文献情報
文献番号
202310028A
報告書区分
総括
研究課題名
小児期発症の希少難治性肝胆膵疾患における医療水準並びに患者QOLの向上のための調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22FC1014
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
仁尾 正記(東北大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 奥山 宏臣(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科 小児成育外科学)
- 佐々木 英之(東北大学 大学院医学系研究科)
- 今川 和生(筑波大学 小児内科)
- 清水 俊明(順天堂大学 医学部)
- 正宗 淳(東北大学大学院医学系研究科)
- 鈴木 光幸(順天堂大学医学部小児科)
- 安藤 久實(愛知県心身障害者コロニー 発達障害研究所 病理学部)
- 島田 光生(徳島大学大学院 医歯薬学研究部 消化器・移植外科学)
- 大塚 将之(千葉大学大学院医学研究院)
- 浜田 吉則(関西医科大学医学部)
- 虫明 聡太郎(近畿大学医学部奈良病院 小児科)
- 林 久允(東京大学 大学院薬学系研究科)
- 近藤 宏樹(近畿大学奈良病院)
- 乾 あやの(済生会横浜市東部病院こどもセンター 小児科)
- 別所 一彦(大阪大学大学院医学系研究科小児科学)
- 笠原 群生(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 病院)
- 和田 基(東北大学大学院医学系研究科小児外科学分野)
- 岡本 竜弥(京都大学医学部附属病院 小児外科)
- 水田 耕一(自治医科大学 医学部)
- 渡辺 稔彦(国立成育医療研究センター 外科)
- 鈴木 滋(旭川医科大学 小児科)
- 樋口 真司(大阪市立総合医療センター 小児代謝・内分泌内科)
- 竹山 宜典(近畿大学 医学部)
- 成瀬 達(みよし市民病院 消化器科)
- 石黒 洋(名古屋大学総合保健体育科学センター)
- 田中 篤(帝京大学 医学部内科学講座)
- 盛一 享徳(国立成育医療研究センター 研究所 小児慢性特定疾病情報室)
- 泉 陽子(東北大学 東北メディカル・メガバンク機構)
- 大藤 さとこ(大阪市立大学大学院医学研究科公衆衛生学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究課題の対象疾病:1)胆道閉鎖症、2)アラジール症候群、3)遺伝性膵炎、4)先天性胆道拡張症、5)進行性家族性肝内胆汁うっ滞症、6)カロリ病、7)先天性肝線維症、8)先天性門脈欠損症、9)新生児ヘモクロマトーシス、10)嚢胞性線維症、11)先天性高インスリン血症
以上の疾病を対象として、次の1)-7)の研究を行う。
1)担当疾病の現行ガイドラインの活用状況を調査し、併せて改訂作業を進める。2)ガイドライン未策定疾病では作成に向けた作業を行う。3)移行期を意識した高レベルの研究と診療の体制整備では、患者会・関連研究班と連携して、適切な体制を検討する。4)レジストリの解析研究を進め、5)またレジストリ未構築疾病ではCIRCLeなどとの連携を含めて構築を進める。6)複数のレジストリに登録される疾病では、レジストリ間で照合を行い、実態を明らかにするとともに、各レジストリの強化を図る。7)また、指定難病でない疾病については、更なる解析・調査によりエビデンスの蓄積を図る。
2023年度は以下を研究目的として策定した。
1) ガイドライン有効活用調査結果解析および統合されたエビデンスをもとにしたガイドライン改訂作業
2) ガイドライン未策定疾病の現状調査結果解析と文献・エビデンス探索
3) 既存レジストリデータの解析から明らかとなった臨床課題の把握
4) レジストリ未構築疾病の調査研究解析によるレジストリ構築阻害要因分析
5) 移行期を意識した高レベルの研究と診療の体制に関する各疾病の現状調査結果解析
6) 移行期を意識した高レベルの研究と診療の体制に関する疾病横断的調査結果解析
以上の疾病を対象として、次の1)-7)の研究を行う。
1)担当疾病の現行ガイドラインの活用状況を調査し、併せて改訂作業を進める。2)ガイドライン未策定疾病では作成に向けた作業を行う。3)移行期を意識した高レベルの研究と診療の体制整備では、患者会・関連研究班と連携して、適切な体制を検討する。4)レジストリの解析研究を進め、5)またレジストリ未構築疾病ではCIRCLeなどとの連携を含めて構築を進める。6)複数のレジストリに登録される疾病では、レジストリ間で照合を行い、実態を明らかにするとともに、各レジストリの強化を図る。7)また、指定難病でない疾病については、更なる解析・調査によりエビデンスの蓄積を図る。
2023年度は以下を研究目的として策定した。
1) ガイドライン有効活用調査結果解析および統合されたエビデンスをもとにしたガイドライン改訂作業
2) ガイドライン未策定疾病の現状調査結果解析と文献・エビデンス探索
3) 既存レジストリデータの解析から明らかとなった臨床課題の把握
4) レジストリ未構築疾病の調査研究解析によるレジストリ構築阻害要因分析
5) 移行期を意識した高レベルの研究と診療の体制に関する各疾病の現状調査結果解析
6) 移行期を意識した高レベルの研究と診療の体制に関する疾病横断的調査結果解析
研究方法
2023年度は以下の方法にて各疾患研究を進めた。
1) 診療ガイドライン作成・改訂:アラジール症候群・進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(並行して作成)、成人領域研究(作成)、胆道閉鎖症(改訂)、先天性胆道拡張症(改訂)、先天性高インスリン血症(改訂)
2) 疾患レジストリの継続:胆道閉鎖症、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症、嚢胞性線維症
3) 対象疾患調査・解析:アラジール症候群(全国調査)、先天性胆道拡張症(長期予後)、カロリ病・先天性肝線維症(肝移植症例に係る調査)、先天性門脈欠損症(先天性門脈体循環短絡症症例の有無)
4) 遺伝子解析:遺伝性膵炎(TRPV6およびCELA3B)、嚢胞性線維症(CFTR遺伝子解析)、先天性高インスリン血症((ABCC8、KCNJ11、GLUD1、GCK、HADH、SLC16A1、HNF4A、HNF1A、INSR))
5) 患者相談会・情報交換会の開催:アラジール症候群、遺伝性膵炎、嚢胞性線維症
6) 他研究班との連携:進行性家族性肝内胆汁うっ滞症、カロリ病・先天性肝線維症、新生児ヘモクロマトーシス
1) 診療ガイドライン作成・改訂:アラジール症候群・進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(並行して作成)、成人領域研究(作成)、胆道閉鎖症(改訂)、先天性胆道拡張症(改訂)、先天性高インスリン血症(改訂)
2) 疾患レジストリの継続:胆道閉鎖症、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症、嚢胞性線維症
3) 対象疾患調査・解析:アラジール症候群(全国調査)、先天性胆道拡張症(長期予後)、カロリ病・先天性肝線維症(肝移植症例に係る調査)、先天性門脈欠損症(先天性門脈体循環短絡症症例の有無)
4) 遺伝子解析:遺伝性膵炎(TRPV6およびCELA3B)、嚢胞性線維症(CFTR遺伝子解析)、先天性高インスリン血症((ABCC8、KCNJ11、GLUD1、GCK、HADH、SLC16A1、HNF4A、HNF1A、INSR))
5) 患者相談会・情報交換会の開催:アラジール症候群、遺伝性膵炎、嚢胞性線維症
6) 他研究班との連携:進行性家族性肝内胆汁うっ滞症、カロリ病・先天性肝線維症、新生児ヘモクロマトーシス
結果と考察
研究班全体として、関連学会・研究会及び研究班間の連携をベースとした調査研究を継続した。一方で、希少性の高い疾病を対象としていることと関連して、疾病ごとに調査研究の段階に差があり、疾病間での作業の足並みが揃いにくいという実情がある。希少疾病の発生状況や病状の推移の把握のためレジストリ構築とデータの蓄積・解析は各疾病で是非進めてもらいたいと考えているが、診療ガイドラインについては、必ずしも全ての疾病で作成されるべきとは考えておらず、とくに極端に希少な疾病ではエビデンスの創出も困難で、当面は症例ごとの対応を行わざるを言えない部分もありうる。しかし、いずれの疾病においても、それぞれの時点での疾病概念の理解や診断・治療への考え方などを含む標準的な取扱いを検討し示し続けることは研究班の重要な責務と心得ている。また対象疾病のうち5疾病(胆道閉鎖症、アラジール症候群、遺伝性膵炎、進行性家族性胆汁うっ滞症、嚢胞性線維症)について指定難病としての調査研究が実施されているが、これら以外の疾病にも小児期から成人期まで引き続いて重篤な病態を持ち越す疾病があり、その実態を明らかにして指定難病としての認定につなげることも重要な作業と考えている。
結論
2023年度研究においても関連学会・研究会及び関連研究班との連携の下、小児期および成人期の医療者・研究者が集結しての作業を継続した。適切なトランジションに関する小児期と成人期の医療者・研究者のコンセンサスを得ながら、それに基づいた理想的なシステム構築に資することが本研究班の重要な役割で、そのためにも診療ガイドラインの整備と疾患レジストリの活用が重要である。研究の対象が希少性の高い疾病であるため、取り組み状況には差があるが、各疾病の小児と成人のエキスパートが一堂に会して議論する場はきわめて重要であり、難治性疾患の克服を目指して作業を継続してゆく所存である。
公開日・更新日
公開日
2025-05-26
更新日
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