肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養療法のガイドライン作成を目指した総合的研究

文献情報

文献番号
200933018A
報告書区分
総括
研究課題名
肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養療法のガイドライン作成を目指した総合的研究
課題番号
H20-肝炎・一般-005
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 一幸(岩手医科大学医学部 消化器・肝臓内科)
研究分担者(所属機関)
  • 森脇久隆(岐阜大学大学院医学系研究科 消化器病態内科学)
  • 加藤章信(岩手医科大学医学部 消化器・肝臓内科)
  • 高後裕(旭川医科大学医学部 内科学講座消化器・血液腫瘍抑制御内科学分野)
  • 鈴木壱知(獨協医科大学越谷病院 消化器内科)
  • 西口修平(兵庫医科大学内科学 肝胆膵科)
  • 坂井田功(山口大学大学院医学系研究科 消化器病態内科学)
  • 片山和宏(大阪府立成人病センター 肝胆膵内科)
  • 上野義之(国立学校法人東北大学医学研究科 消化器病態学)
  • 羽生大記(大阪市立大学大学院 生活科学研究科)
  • 遠藤龍人(岩手医科大学医学部 消化器・肝臓内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
8,820,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
肝発癌抑制を視野に入れたわが国の肝硬変患者に見合った栄養療法のガイドラインを作成すること。
研究方法
共同研究として1.分岐鎖アミノ酸製剤による肝癌治療後の再発抑制効果に関する臨床共同試験、2.肝硬変における栄養摂取状況と病態の進展に関する大規模実態調査、3.肝硬変に伴う高アンモニア血症に対するノベルジンカプセル(酢酸亜鉛水和物製剤)のプラセボ対照二重盲検試験の共同研究を立案した。また、個別研究では、1)肝硬変患者の生活習慣、身体学的および栄養学的特徴、2)肝硬変患者の栄養摂取状況、3)蛋白・エネルギー代謝異常の新たな指標、4)肝硬変の鉄代謝異常、5)血中アミノ酸インバランスと免疫機能との関連、6)肝硬変患者向けの栄養療法ガイドライン作成に向けた方策、について検討した。
結果と考察
多施設共同研究は各施設での倫理委員会での承認の後それぞれ登録を開始し、症例を集積中である。個別研究では、1)栄養摂取調査により、慢性肝炎患者と肝硬変患者での差異、インスリン抵抗性の存在を確認した。2)肝硬変患者では生活活動量が低下しており、有酸素運動が肝硬変患者のエネルギー代謝異常およびQOLの改善に有用である可能性を示した。3)鉄代謝異常を把握するための非トランスフェリン結合鉄測定法を確立し、慢性肝疾患患者での測定を開始した。4)肝硬変患者の蛋白・エネルギー代謝異常の指標である非蛋白呼吸商(npRQ)を成因別・重症度別に検討し、npRQはアルコール性がウイルス性に比して低下傾向を示すこと、蛋白・エネルギー低栄養状態(PEM)の指標として血清TNFαおよびその可溶性受容体(TNFR1, TNFR2) が有用であることを示した。5)非代償性肝硬変患者でみられる血漿中のアミノ酸のインバランスに一致したアミノ酸を含有する培地を新たに作成し、より肝硬変に近いin vitro環境での免疫機能の解析を可能とした。6)栄養療法のガイドライン作成に向けた問題点を明らかにした。
結論
研究2年目の個別研究成果を公表し、共同研究では3つの多施設共同研究をスタートさせ登録を開始した。

公開日・更新日

公開日
2011-06-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2011-02-16
更新日
-