文献情報
文献番号
202310045A
報告書区分
総括
研究課題名
自己炎症性疾患とその類縁疾患における、移行期医療を含めた診療体制整備、患者登録推進、全国疫学調査に基づく診療ガイドライン構築に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FC1016
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
西小森 隆太(久留米大学 医学部小児科)
研究分担者(所属機関)
- 井澤 和司(京都大学大学院医学研究科)
- 石村 匡崇(九州大学 大学院医学研究院)
- 井田 弘明(久留米大学 医学部)
- 伊藤 秀一(横浜市立大学 大学院医学研究科)
- 今井 耕輔(防衛医科大学校 医学教育部医学科)
- 大西 秀典(東海国立大学機構 岐阜大学大学院医学系研究科)
- 岡田 賢(広島大学 大学院医系科学研究科)
- 小原 收(公益財団法人かずさDNA研究所 ゲノム事業推進部)
- 金澤 伸雄(兵庫医科大学 医学部)
- 金兼 弘和(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
- 河合 利尚(国立成育医療研究センター 免疫科)
- 川上 純(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
- 神戸 直智(京都大学 医学研究科)
- 岸田 大(信州大学 医学部附属病院)
- 桐野 洋平(横浜市立大学 大学院医学研究科)
- 笹原 洋二(東北大学 大学院医学系研究科)
- 杉浦 一充(藤田医科大学 医学部)
- 高田 英俊(筑波大学 医学医療系)
- 武井 修治(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科)
- 竹崎 俊一郎(北海道大学 大学院医学研究院小児科学教室)
- 日衛嶋 栄太郎(京都大学医学部附属病院 大学院医学研究科)
- 平家 俊男(京都大学 大学院医学研究科)
- 右田 清志(福島県立医科大学 医学部)
- 宮前 多佳子(東京女子医科大学 医学部)
- 向井 知之(川崎医科大学 医学部)
- 森 雅亮(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
- 盛一 享徳(国立成育医療研究センター 研究所 小児慢性特定疾病情報室)
- 森尾 友宏(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
- 八角 高裕(京都大学 大学院医学研究科)
- 和田 泰三(金沢大学 医薬保健研究域医学系)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
30,770,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
自己炎症性疾患は自然免疫系遺伝子異常を原因とし、全身炎症や多臓器障害を呈する稀少疾患である。令和4年度“自己炎症性疾患とその類縁疾患の全国診療体制整備、移行医療体制の構築、診療ガイドライン確立に関する研究”班で、診療体制整備、患者登録システム構築、診療ガイドライン(GL)/フローチャート(FC)の作成・改訂、を行った。しかし、診断基準未整備疾患の存在、保険診療未対応遺伝子解析体制の未完成、患者登録・非遺伝性疾患の全国疫学調査等が継続中である。以上の課題に対し、1)保険診療未対応遺伝子の解析体制の構築、2)保険収載・未収載ともに対応可能な遺伝子診断体制の整備、3)移行期医療指針作成を含めた移行期医療体制の構築、4)難病プラットフォームでの患者登録推進、5)全国調査による患者実態把握、6)新規疾患を含めた診療GL/FC作成・改訂、7)体細胞モザイク疾患・酵素活性測定が有用な疾患の診断体制の確立、8)患者QOL調査による患者アンメットニーズ等の前方視的エビデンス集積、を行い診療GL/FCへ反映させる。
研究方法
適切な倫理面への配慮のもと、以下の4つを行った。
1)診療体制整備、移行期医療の指針作成、関連研究との連携、2)患者登録システムの推進・全国調査、3)診療ガイドライン/フローチャート作成、4) 患者QOL調査による患者アンメットニーズ等の前方視的エビデンス集積、患者会との連携。
1)診療体制整備、移行期医療の指針作成、関連研究との連携、2)患者登録システムの推進・全国調査、3)診療ガイドライン/フローチャート作成、4) 患者QOL調査による患者アンメットニーズ等の前方視的エビデンス集積、患者会との連携。
結果と考察
1)自己炎症性疾患の診療体制の整備、移行期医療の指針作成、関連研究との連携
前研究班から引き続き、日本免疫不全・自己炎症学会と連携して、保険診療による遺伝子解析結果に対して専門家として結果解釈コメント付けや、結果問い合わせに対するサポート体制を継続した。またWEBでの医師からの患者相談、コンサルト事業を継続して行った。小児・成人をシームレスに診療できる体制構築のため、MKDの移行医療指針案を作成した。各AMED研究班(代表八角高裕、岡田賢、本田吉孝、仲瀬裕志、桐野洋平)と連携を行った。体細胞モザイク疾患・酵素活性測定が有用な疾患の診断体制の確立に向けて、かずさ遺伝子検査室と連携、検査体制を構築した。
2)患者登録システムの推進・全国調査
難病プラットフォームへの患者登録を継続して行っている。クリオピリン関連周期熱症候群の全国調査(Arthritis Rheumatol. 2024)、慢性再発性多発性骨髄炎A20ハプロ不全症の全国調査も継続した。その他、エイカルディ-グティエール症候群、中條・西村症候群、STING異常症、TRAPS、PAPA症候群、ROSAH症候群において全国調査を開始した。また、本邦における全5名のRELA異常症に関して論文報告を行った(J Exp Med. 2023)
3)診療ガイドライン/フローチャート作成
診療ガイドラインの作成・改訂を行った。化膿性関節炎・壊疽性膿皮症・ざ瘡症候群(PAPA症候群)、中條・西村症候群、A20ハプロ不全症の診療ガイドライン作成ならびに家族性地中海熱、周期性発熱・アフタ性口内炎・咽頭炎・リンパ節炎症候群(PFAPA症候群)ガイドライン改訂作業を行った。RELA異常症の診療フローチャートを作成した。VEXAS症候群、STING異常症の指定難病の診断基準(案)を作成し、日本リウマチ学会の承認を得た。国際共同研究においてADA2欠損症のInternational Consensus Statementについて報告した(JAMA Netw Open. 2023:)。
4)患者QOL調査による患者アンメットニーズ等の前方視的エビデンス集積、患者会との連携
パーソナルヘルスレコード(PHR)を用いたブラウ症候群に対するQOL調査を開始した。「CAPS患者・家族の会」へ参加し意見交換を行った。自己炎症性疾患の患者会である「自己炎症疾患友の会」主催の医療講演会2023において、講演を行った。
5)考察
自己炎症性疾患の診療体制の整備をすすめ、引き続きJSIADと連携して遺伝子解析結果に対して専門グループによるサポートや、WEBでの医師からの患者相談、コンサルト事業を継続する。小児・成人をシームレスに診療するための移行医療指針の作成を行うことができ、全国調査に関しても順調に進行中である。現在、難病プラットフォームへの患者登録も順次行うことができた。診療ガイドライン作成、改訂についても順調に行われた。
前研究班から引き続き、日本免疫不全・自己炎症学会と連携して、保険診療による遺伝子解析結果に対して専門家として結果解釈コメント付けや、結果問い合わせに対するサポート体制を継続した。またWEBでの医師からの患者相談、コンサルト事業を継続して行った。小児・成人をシームレスに診療できる体制構築のため、MKDの移行医療指針案を作成した。各AMED研究班(代表八角高裕、岡田賢、本田吉孝、仲瀬裕志、桐野洋平)と連携を行った。体細胞モザイク疾患・酵素活性測定が有用な疾患の診断体制の確立に向けて、かずさ遺伝子検査室と連携、検査体制を構築した。
2)患者登録システムの推進・全国調査
難病プラットフォームへの患者登録を継続して行っている。クリオピリン関連周期熱症候群の全国調査(Arthritis Rheumatol. 2024)、慢性再発性多発性骨髄炎A20ハプロ不全症の全国調査も継続した。その他、エイカルディ-グティエール症候群、中條・西村症候群、STING異常症、TRAPS、PAPA症候群、ROSAH症候群において全国調査を開始した。また、本邦における全5名のRELA異常症に関して論文報告を行った(J Exp Med. 2023)
3)診療ガイドライン/フローチャート作成
診療ガイドラインの作成・改訂を行った。化膿性関節炎・壊疽性膿皮症・ざ瘡症候群(PAPA症候群)、中條・西村症候群、A20ハプロ不全症の診療ガイドライン作成ならびに家族性地中海熱、周期性発熱・アフタ性口内炎・咽頭炎・リンパ節炎症候群(PFAPA症候群)ガイドライン改訂作業を行った。RELA異常症の診療フローチャートを作成した。VEXAS症候群、STING異常症の指定難病の診断基準(案)を作成し、日本リウマチ学会の承認を得た。国際共同研究においてADA2欠損症のInternational Consensus Statementについて報告した(JAMA Netw Open. 2023:)。
4)患者QOL調査による患者アンメットニーズ等の前方視的エビデンス集積、患者会との連携
パーソナルヘルスレコード(PHR)を用いたブラウ症候群に対するQOL調査を開始した。「CAPS患者・家族の会」へ参加し意見交換を行った。自己炎症性疾患の患者会である「自己炎症疾患友の会」主催の医療講演会2023において、講演を行った。
5)考察
自己炎症性疾患の診療体制の整備をすすめ、引き続きJSIADと連携して遺伝子解析結果に対して専門グループによるサポートや、WEBでの医師からの患者相談、コンサルト事業を継続する。小児・成人をシームレスに診療するための移行医療指針の作成を行うことができ、全国調査に関しても順調に進行中である。現在、難病プラットフォームへの患者登録も順次行うことができた。診療ガイドライン作成、改訂についても順調に行われた。
結論
1)診療体制整備、移行期医療の指針作成、関連研究との連携、2)患者登録システムの推進・全国調査、3)診療ガイドライン/フローチャート作成、4) 患者QOL調査による患者アンメットニーズ等の前方視的エビデンス集積、患者会との連携に関して、令和5年度はほぼ予定通りに行われた。
公開日・更新日
公開日
2025-06-03
更新日
-