高齢者のリハビリテーション施設に関する総合的研究

文献情報

文献番号
199700649A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者のリハビリテーション施設に関する総合的研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
野村 歡(日本大学理工学部)
研究分担者(所属機関)
  • 石田道孝(日本大学理工学部)
  • 八藤後猛(日本大学理工学部)
  • 田村静子((株)ライフ・エイド・ネクサス・デザイン)
  • 山崎敏((株)トシ・ヤマサキまちづくり総合研究所)
研究区分
厚生科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 長寿科学総合研究事業
研究開始年度
平成8(1996)年度
研究終了予定年度
平成10(1998)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
リハビリテーションは、医療拠点から地域支援サービス施設までを含め、連続したサービスの継続によってこそ、はじめて実現する。高齢者に対し「リハビリテーション」の理念を実現するための施設空間のあり方と相互連携のあり方について、物的環境の面から施設を研究し、今後の施設計画において有用な示唆を与える基礎的データを得ることを目的としている。
研究方法
本研究は総合的な視野に立って高齢者のリハビリテーション空間のあり方を探ることを目的として、医療施設におけるリハビリテーション部門の高齢者利用、都道府県における地域リハビリテーション行政の現状、職業リハビリテーションにおける高齢者の現状、特別養護老人ホームにおけるリハビリテーション空間、老人保健施設におけるリハビリテーション空間について調査研究を行った。
結果と考察
各研究は、調査票郵送によるもの、聞き取り調査、現地調査などにより実施した。高齢者の医学的リハビリテーションは、大規模医療施設において充実してきている。しかし、作業療法、言語療法などは必ずしも十分ではない。これは地域におけるリハビリテーションにおいても同様な傾向がある。こうした状況が、施設環境においても、その機能を十分果たすだけのものとなっていない場面も少なくない。特別養護老人ホームについては、「療養空間」としての研究は進んでいるものの、そこにおけるリハビリテーションサービスについては内容は多岐にわたっている。このことが建築計画において機能的な設計ができない原因ともなっていて、現状ではリハビリテーション実施空間が与えられているにすぎないところが多い。広さだけでなく機能と日常の訓練内容にあった改善が求められることが示唆された。職業リハビリテーションでは、関連施設に高齢者のリハビリテーションを積極的に行っているところ自体が少なく、また施設環境面でも利用者の機能や目的よりも作業内容によって決定されている面がある。したがって利用者ニーズの実態の把握に今後とも務めていくとともに、それにあった新たな施設環境の提言が早急に求められる。
結論
今後は介護保険との動向と地域リハビリテーションの進展にあわせて、医療的リハビリテーションの施設内容の見直しが求められる。地域におけるリハビリテーション活動の支援拠点としての機能を、施設環境的にも適合させなければならないであろう。また、地域においても、現状のサービス内容を見直したうえで、それにあった施設環境のあり方について提言できるように、サービス内容ごとに必要な空間をとりまとめて提言した。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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研究報告書(紙媒体)