeb診断相談を継続するとともに、分担研究者の施設で他機関共同研究を立ち上げ、相談症例のデータを蓄積する倫理承認を得た。③健康診断記録からのファブリー病患者検索ツールについて、臨床研究計画の立案を行った。今後、必要な倫理申請等を進めていく。④健診情報をもとにした稀少疾患患者の新規拾い上げは、母子健康手帳の記載内容、あるいはその程度は健診で担当した医師や家庭によって異なるため、今後の基礎データとして、現状の母子健康手帳記載から参照しうる情報とその内容について、一般的な紙の母子健康手帳確認するパイロットスタディを計画し開始した。4)診療ガイドラインの作成と更新は、副腎白質ジストロフィー 診療ガイドラインの作成は初年度に全ての原稿のとりまとめ作業は終了し、2年目にあたる次年度に発刊する予定である。ポンぺ病診療ガイドラインは、ポンペ病診療ガイドライン2018の改定作業をMinds診療ガイドライン作成マニュアル2020に則って実施している。推奨文準備,解説文までは完了し、2024年度に推奨度決定の投票を行う。また、2023年1月20日に市民公開フォーラムを開催し、本研究班の成果等を情報発信した。
結論
(1)
ライソゾーム病の5疾患(ポンペ病、NPC、MPSI、II型、GM2ガングリオシドーシス、ムコリピドーシス)に関する患者登録が可能となる倫理承認を得た。うち、3疾患(ポンぺ病、NPC、MPSI、II型)はEDC上の実装を完了した。
(2)
各疾患の研究開発で今後もそれぞれの支援継続が必要。
(3)
3-1
LSD・ALDの拡大新生児スクリーニングは現状と課題の整理を行うことが重要である。
3-2
今後利活用に向けた取り組みを加速させていく。
3-3
 臨床研究計画の立案を行った。今後、必要な倫理申請等を進めていく。
3-4
 令和5年度は、母子健康手帳から注目すべき情報をまとめ将来の患者拾い上げに資するパイロット研究を開始した。従来からの紙の母子健康手帳を用いたプレリミナリーな検討を開始し、この成果から注目すべき症状や医療者と家族とが理解しやすい表現や症状に注目し、これらをもとにさらなる調査を継続する。
(4)
副腎白質ジストロフィー 診療ガイドラインの作成は初年度に全ての原稿のとりまとめ作業は終了し、2年目にあたる次年度に発刊する予定である。
 ポンペ病診療ガイドラインは、推奨文準備,解説文までは完了し,2024年度に推奨度決定の投票を行う。

公開日・更新日

公開日
2025-05-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-05-26
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202310061Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
22,000,000円
(2)補助金確定額
20,760,000円
差引額 [(1)-(2)]
1,240,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 5,895,462円
人件費・謝金 3,271,251円
旅費 1,159,611円
その他 5,357,708円
間接経費 5,076,000円
合計 20,760,032円

備考

備考
今年度予定していた、診療ガイドライン作成の進捗が遅れたため。

公開日・更新日

公開日
2024-10-15
更新日
-