原発性脂質異常症に関する調査研究

文献情報

文献番号
202310005A
報告書区分
総括
研究課題名
原発性脂質異常症に関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21FC1009
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
斯波 真理子(大阪医科薬科大学 循環器センター)
研究分担者(所属機関)
  • 横山 信治(中部大学大学 応用生物学部 生物機能開発研究所)
  • 島野 仁(筑波大学大学院人間総合科学研究科 内分泌代謝・糖尿病内科)
  • 横手 幸太郎(国立大学法人千葉大学 大学院医学研究院)
  • 武城 英明(東邦大学 医学部医学科臨床検査医学研究室(佐倉))
  • 山下 静也(地方独立行政法人りんくう総合医療センター)
  • 塚本 和久(帝京大学医学部内科学講座)
  • 池脇 克則(防衛医科大学校 抗加齢血管内科)
  • 後藤田 貴也(杏林大学 医学部)
  • 土橋 一重(山梨大学 大学院総合研究部小児科 )
  • 藤阪 智弘(大阪医科薬科大学 内科学III)
  • 竹上 未紗(国立循環器病研究センター 研究基盤開発センター 予防医学・疫学情報部)
  • 関島 良樹(国立大学法人 信州大学 学術研究院医学系)
  • 石垣 泰(東北大学大学院医学系研究科分子代謝病態学分野)
  • 岡崎 啓明(自治医科大学 医学部)
  • 野原 淳(石川県立中央病院 遺伝診療科)
  • 小山 信吾(山形大学医学部)
  • 稲垣 恭子(日本医科大学 糖尿病・内分泌代謝内科)
  • 尾野 亘(京都大学大学院医学研究科 循環器内科学)
  • 小関 正博(大阪大学大学院医学系研究科循環器内科)
  • 代田 浩之(順天堂大学 医学部 循環器内科 )
  • 若林 徹治(自治医科大学 内分泌代謝科)
  • 中村 公俊(熊本大学 大学院生命科学研究部 小児科学講座)
  • 三井田 孝(順天堂大学大学院 医学研究科)
  • 川尻 剛照(加賀市医療センター 内科)
  • 南野 哲男(香川大学医学部循環器・腎臓・脳卒中内科)
  • 岡崎 佐智子(冨田 佐智子)(東京大学 保健・健康推進本部)
  • 和田 淳(国立大学法人岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 腎・免疫・内分泌代謝内科学)
  • 小倉 正恒(順天堂大学 医療科学部)
  • 吉田 博(東京慈恵会医科大学  医学部)
  • 片岡 有(国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
  • 多田 隼人(金沢大学附属病院 循環器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
指定難病である家族性高コレステロール血症(FH)(ホモ接合体)、LCAT欠損症、シトステロール血症、タンジール病、原発性高カイロミクロン血症、脳腱黄色腫症、無βリポタンパク血症、家族性低βリポタンパク血症1(ホモ接合体)の8疾患を中心に、昨年度成果を継承し、難病診療体制の構築、診断精度の向上、診療ガイドライン策定を、学会横断的オールジャパン体制で目指す。またレジストリ研究(PROLIPID研究)を発展させ難病患者の前例登録を目指すとともに、難病等患者データベースの利活用、さらには逆にPROLIPID研究の成果を還元する(臨床像や資料実態、予後に関するデータの解析・報告)。研究班独自のホームページ(HP)の機能拡充や患者会との連携、学会シンポジウム等での発表を通じて情報発信・普及啓発を行い、難病患者の予後改善に繋げる。Web形式の市民公開講座の開催や関連学会HPとのリンク、さらには研究班公式SNSを通じて正しい情報発信を行う。小児慢性特定疾患と成人難病との齟齬がある疾患についても移行期医療の推進を目指し、疫学研究を継続するとともに都道府県とも連携し移行期医療支援体制整備事業の円滑な遂行に寄与する。
研究方法
1.難病診断精度の向上
各疾患の担当責任者は病原性遺伝子変異情報の取りまとめを行うとともに診断のための遺伝学的検査(パネル解析)の共同開発を目指すとともに、病原性遺伝子変異情報のとりまとめを行う。また診断・治療に必須だが未保険収載項目について保険収載に向けた解決策を講じる。難病医療水準の向上を図るとともに、次期診断基準・や臨床調査個人票の改定時期を見据えた改善案を準備するとともに関連学会と連携しながら診療ガイドラインの策定を目指す。
2. 難病疫学研究
本研究班で扱う疾患は頻度が低く、患者の自然予後を含む実態把握が不十分なためPROLIPIDに全疾患のレジストリを登録する。難病等患者データベースを利活用し、登録患者の実態把握を実施し、診療体制の強化施策や疾患啓発、移行期医療推進に役立てる。
3. 診療提供体制の構築/普及啓発
 前期研究班により開設された班独自のHPを発展させ、非専門医向けの日本語総説や患者向けの療養上の注意点のまとめを定期的にアップデートする。またweb形式の問い合わせ窓口を設置する。学会横断的オールジャパン体制を活用し、各学会の市民公開講座やシンポジウムで班員が疾患啓発を毎年行う。FHについては難治性家族性高コレステロール血症患者会と「高コレステロール血症患者の集い」を毎年共催する(web形式も考慮)。シトステロール血症患者の集いを開催する。
4. 移行期医療推進
 令和4年度に本研究班において、本領域における移行期医療に関する課題が確認され総説として発表した。これに基づき小児慢性特定疾病と成人指定難病のギャップが存在する疾患に関する移行医療支援を行う。具体的にはアポリポタンパクA-1欠損症の難病指定を目指す。
結果と考察
関連学会シンポジウム等での発表を通じて情報発信・普及啓発を行った。また、患者会の開催や関連学会HPとのリンク、さらには研究班公式SNSを通じて正しい情報発信行った。これらの指定難病に関するレジストリ研究(PROLIPID研究)を推進し、令和5年度末時点で目標である1,000例を超え合計1,161例が登録され最長で約8年半のフォローアップも継続している。また、研究班HPのアップデートを行い、医療従事者だけでなく一般からの問い合わせにも対応した窓口を開設し運用を開始し、多くの問い合わせに班員が対応した。さらには、研究班SNS(Facebook)ページを開設し、担当する難病に関する情報提供を継続している。難病情報センターの疾患に関する患者向け療養上の注意点の更新作業を全8疾患について行った。また、難病データベースを活用した研究を遂行し、家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)に関して英文論文を発表した。世界的にも類を見ないデータ数での家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)に関するデータが公表されこれにより本症の適切な診断・治療に関して世界的にも情報提供などの波及効果が期待される。指定難病に関する遺伝子パネル解析を遂行し、関連する報告を行った。本分野における小児期から成人期への移行期医療の課題に関する英文総説を執筆し発表した。
結論
研究成果情報の発信やその各種疾患予防ガイドラインへの反映、web形式の問い合わせ窓口設置により、当該難病に対する疾患啓発を広く行うことができた。レジストリ研究のデータを学会・英文雑誌・班HPなどに広く公表することにより、難病の自然歴・予後の把握に繋がる他、厚生労働行政の政策形成過程の参考資料を提供することができる。これら成果により最終的には難病患者の予後の改善に貢献できた。

公開日・更新日

公開日
2025-05-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-05-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202310005B
報告書区分
総合
研究課題名
原発性脂質異常症に関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21FC1009
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
斯波 真理子(大阪医科薬科大学 循環器センター)
研究分担者(所属機関)
  • 横山 信治(中部大学大学 応用生物学部 生物機能開発研究所)
  • 島野 仁(筑波大学大学院人間総合科学研究科 内分泌代謝・糖尿病内科)
  • 横手 幸太郎(国立大学法人千葉大学 大学院医学研究院)
  • 武城 英明(東邦大学 医学部医学科臨床検査医学研究室(佐倉))
  • 山下 静也(地方独立行政法人りんくう総合医療センター)
  • 塚本 和久(帝京大学医学部内科学講座)
  • 林 登志雄(名古屋大学医学部附属病院 老年内科)
  • 池脇 克則(防衛医科大学校 抗加齢血管内科)
  • 後藤田 貴也(杏林大学 医学部)
  • 土橋 一重(山梨大学 大学院総合研究部小児科 )
  • 岩永 善高(国立循環器病研究センター 循環器病統合情報センター)
  • 藤阪 智弘(大阪医科薬科大学 内科学III)
  • 竹上 未紗(国立循環器病研究センター 研究基盤開発センター 予防医学・疫学情報部)
  • 関島 良樹(国立大学法人 信州大学 学術研究院医学系)
  • 石垣 泰(東北大学大学院医学系研究科分子代謝病態学分野)
  • 岡崎 啓明(自治医科大学 医学部)
  • 野原 淳(石川県立中央病院 遺伝診療科)
  • 小山 信吾(山形大学医学部)
  • 稲垣 恭子(日本医科大学 糖尿病・内分泌代謝内科)
  • 尾野 亘(京都大学大学院医学研究科 循環器内科学)
  • 小関 正博(大阪大学大学院医学系研究科循環器内科)
  • 代田 浩之(順天堂大学 医学部 循環器内科 )
  • 若林 徹治(自治医科大学 内分泌代謝科)
  • 中村 公俊(熊本大学 大学院生命科学研究部 小児科学講座)
  • 三井田 孝(順天堂大学大学院 医学研究科)
  • 川尻 剛照(加賀市医療センター 内科)
  • 南野 哲男(香川大学医学部循環器・腎臓・脳卒中内科)
  • 岡崎 佐智子(冨田 佐智子)(東京大学 保健・健康推進本部)
  • 和田 淳(国立大学法人岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 腎・免疫・内分泌代謝内科学)
  • 小倉 正恒(順天堂大学 医療科学部)
  • 吉田 博(東京慈恵会医科大学  医学部)
  • 片岡 有(国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
  • 多田 隼人(金沢大学附属病院 循環器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
指定難病である家族性高コレステロール血症(FH)(ホモ接合体)、LCAT欠損症、シトステロール血症、タンジール病、原発性高カイロミクロン血症、脳腱黄色腫症、無βリポタンパク血症、家族性低βリポタンパク血症1(ホモ接合体)の8疾患を中心に、難病診療体制の構築、診断精度の向上、診療ガイドライン策定を、学会横断的オールジャパン体制で取り組み成果を上げることを目的とする。
研究方法
1.難病診断精度の向上
各疾患の担当責任者は病原性遺伝子変異情報の取りまとめを行うとともに診断のための遺伝学的検査(パネル解析)の共同開発を目指し、病原性遺伝子変異情報のとりまとめを行う。難病医療水準の向上を図るとともに、次期診断基準・や臨床調査個人票の改定時期を見据えた改善案を準備するとともに関連学会と連携しながら診療ガイドラインの策定を目指す。
2. 難病疫学研究
全疾患レジストリ研究を推進する。また、難病等患者データベースを利活用し、登録患者の実態把握を実施し、診療体制の強化施策や疾患啓発、移行期医療推進に役立てる。
3. 診療提供体制の構築/普及啓発
 班独自のHPを発展させ、非専門医向けの日本語総説や患者向けの療養上の注意点のまとめを定期的にアップデートする。またweb形式の問い合わせ窓口を設置する。学会横断的オールジャパン体制を活用し、各学会の市民公開講座やシンポジウムで班員が疾患啓発を毎年行う。患者会を開催し療養上の注意点などを広く啓発する。
4. 移行期医療推進
 小児慢性特定疾病と成人指定難病のギャップが存在する疾患に関する移行医療支援を行う。具体的にはアポリポタンパクA-1欠損症の難病指定を目指す。研究班において担当疾患全てにおいて現状の課題を整理し各都道府県と協議し対応する。
結果と考察
難病等患者データベースを活用し、家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)の我が国の実態調査を行い英文論文を報告した。研究班独自のホームページ(HP)の機能拡充や患者会との連携、学会シンポジウム等での発表を通じて情報発信・普及啓発を広く行った。家族性高コレステロール血症やシトステロール血症の患者会の開催や関連学会HPとのリンク、さらには研究班公式SNSを通じて正しい情報発信行った。小児慢性特定疾患と成人難病との齟齬がある家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体を始め、その他疾患についても移行期医療の推進を目指し、疫学研究を継続するとともに都道府県とも連携し移行期医療支援体制整備事業の円滑な遂行に寄与し、和文総説に加えて英文総説を公表した。また、これらの指定難病に関するレジストリ研究(PROLIPID研究)を推進し、令和5年度末時点で目標である1,000例を超え合計1,161例が登録され最長で約8年半のフォローアップも継続している。また、研究班HPのアップデートを行い、医療従事者だけでなく一般からの問い合わせにも対応した窓口を開設し運用を開始し、多くの問い合わせに班員が対応した。さらには、研究班SNS(Facebook)ページを開設し、担当する難病に関する情報提供を継続している。難病情報センターの疾患に関する患者向け療養上の注意点の更新作業を全8疾患について行った。令和3年度~5年度にわたり日本動脈硬化学会総会・学術集会において研究班主催のシンポジウムを開催、家族性高コレステロール血症に関するセミナーを本研究班および日本動脈硬化学会との共催で開催した。また、指定難病に関する遺伝子パネル解析を遂行し、関連する報告を行った。本分野における小児期から成人期への移行期医療の課題に関する英文総説を執筆し発表した。小児および青年ヘテロ接合体性家族性高コレステロール血症スクリーニングについて、香川県での取り組みから本症における診断基準改定の妥当性が検証されるとともに、費用対効果に関するデータも公表した。これら一連の成果・特に英文論文はこれら希少疾患の実態把握という観点から世界的に見ても大変有意義なデータとなりうる。
結論
これらのレジストリ研究、データベース研究、遺伝子パネル解析の開発に関する成果を学会・英文雑誌・班HPなどに広く公表することにより、難病の自然歴・予後の把握に繋がる他、厚生労働行政の政策形成過程の参考資料を提供することができた。小児慢性特定疾病と成人指定難病の間の齟齬に対する対応、小児成人移行期医療の課題の明確化と解決策を提示することができ、今後の厚生労働行政の政策形成に役立つとともに、難病患者の予後改善に貢献した。

公開日・更新日

公開日
2025-05-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202310005C

収支報告書

文献番号
202310005Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
19,500,000円
(2)補助金確定額
19,444,000円
差引額 [(1)-(2)]
56,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 5,440,835円
人件費・謝金 2,600,835円
旅費 2,104,898円
その他 4,797,593円
間接経費 4,500,000円
合計 19,444,161円

備考

備考
補助金の返還額が千円単位となるため、161円の差異が生じている。

公開日・更新日

公開日
2024-10-03
更新日
-