データマイニング手法を用いた効果的な治療方法に関する研究

文献情報

文献番号
200933020A
報告書区分
総括
研究課題名
データマイニング手法を用いた効果的な治療方法に関する研究
課題番号
H20-肝炎・一般-007
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
八橋 弘(独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 石橋 大海(独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター)
  • 小林 正和(独立行政法人国立病院機構 まつもと医療センター 松本病院)
  • 林 茂樹(独立行政法人国立病院機構 災害医療センター)
  • 中牟田 誠(独立行政法人国立病院機構 九州医療センター)
  • 三田 英治(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター)
  • 矢倉 道泰(独立行政法人国立病院機構 東京病院)
  • 高野 弘嗣(独立行政法人国立病院機構 呉医療センター)
  • 肱岡 泰三(独立行政法人国立病院機構 大阪南医療センター)
  • 室 豊吉(独立行政法人国立病院機構 大分医療センター)
  • 小松 達司(独立行政法人国立病院機構 横浜医療センター)
  • 正木 尚彦(国立国際医療センター)
  • 太田 肇(独立行政法人国立病院機構 金沢医療センター)
  • 佐藤 丈顕(独立行政法人国立病院機構 小倉医療センター)
  • 米田 俊貴(独立行政法人国立病院機構 京都医療センター)
  • 島田 昌明(独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター)
  • 中尾 一彦(長崎大学)
  • 矢野 博久(久留米大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
38,220,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 新しい情報解析システムであるデータマイニングを用いて、効果的なウイルス肝炎に対する治療法を具体的に提示することを目的に、平成21年度は、下記の3点について検討した。
研究方法
 1)HBe抗原陽性B型慢性肝炎237例を対象とした観察開始1年後のHBeAg-Abのセロコンバージョン(SC)に関わる因子の同定、2)C型慢性肝炎に対するペグインターフェロン(PegIFN)とリバビリン(RBV)併用療法の治療成績とIL28B遺伝子多型との関連、3)消化器病専門医を対象としたアンケート調査方法により、保険病名がC型慢性肝炎である外来通院患者3827名でのIFN治療適応対象者の頻度。
結果と考察
 1.HBe抗原陽性B型慢性肝炎症例の1年後のHBeAg-Abのセロコンバージョン(SC)には、HBeAg量に代表されるウイルス増殖能と肝の炎症の指標の代表される肝実質炎の程度が関与していること。また、Dm解析(決定木法)を用いることで、1年後のSCを生じやすい集団とそうでない集団を見出すことが可能となることを明らかにした。
 2.HCV1Hに対するC型慢性肝炎に対するペグインターフェロン(PegIFN)とリバビリ(RBV)併用療法の治療成績には、IL28B遺伝子多型が独立して強く関与することを明らかにした。今後のC型肝炎に対するIFN治療では、事前にIL28B遺伝子のSNPを測定した上で、各種治療法の適応、治療法の種類などを具体的に検討するようになると考えられた。
 3.保険病名がC型慢性肝炎である外来通院患者のうち、36.5%から82.1%がIFN治療対象者であると消化器病専門医は考えていることを明らかにした。
結論
 1.HBe抗原陽性B型慢性肝炎症例の1年後のHBeAg-Abのセロコンバージョンには、HBeAg量が強く関与する。
 2.HCV1Hに対するC型慢性肝炎に対するペグインターフェロン(PegIFN)とリバビリン(RBV)併用療法の治療成績には、IL28B遺伝子多型が強く関与する。
 3.保険病名がC型慢性肝炎である外来通院患者のうち、36.5%から82.1%がIFN治療対象者である。

公開日・更新日

公開日
2011-06-06
更新日
-