文献情報
文献番号
200932044A
報告書区分
総括
研究課題名
標準的治療法の確立を目指した急性HIV感染症の病態解析
研究課題名(英字)
-
課題番号
H20-エイズ・若手-015
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
渡邊 大(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター 臨床研究センター エイズ先端医療研究部 HIV感染制御研究)
研究分担者(所属機関)
- 上平 朝子(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター)
- 横幕 能行(独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター)
- 南 留美(独立行政法人国立病院機構九州医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
2,550,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
HIV感染症の新規治療法の開発のために、標準的な治療指法が確立されていない急性感染に注目し、その臨床の特徴を明らかとすることを目的とした。
研究方法
急性HIV感染症の実態調査のために、3ブロック拠点病院から急性HIV感染症と診断された症例を収集し、その解析を行った。急性HIV感染症と診断された症例を対象に、血清サイトカイン値の測定を行った。急性期治療例の残存プロウイルス量が低レベルに抑えられており、半数以上の症例で測定感度未満であったため、測定系の改良を行った。
結果と考察
急性HIV感染症の入院37症例について検討を行い、約1/3が急性期入院中に治療が開始されていた。無症候性キャリアとなった症例の約半数が2009年12月の時点で治療が導入されており、入院から治療までの期間の中央値は318日であった。血清IL-18と急性感染後のCD4数の上昇との間に、血清sICAM-1・IP-10と血中ウイルス量の間に相関関係を認めた。残存プロウイルス量に関しては、プライマーの設定変更等で、昨年度測定感度未満であった症例も測定可能となった。急性HIV感染症は多彩な症状・病態を呈しており、さらなる解析が必要であった。急性期に関わるサイトカインを明らかとしたが、その意義については症例数の増やすことによって明確にしたい。残存プロウイルス量の高感度法により、急性期に治療を導入した症例を中心に測定を行い、慢性期の症例と比較して、どのレベルまで抑えられているかを明らかとする。
結論
急性HIV感染症については3施設の症入院症例についてレビューを行った。血清サイトカイン値に関しては、IFN-γとIL-18の相反する関係、急性感染後のCD4数の上昇とIL-18との相関、sICAM-1・IP-10と血中ウイルス量の相関を明らかとした。残存プロウイルス量は測定法を改良し、先行研究では測定感度未満であった症例も測定可能となった。
公開日・更新日
公開日
2014-05-26
更新日
-