文献情報
文献番号
202310052A
報告書区分
総括
研究課題名
原発性免疫不全症候群の全国診療体制確立、移行医療体制構築、診療ガイドライン確立に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FC1023
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
森尾 友宏(国立大学法人 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 発生発達病態学分野)
研究分担者(所属機関)
- 山田 雅文(北海道大学大学院医学研究院小児科学教室)
- 笹原 洋二(東北大学大学院医学系研究科 発生・発達医学講座 小児病態学分野)
- 和田 泰三(金沢大学医薬保健研究域医学系小児科学)
- 今井 耕輔(防衛医科大学校医学教育部医学科)
- 小野寺 雅史(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 遺伝子細胞治療推進センター)
- 藤尾 圭志(東京大学医学部附属病院 アレルギーリウマチ内科)
- 保田 晋助(国立大学法人 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
- 金兼 弘和(東京医科歯科大学 大学院 小児地域成育医療学講座)
- 高田 英俊(筑波大学 医学医療系)
- 大西 秀典(岐阜大学大学院医学系研究科 小児科学)
- 村松 秀城(名古屋大学医学部附属病院小児科)
- 八角 高裕(京都大学大学院医学研究科発達小児科学)
- 井上 徳光(和歌山県立医科大学 分子遺伝学講座)
- 岡田 賢(広島大学大学院医系科学研究科 小児科学)
- 峯岸 克行(国立大学法人徳島大学 先端酵素学研究所 免疫アレルギー学)
- 大賀 正一(国立大学法人九州大学 医学研究院成長発達医学分野)
- 西小森 隆太(久留米大学 医学部小児科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
21,539,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
原発性免疫不全症候群のより良い診療体制・移行期医療の構築を目的として、診療GLの改訂・追補・学会承認、移行医療GLの策定・学会承認と移行医療の推進、疾患DBの構築と運用、患者診療体制の構築と維持、患者交流・相談会の開催を本研究の目的とする。
研究方法
令和5年度は原発性免疫不全症候群7細分類52疾患の診療GLのうち様々なカテゴリーに属する症候群を含む16疾患について、Mindsに準拠して診療GL案を策定した。
更に患者データの収集・解析、難病プラットホームへの格納、診療・連携体制の構築、診断方法・重症化指標の確立、移行医療GL策定、患者相談体制構築、予防接種相談体制構築を行った。
更に患者データの収集・解析、難病プラットホームへの格納、診療・連携体制の構築、診断方法・重症化指標の確立、移行医療GL策定、患者相談体制構築、予防接種相談体制構築を行った。
結果と考察
本年度改訂した16疾病とその細分類は以下の通りである。
1)複合免疫不全症
X連鎖重症複合免疫不全症
ADA欠損症
CD8欠損症
2)免疫不全を伴う特徴的な症候群
Wiskott-Aldrich症候群
Bloom症候群
胸腺低形成(DiGeorge症候群、22q11.2欠失症候群)
高IgE症候群
3)液性免疫不全を主とする疾患
X連鎖無ガンマグロブリン血症
24から30までに掲げるもののほかの、液性免疫不全を主とする疾患(APDS、IKAROS異常症)
4)免疫調節障害
ALPS
32から34に掲げるもののほかの、免疫調節障害(FHL症候群、IPEX症候群)
5)原発性食細胞機能不全症および欠損症
重症先天性好中球減少症
周期性好中球減少症
36から43に掲げるもののほかの、白血球機能異常(GATA2異常症、CSF2RA欠損症、CSF2RB欠損症)
6)自然免疫異常
無汗性外胚葉形成異常症
7)先天性補体欠損症
先天的補体欠損症
これらの診療GLについてDelfi法にてCQに対する推奨度を決定し、日本免疫不全・自己炎症学会、臨床免疫学会、小児感染症学会にて学会承認を得ると共に患者会からも意見を求め、学会HP掲載予定。
難病プラットフォームでの登録項目設定は既に完了し、令和4年度から引き続き各分担施設において、平成28年度まで稼働していたDBであるPIDJ休止後のデータ整理を開始。過去データの登録・移行、欠落データの補完の検討を行った。
原発性免疫不全症候群の原因となるすべての責任遺伝子を体系的に解析できる体制を維持し、診療GLへの掲載や、細分類・疾患毎の解析遺伝子についての確認を行った。この遺伝子解析施設を核にして、全国の原発性免疫不全症候群の診断・診療ネットワークを構築した。また全国で重症複合免疫不全症ならびにB細胞欠損症に対する拡大新生児スクリーニングが始まっているが、二次スクリーニング体制が整備されているとは言い難く、スクリーニング陽性後の診断体制について協議を行った。
毛細血管拡張性運動失調症とメンデル遺伝型マイコバクテリア易感染症の移行医療GLを小児科と成人診療科が合同で策定。
今年度GLを作成した16疾患について、可能な限りMindsに準拠してシステマティックレビューを行った。今回作成した診療GLは日本免疫不全・自己炎症学会から認証を得た後に、難病情報センターや各学会のHPでの公開、学会講演会、一般医への印刷物の配布などで広く周知する予定である。
原発性免疫不全症候群は稀少疾患であり、エビデンスレベルの高い研究は国際的にみても少ない。これまでの患者登録データ(PIDJ等)を活用するのみならず、従来データに加えて新規データを難病プラットフォームに格納することによりエビデンスレベルの高い疫学研究高め、国際協調を推進する。
原発性免疫不全症候群は、稀少疾患であるのみならず非典型例も多く、専門的な医療を必要とし、診断や診療には専門医の関与が欠かせない。専門医への相談体制の構築・維持を行った。また原発性免疫不全症候群の約半数は成人患者でありながら、成人診療科での専門医が極めて少ない。そこで成人患者が多いと思われる疾患を対象に移行医療GLを作成し、成人診療科でも安心して診療が受けられる体制を作る。
患者会とは継続して密な連携を図り、患者が抱える不安を拾い上げ、払拭できるような相談体制を構築する。
1)複合免疫不全症
X連鎖重症複合免疫不全症
ADA欠損症
CD8欠損症
2)免疫不全を伴う特徴的な症候群
Wiskott-Aldrich症候群
Bloom症候群
胸腺低形成(DiGeorge症候群、22q11.2欠失症候群)
高IgE症候群
3)液性免疫不全を主とする疾患
X連鎖無ガンマグロブリン血症
24から30までに掲げるもののほかの、液性免疫不全を主とする疾患(APDS、IKAROS異常症)
4)免疫調節障害
ALPS
32から34に掲げるもののほかの、免疫調節障害(FHL症候群、IPEX症候群)
5)原発性食細胞機能不全症および欠損症
重症先天性好中球減少症
周期性好中球減少症
36から43に掲げるもののほかの、白血球機能異常(GATA2異常症、CSF2RA欠損症、CSF2RB欠損症)
6)自然免疫異常
無汗性外胚葉形成異常症
7)先天性補体欠損症
先天的補体欠損症
これらの診療GLについてDelfi法にてCQに対する推奨度を決定し、日本免疫不全・自己炎症学会、臨床免疫学会、小児感染症学会にて学会承認を得ると共に患者会からも意見を求め、学会HP掲載予定。
難病プラットフォームでの登録項目設定は既に完了し、令和4年度から引き続き各分担施設において、平成28年度まで稼働していたDBであるPIDJ休止後のデータ整理を開始。過去データの登録・移行、欠落データの補完の検討を行った。
原発性免疫不全症候群の原因となるすべての責任遺伝子を体系的に解析できる体制を維持し、診療GLへの掲載や、細分類・疾患毎の解析遺伝子についての確認を行った。この遺伝子解析施設を核にして、全国の原発性免疫不全症候群の診断・診療ネットワークを構築した。また全国で重症複合免疫不全症ならびにB細胞欠損症に対する拡大新生児スクリーニングが始まっているが、二次スクリーニング体制が整備されているとは言い難く、スクリーニング陽性後の診断体制について協議を行った。
毛細血管拡張性運動失調症とメンデル遺伝型マイコバクテリア易感染症の移行医療GLを小児科と成人診療科が合同で策定。
今年度GLを作成した16疾患について、可能な限りMindsに準拠してシステマティックレビューを行った。今回作成した診療GLは日本免疫不全・自己炎症学会から認証を得た後に、難病情報センターや各学会のHPでの公開、学会講演会、一般医への印刷物の配布などで広く周知する予定である。
原発性免疫不全症候群は稀少疾患であり、エビデンスレベルの高い研究は国際的にみても少ない。これまでの患者登録データ(PIDJ等)を活用するのみならず、従来データに加えて新規データを難病プラットフォームに格納することによりエビデンスレベルの高い疫学研究高め、国際協調を推進する。
原発性免疫不全症候群は、稀少疾患であるのみならず非典型例も多く、専門的な医療を必要とし、診断や診療には専門医の関与が欠かせない。専門医への相談体制の構築・維持を行った。また原発性免疫不全症候群の約半数は成人患者でありながら、成人診療科での専門医が極めて少ない。そこで成人患者が多いと思われる疾患を対象に移行医療GLを作成し、成人診療科でも安心して診療が受けられる体制を作る。
患者会とは継続して密な連携を図り、患者が抱える不安を拾い上げ、払拭できるような相談体制を構築する。
結論
原発性免疫不全症候群のうちさまざまなカテゴリーに属する症候群を含む16疾患の診療ガイドラインの改訂ならびに策定を行った。本研究により原発性免疫不全症候群の適切な診療が可能となり、難病診療レベルの向上および難病支援の構築に貢献した。
公開日・更新日
公開日
2025-05-26
更新日
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