血液凝固異常症等に関する研究

文献情報

文献番号
202310051A
報告書区分
総括
研究課題名
血液凝固異常症等に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FC1022
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
森下 英理子(国立大学法人 金沢大学 医薬保健研究域保健学系)
研究分担者(所属機関)
  • 柏木 浩和(大阪大学 医学部附属病院輸血部)
  • 村田 満(国際医療福祉大学 臨床医学研究センター)
  • 桑名 正隆(日本医科大学 大学院医学研究科 アレルギー膠原病内科学分野)
  • 島田 直樹(国際医療福祉大学 基礎医学研究センター)
  • 山之内 純(愛媛大学 医学部附属病院)
  • 松本 雅則(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部)
  • 丸山 彰一(国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院医学系研究科腎臓内科)
  • 宮川 義隆(埼玉医科大学  血液内科)
  • 小亀 浩市(国立循環器病研究センター 分子病態部)
  • 横山 健次(東海大学医学部付属八王子病院 血液腫瘍内科)
  • 大賀 正一(国立大学法人九州大学 医学研究院成長発達医学分野)
  • 松下 正(名古屋大学 医学部附属病院輸血部)
  • 根木 玲子(国立循環器病研究センター ゲノム医療支援部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
16,924,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
3つの指定難病―特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、特発性血栓症(遺伝性血栓性素因によるものに限る。)と、TTPと病態が類似している腎疾患の指定難病―非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)である。疫学調査と治療実態の把握、エビデンスに基づいた全国共通の診断基準・重症度分類の策定や改訂、診療ガイドライン等の確立や改正、普及・啓発活動、患者会との意見交換を目的とする。
研究方法
4疾患について、それぞれのサブグループに分かれて課題に取り組むとともに、グループ間の相互議論を会議等で活発に行い、①分子病態に基づいた診断基準、治療指針の確立/普及およびその効果の検証、改訂、②大規模な疫学的解析による我が国での発症頻度、予後の把握と治療の標準化等を進めた。
結果と考察
【ITP】1) 疫学調査:2020年1月~2022年12月の成人ITPの臨床個人票のデータの第三者提供申請を行った。2)ITP治療参照ガイドの普及と次期改訂への準備:2019年に改訂された成人ITP治療参照ガイドの普及に努めるとともに、新規治療薬の治験進行動向についての情報収集を行った。3)幼若血小板比率と血中トロンボポエチン濃度測定を組み入れた新しい診断基準を提唱し、「臨床血液」(2023;64:1245-1257)、「Int J Hematol」(2024;119:1-13)に掲載された。またその有用性を検討する臨床試験の検討を行った。4)ITP治療参照ガイドとSLE診療ガイドラインとの連携に関する検討を行った。
【TTP/aHUS】1)TMAにおけるADAMTS13解析・TTP症例の集積、2)後天性TTP前向きコホート、3)先天性TTPにおけるADAMTS13遺伝子解析 、4)aHUSの蛋白質学的、遺伝学的解析と症例集積の作成、5)TTP/aHUSの臨床個人調査票を用いた疾患解析。これらは、前年度からの継続課題が多く、概ね順調に計画を進めている。
これらの計画以外に、前年度に完成させたTTP診療ガイド2023とaHUS診療ガイド2023を出版し、臨床現場での周知を図った。TTP診療ガイドは、「臨床血液」(2023; 58:271-28)と「Int J Hematol」(2023;118: 529-546)に掲載された。また、リツキシマブの保険適用が後天性TTPの再発難治のみとなっていることから、急性期で使用できず臨床現場で問題となっている。希少疾患であるため、新たに医師主導治験を行うことは困難であり、公知申請を目指して厚生労働省への申請を行った。
【特発性血栓症】1)全国医療機関からの症例の遺伝子解析、遺伝子変異部位のデータ集積を継続、情報の格納先を移転し(J-THReC.jp)、更新、公開している。2)特発性血栓症レジストリ参加施設を11施設に拡大した。3)プロテインS(PS)活性の標準化、基準値を設定した。4)遺伝性血栓性素因妊婦の診療の手引きの改正を目的とするWGを結成し検討を開始した。5)特発性血栓症診断基準改正のためのWGを結成して改正作業を始める準備をした。6)「新生児から成人までに発症する特発性血栓症の診療ガイド」を作成した。7)能登半島地震被災地避難所生活者のDVT検診を行い、VTE予防の啓蒙活動を行った。8)遺伝性血栓性素因患者の妊娠分娩管理に関する全国調査研究-二次調査結果を報告した。
結論
【ITP】疫学調査に関しては、新たなデータが使用可能となれば、2020年以降のITP患者発症動向が明らかになり、COVID-19感染の影響などを含め検討できる可能性がある。治療に関してはITPに対する新規治療薬が承認されたことから、今回の得られた成果をいかし、参照ガイドの改訂を進める予定である。新診断基準に関しては、新たな検査が多くの病院で検査可能となるように検査キットの臨床性能検査を行い、保険収載を目指す。
【TTP/aHUS】日本人におけるレジストリを作成することにより、日本人の特徴を明らかになり、日本人で有効な治療法の選択が可能になる。また作成したガイドラインを臨床現場で使ってもらうために周知すること、薬剤の新たな適応拡大、によりTTP/aHUSの予後の改善を図っていく。
【特発性血栓症】「新生児から成人までに発症する特発性血栓症の診療ガイド」(発行済み)、「遺伝性血栓性素因妊婦の診療ガイド」(改訂作業中)の啓発普及を図るとともに、研究成果に基づいて診断基準の見直しを進める。

公開日・更新日

公開日
2025-05-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2025-05-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202310051Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
22,000,000円
(2)補助金確定額
21,666,000円
差引額 [(1)-(2)]
334,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 5,709,164円
人件費・謝金 2,903,369円
旅費 3,049,894円
その他 4,927,606円
間接経費 5,076,000円
合計 21,666,033円

備考

備考
研究班自己資金 33円

公開日・更新日

公開日
2024-10-08
更新日
-