文献情報
文献番号
202309004A
報告書区分
総括
研究課題名
健康寿命延伸に備えた女性の心身の健康支援のための普及啓発に向けた研究
課題番号
23FB1002
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
野村 恭子(秋田大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 谷原 真一(久留米大学 医学部)
- 長島 健悟(慶應義塾大学 医学部)
- 羽渕 友則(秋田大学 医学部)
- 宮腰 尚久(秋田大学 大学院医学系研究科)
- 大久保 孝義(帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座)
- 寺内 公一(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
- 小宮 ひろみ(福島県立医科大学附属病院 性差医療センター)
- 竹内 武昭(東邦大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 女性の健康の包括的支援政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
7,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、更年期・老年期における女性の健康問題を整理、包括的支援に資する根拠を調査・分析することにある。研究1年目では、就労世代の女性の健康問題全般について、また閉経後の健康問題として、更年期障害、認知症とうつについてPubMedを用いてレビューを実施し、整理した課題に沿って研究を実施する。
研究方法
就労世代の女性における健康問題の全般について、わが国の研究のスコーピングレビューを行った。わが国から発信されている論文 pubMed 853件、医学中央雑誌 855件のレビューを実施した。
GMOインターネットパネルから更年期障害、うつについて、社会経済学的な背景や性別役割分業の因子が関係しているか横断研究を実施した。更年期から初老期(45~70歳)の一般女性において更年期障害、うつについて、有訴率、医薬品使用状況、労働生産性を評価した。
ホルモン補充療法と乳がんのリスクについてケースコントロールスタディをデザインし、JMDCデータベースから、ケースとコントロールの母集団の抽出を行った。今後継続して研究を遂行する。
高血圧疫学コホート研究の大迫研究より、脳心血管動脈硬化性病変と認知症と生殖因子との関連について分析を行った。
GMOインターネットパネルから更年期障害、うつについて、社会経済学的な背景や性別役割分業の因子が関係しているか横断研究を実施した。更年期から初老期(45~70歳)の一般女性において更年期障害、うつについて、有訴率、医薬品使用状況、労働生産性を評価した。
ホルモン補充療法と乳がんのリスクについてケースコントロールスタディをデザインし、JMDCデータベースから、ケースとコントロールの母集団の抽出を行った。今後継続して研究を遂行する。
高血圧疫学コホート研究の大迫研究より、脳心血管動脈硬化性病変と認知症と生殖因子との関連について分析を行った。
結果と考察
就労世代の女性の健康問題をレビューした結果、月経関連症状、妊娠・出産、不妊の領域では研究の数も質も低く、研究活動の推奨が必要であることを確認した。
更年期から初老期の一般女性においては、各種評価を行った結果に基き、更年期障害の職場で使用可能な更年期障害尺度開発を行った。
JMDCデータベースから明らかになったホルモン補充療法と乳がんのリスクの関連から、介入等の対策立案に向けたエビデンスを報告した。
同様に、循環器コホートデータから明らかになった脳心血管動脈硬化性病変と認知症と生殖因子との関連についてリスクを算出しエビデンスを報告した。
更年期から初老期の一般女性においては、各種評価を行った結果に基き、更年期障害の職場で使用可能な更年期障害尺度開発を行った。
JMDCデータベースから明らかになったホルモン補充療法と乳がんのリスクの関連から、介入等の対策立案に向けたエビデンスを報告した。
同様に、循環器コホートデータから明らかになった脳心血管動脈硬化性病変と認知症と生殖因子との関連についてリスクを算出しエビデンスを報告した。
結論
就労女性のレビューより、月経関連や不妊、生殖器がんと仕事の両立などの研究はまだ少なく、今後、我が国から学術成果を発信することが期待された。
更年期障害はうつと関連しており、両者ともに介護や経済的な背景などが症状の悪化と関連を認めた。またソーシャルサポートは更年期障害やうつの症状を緩和することを確認した。
循環器コホート研究より妊娠回数と動脈硬化性病変ならびに認知機能との関連が認められた。次年度はMRIの脳容積を用いて、認知機能と妊娠回数などの生殖因子との関連について検討を進める。JMDCの乳がんとホルモン補充療法についても次年度に解析を進める。
更年期障害はうつと関連しており、両者ともに介護や経済的な背景などが症状の悪化と関連を認めた。またソーシャルサポートは更年期障害やうつの症状を緩和することを確認した。
循環器コホート研究より妊娠回数と動脈硬化性病変ならびに認知機能との関連が認められた。次年度はMRIの脳容積を用いて、認知機能と妊娠回数などの生殖因子との関連について検討を進める。JMDCの乳がんとホルモン補充療法についても次年度に解析を進める。
公開日・更新日
公開日
2024-09-10
更新日
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