血小板低値例へのインターフェロン治療法の確立を目指した基礎および臨床的研究

文献情報

文献番号
200933031A
報告書区分
総括
研究課題名
血小板低値例へのインターフェロン治療法の確立を目指した基礎および臨床的研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-肝炎・一般-007
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
西口 修平(兵庫医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 渡辺 恭良(独立行政法人理化学研究所 分子イメージング科学研究センター)
  • 筒井 ひろ子(兵庫医科大学 病原微生物学)
  • 池田 一雄(名古屋市立大学大学院医学研究科 機能解剖学)
  • 有井 滋樹(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 肝胆膵・総合外科)
  • 山本 和秀(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器・肝臓内科学)
  • 工藤 正俊(近畿大学 医学部消化器内科)
  • 日野 啓輔(川崎医科大学 肝胆膵内科学)
  • 河田 則文(大阪市立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科)
  • 八橋 弘(国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター)
  • 福井 博(奈良県立医科大学 消化器内科)
  • 内村 直尚(久留米大学 精神神経医学)
  • 冨山 佳昭(大阪大学附属病院 輸血部)
  • 柏木 徹(兵庫医科大学 核医学・PETセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
インターフェロン(IFN)治療が困難な血小板低値のC型慢性肝疾患へのIFN治療法の確立を目指した基礎および臨床的研究を行い、血小板低値例の背景因子(遺伝的素因)の検討、治療前の血小板対策の適応や標準的手技の確立、有効なIFN治療スケジュールの開発を目指す。
研究方法
血小板低値例へのIFN治療法について肝臓学会の内科系専門医を対象にアンケート調査を行った。さらに、肝臓外科医と放射線科医を対象に脾動脈塞栓術(PSE)や脾摘の適応や合併症と効果について調査した。内科系班員を対象に、血小板低値例へのIFN治療成績を集計した。さらに、各班員による個別研究と前向き研究を行った。
結果と考察
内科系のアンケートでは、IFN投与の最低血小板値は施設により大きく異なるが、血小板数が8万以下では治療完遂率が低く有効率(SVR率)も著しく低下した。PSEや脾摘の手技は施設によりまちまちで、一部重篤な合併症も見られた。しかし、肝硬変に対してPSEや脾摘を行うことにより、血小板数の増加のみならず、アルブミン値などの改善が認められた。次に、班員の治療成績を集計すると、血小板数8万以下にPSEや脾摘を行うことにより治療完遂率が高まった。しかし、PSEでは術後6カ月以降の血小板数の低下がみられ、長期間のIFN治療では脾摘の優位性が示唆された。genotype 1b/high 以外の症例ではPSEや脾摘により有効率の向上が期待できるものの、1b/highの症例ではSVR率は低率であった。血小板低値にPSEや脾摘を行い高用量のIFN・リバビリン治療を行う場合と、前処置をせずに薬剤投与量を調節して治療する場合の有効性と安全性について前向き研究を開始した。基礎研究では、脾摘後の細菌感染への抵抗性の変化、肝線維化への影響、PETによるIFNの体内分布などを検討中である。
結論
血小板低値例への治療方針、PSE・脾摘の適応基準や手技は施設により大きく異なり、一部に重篤な合併症も生じていた。このため、ガイドラインによる標準的治療の提示が必要と考えられた。特に、1b/highの症例にPSEや脾摘を行っても有効率が低いため、IFN治療への良好な反応例に限定すべきであり、今後詳細なウイルス側因子(core 70, ISDR)や患者側因子(IL28B)などの検討を行い、適応条件の検討が必要である。

公開日・更新日

公開日
2011-06-06
更新日
-