文献情報
文献番号
202310011A
報告書区分
総括
研究課題名
遺伝性白質疾患・知的障害をきたす疾患の診断・治療・研究システム構築
研究課題名(英字)
-
課題番号
21FC1015
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
小坂 仁(自治医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 井上 健(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第二部)
- 吉田 誠克(独立行政法人地域医療機能推進機構 神戸中央病院)
- 久保田 雅也(島田療育センター 小児科)
- 山本 俊至(東京女子医科大学 医学部)
- 和田 敬仁(京都大学大学院 医学研究科 ゲノム医療学講座)
- 秋山 倫之(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 小児医科学分野 発達神経病態学領域)
- 井上 治久(国立大学法人京都大学 iPS細胞研究所増殖分化機構研究部門)
- 岩山 秀之(愛知医科大学 医学部小児科学講座)
- 植松 有里佳(沼田 有里佳)(東北大学 大学病院)
- 黒澤 健司(地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター 遺伝科)
- 近藤 洋一(大阪医科薬科大学 医学部)
- 才津 浩智(浜松医科大学 医化学講座)
- 高梨 潤一(東京女子医科大学 医学部(八千代医療センター))
- 高野 亨子(信州大学 医学部 遺伝医学・予防医学)
- 松井 大(大津赤十字病院神経内科)
- 三重野 牧子(自治医科大学 情報センター・医学情報学)
- 村松 一洋(自治医科大学 医学部 小児科学)
- 望月 葉子(西 葉子)(東京都立北療育医療センター 内科)
- 山内 淳司(東京薬科大学・分子神経科学研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
研究目的
我々の研究班は、大脳白質疾患および知的障害を呈する疾患を対象に研究を行っている。現在取り扱っている疾患群は以下の通りである。
対象疾患
① 白質疾患
遺伝的ミエリン形成不全
Pelizaeus-Merzbacher病
Pelizaeus-Merzbacher様病1
基底核および小脳萎縮を伴う髄鞘形成不全症
18q欠失症候群
Allan-Herndon-Dudley症候群
HSP60シャペロン病
Salla病
小脳萎縮と脳梁低形成を伴うび漫性大脳白質形成不全症
先天性白内障を伴う髄鞘形成不全症
失調・歯牙低形成を伴う髄鞘形成不全症
脱髄型末梢神経炎・中枢性髄鞘形成不全症・Waardenburg症候群・Hirschsprung病
遺伝性脱髄疾患
アレキサンダー病
カナバン病
進行性白質脳症(皮質下嚢胞をもつ大頭型白質脳症、白質消失病、卵巣機能障害を伴う進行性白質脳症)
② 知的障害
ATR-X
脳クレアチン欠乏症候群
アルギニン・グリシンアミジノ基転移酵素欠損症
グアニジノ酢酸メチル基転移酵素欠損症
クラアチントランスポーター欠損症
研究の目的
本研究班の主な目的は、以下の3つの課題に対応することである。
迅速な確定診断の確立
切れ目のない包括的支援
治療法開発の支援
これらの課題に取り組むために、以下の具体的な目標を設定している。
I. 迅速な確定診断の確立
大脳白質形成不全症11疾患に加え、新たに報告された白質形成不全症について調査・決定し、ガイドラインを策定する。
「治療可能な遺伝性疾患診断の診断・治療の手引き」に基づき、診断体制を整備し、関連する厚労政策やAMEDミトコンドリア班と連携してオンライン診断コンサルトを継続する。
II. 切れ目のない包括的支援
小児科学会からの指針に基づき、知的障害を伴う神経疾患の移行期医療の支援ガイドラインを作成する。
患者家族と連携し、市民公開セミナーを開催し、医療情報を収集・改定・発信する。
III. 治療法開発の支援
希少難病の治療開発において、患者家族も積極的に参加し、治療研究を推進するためのプラットフォームを形成する。
我々の研究班は、大脳白質疾患および知的障害を呈する疾患を対象に研究を行っている。現在取り扱っている疾患群は以下の通りである。
対象疾患
① 白質疾患
遺伝的ミエリン形成不全
Pelizaeus-Merzbacher病
Pelizaeus-Merzbacher様病1
基底核および小脳萎縮を伴う髄鞘形成不全症
18q欠失症候群
Allan-Herndon-Dudley症候群
HSP60シャペロン病
Salla病
小脳萎縮と脳梁低形成を伴うび漫性大脳白質形成不全症
先天性白内障を伴う髄鞘形成不全症
失調・歯牙低形成を伴う髄鞘形成不全症
脱髄型末梢神経炎・中枢性髄鞘形成不全症・Waardenburg症候群・Hirschsprung病
遺伝性脱髄疾患
アレキサンダー病
カナバン病
進行性白質脳症(皮質下嚢胞をもつ大頭型白質脳症、白質消失病、卵巣機能障害を伴う進行性白質脳症)
② 知的障害
ATR-X
脳クレアチン欠乏症候群
アルギニン・グリシンアミジノ基転移酵素欠損症
グアニジノ酢酸メチル基転移酵素欠損症
クラアチントランスポーター欠損症
研究の目的
本研究班の主な目的は、以下の3つの課題に対応することである。
迅速な確定診断の確立
切れ目のない包括的支援
治療法開発の支援
これらの課題に取り組むために、以下の具体的な目標を設定している。
I. 迅速な確定診断の確立
大脳白質形成不全症11疾患に加え、新たに報告された白質形成不全症について調査・決定し、ガイドラインを策定する。
「治療可能な遺伝性疾患診断の診断・治療の手引き」に基づき、診断体制を整備し、関連する厚労政策やAMEDミトコンドリア班と連携してオンライン診断コンサルトを継続する。
II. 切れ目のない包括的支援
小児科学会からの指針に基づき、知的障害を伴う神経疾患の移行期医療の支援ガイドラインを作成する。
患者家族と連携し、市民公開セミナーを開催し、医療情報を収集・改定・発信する。
III. 治療法開発の支援
希少難病の治療開発において、患者家族も積極的に参加し、治療研究を推進するためのプラットフォームを形成する。
研究方法
研究方法
1. 診断システムの構築
遺伝子診断法の確立
新規白質形成不全症のガイドラインを策定し、オンラインで公開する。
治療可能な疾患の診断システム構築
次世代解析により明らかになる新規疾患の早期治療体制を整備する。
オンライン診断システムの継続
主治医からの診断・治療の問い合わせに迅速に対応する。
2. 包括的な医療支援
移行期医療の支援
移行期医療ガイドラインを作成し、日本小児神経学会、日本神経学会と協力して発表する。
医療情報の収集・改定・発信
「治療可能な遺伝性疾患診断治療の手引き」をオンラインでアップデートし、医療現場での使用を推進する。
患者会支援
患者会と連携し、市民公開セミナーを開催する。
3. 新しい治療法開発の支援
難病プラットフォームの稼働
各疾患のレジストリを統合し、治療研究の基盤を整備する。
自然歴の調査研究
国際コンソーシウムと協働し、自然歴データを収集する。
新規治療法開発支援
トランスレーショナル(TR)会議を開催し、研究者・臨床医・患者家族が一体となって治療研究を推進する。
1. 診断システムの構築
遺伝子診断法の確立
新規白質形成不全症のガイドラインを策定し、オンラインで公開する。
治療可能な疾患の診断システム構築
次世代解析により明らかになる新規疾患の早期治療体制を整備する。
オンライン診断システムの継続
主治医からの診断・治療の問い合わせに迅速に対応する。
2. 包括的な医療支援
移行期医療の支援
移行期医療ガイドラインを作成し、日本小児神経学会、日本神経学会と協力して発表する。
医療情報の収集・改定・発信
「治療可能な遺伝性疾患診断治療の手引き」をオンラインでアップデートし、医療現場での使用を推進する。
患者会支援
患者会と連携し、市民公開セミナーを開催する。
3. 新しい治療法開発の支援
難病プラットフォームの稼働
各疾患のレジストリを統合し、治療研究の基盤を整備する。
自然歴の調査研究
国際コンソーシウムと協働し、自然歴データを収集する。
新規治療法開発支援
トランスレーショナル(TR)会議を開催し、研究者・臨床医・患者家族が一体となって治療研究を推進する。
結果と考察
結果
1. 診断システムの構築
18の新規白質形成不全症を定義し、ガイドラインを作成した。
診断システムの整備により、早期治療が可能な疾患の診断体制を強化した。
2. 包括的な医療支援
移行期医療ガイドラインの作成により、知的障害を伴う神経疾患の移行期支援を強化した。
「治療可能な遺伝性疾患診断治療の手引き」のアップデートを行い、現場での利用を推進した。
3. 新しい治療法開発の支援
難病プラットフォームの統合により、治療研究の基盤を整備した。
TR会議の開催により、治療研究が加速した。
1. 診断システムの構築
18の新規白質形成不全症を定義し、ガイドラインを作成した。
診断システムの整備により、早期治療が可能な疾患の診断体制を強化した。
2. 包括的な医療支援
移行期医療ガイドラインの作成により、知的障害を伴う神経疾患の移行期支援を強化した。
「治療可能な遺伝性疾患診断治療の手引き」のアップデートを行い、現場での利用を推進した。
3. 新しい治療法開発の支援
難病プラットフォームの統合により、治療研究の基盤を整備した。
TR会議の開催により、治療研究が加速した。
結論
本研究班は、迅速な確定診断、切れ目のない包括的支援、新しい治療法の開発支援を通じて、患者の願いに応えることを目指している。特に、移行期医療の支援ガイドライン作成や治療可能な疾患の診断システム構築に注力し、患者家族が安心して医療を受けられる体制を整備した。今後も、国内外の情報を収集・発信し、患者家族と共に治療研究を推進していく。
公開日・更新日
公開日
2025-05-23
更新日
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