循環器救急疾患に対する救急医療現場の連携推進のための課題抽出と専門医間の連携構築を目指したガイドブックの作成

文献情報

文献番号
202308021A
報告書区分
総括
研究課題名
循環器救急疾患に対する救急医療現場の連携推進のための課題抽出と専門医間の連携構築を目指したガイドブックの作成
研究課題名(英字)
-
課題番号
22FA1017
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
野口 輝夫(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 病院)
研究分担者(所属機関)
  • 飯原 弘二(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 病院)
  • 坂本 哲也(帝京大学 医学部救急医学講座)
  • 荻野 均(東京医科大学 心臓血管外科学分野)
  • 小林 欣夫(国立大学法人千葉大学 大学院医学研究院)
  • 松丸 祐司(国立大学法人筑波大学 医療系脳神経外科脳卒中予防・治療学(寄付)講座)
  • 堀江 信貴(広島大学 脳神経外科)
  • 北園 孝成(九州大学大学院医学研究院)
  • 菊地 研(獨協医科大学 医学部)
  • 松尾 龍(九州大学大学院医学研究院)
  • 的場 哲哉(九州大学 大学病院)
  • 石津 智子(筑波大学 循環器内科)
  • 榎本 由貴子(岐阜大学医学部附属病院 脳神経外科)
  • 田原 良雄(国立研究開発法人国立循環器病研究センター)
  • 西村 邦宏(国立研究開発法人国立循環器病研究センター・研究開発基盤センター 予防医学・疫学情報部 EBM・リスク情報室)
  • 有村 公一(九州大学病院 脳神経外科)
  • 山上 宏(国立大学法人筑波大学 医学医療系脳卒中予防・治療学)
  • 永吉 直美(国立循環器病研究センター 看護部 CCU)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
5,539,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
急性心筋梗塞・大動脈解離・脳卒中の治療には病院選定と到着後の迅速な治療が必須である。本研究は、全国消防本部と連携した全国アンケート調査から、①連携遅延の原因抽出と改善点の提言、②プレホスピタル12誘導心電図および脳卒中病院前救護の現状調査を行う。この現状調査を通して、③病院前システム遅延の原因抽出を行う。さらに、④総務省消防庁による全国救急搬送データと急性期医療機関情報の連結に関する検討を行う。また、⑤初期診療医と専門医の連携に関する現状把握のための文献システマティックレビューと救急隊、看護師、初期対応医を対象とした循環器救急疾患に対する救急医療現場と専門医の連携推進ガイドブックの作成を行う。
研究方法
救急隊、看護師、初期対応医を対象とした循環器救急疾患に対する救急医療現場と専門医の連携推進ガイドブックの作成
結果と考察
結果:救急隊、看護師、初期対応医を対象とした循環器救急疾患に対する救急医療現場と専門医の連携推進ガイドブックの作成: 本研究の最終成果物である「プレホスピタルケアのための脳卒中・急性冠症候群・急性大動脈解離ハンドブック」を作成した。本ハンドブックにおいて、全国地域メディカルコントロール協議会に対して、「主幹動脈閉塞の脳卒中スケールプロトコル」、および「急性冠症候群診断プロトコル」を提言した。
考察:「プレホスピタルケアのための脳卒中・急性冠症候群・急性大動脈解離ハンドブック」において、全国地域メディカルコントロール協議会に対して提言した「主幹動脈閉塞の脳卒中スケールプロトコル」および「急性冠症候群診断プロトコル」は、全国一律の普及は難しく、医療資源の充実度の異なる各地域の特性を踏まえて改変して運用してくことが望ましいと考える。
結論
本研究の最終成果物である「プレホスピタルケアのための脳卒中・急性冠症候群・急性大動脈解離ハンドブック」を作成し、脳卒中病院前救護における「主幹動脈閉塞の脳卒中スケールプロトコル」およびプレホスピタル12誘導心電図を用いた「急性冠症候群診断プロトコル」をそれぞれ提案した。
本研究の結果は脳卒中・急性冠症候群・急性大動脈証症候群に対する急性期医療の質の向上及び均てん化に資するものと考えられる。

公開日・更新日

公開日
2024-08-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202308021B
報告書区分
総合
研究課題名
循環器救急疾患に対する救急医療現場の連携推進のための課題抽出と専門医間の連携構築を目指したガイドブックの作成
研究課題名(英字)
-
課題番号
22FA1017
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
野口 輝夫(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 病院)
研究分担者(所属機関)
  • 飯原 弘二(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 病院)
  • 坂本 哲也(帝京大学 医学部救急医学講座)
  • 荻野 均(東京医科大学 心臓血管外科学分野)
  • 小林 欣夫(国立大学法人千葉大学 大学院医学研究院)
  • 松丸 祐司(国立大学法人筑波大学 医療系脳神経外科脳卒中予防・治療学(寄付)講座)
  • 岩間 亨(岐阜大学 大学院医学系研究科脳神経外科分野)
  • 堀江 信貴(広島大学 脳神経外科)
  • 北園 孝成(九州大学大学院医学研究院)
  • 菊地 研(獨協医科大学 医学部)
  • 松尾 龍(九州大学大学院医学研究院)
  • 的場 哲哉(九州大学 大学病院)
  • 石津 智子(筑波大学 循環器内科)
  • 榎本 由貴子(岐阜大学医学部附属病院 脳神経外科)
  • 田原 良雄(国立研究開発法人国立循環器病研究センター)
  • 西村 邦宏(国立研究開発法人国立循環器病研究センター・研究開発基盤センター 予防医学・疫学情報部 EBM・リスク情報室)
  • 有村 公一(九州大学病院 脳神経外科)
  • 山上 宏(国立大学法人筑波大学 医学医療系脳卒中予防・治療学)
  • 今中 陽子(国立循環器病研究センター 看護部 CCU)
  • 永吉 直美(国立循環器病研究センター 看護部 CCU)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
急性心筋梗塞・大動脈解離・脳卒中の治療には病院選定と到着後の迅速な治療が必須である。本研究は、全国消防本部と連携した全国アンケート調査から、①連携遅延の原因抽出と改善点の提言、②プレホスピタル12誘導心電図および脳卒中病院前救護の現状調査を行う。この現状調査を通して、③病院前システム遅延の原因抽出を行う。さらに、④総務省消防庁による全国救急搬送データと急性期医療機関情報の連結に関する検討を行う。また、⑤初期診療医と専門医の連携に関する現状把握のための文献システマティックレビューと救急隊、看護師、初期対応医を対象とした循環器救急疾患に対する救急医療現場と専門医の連携推進ガイドブックの作成を行う。
研究方法
1) 総務省消防庁による全国消防本部に対して行ったアンケート調査:プレホスピタル12誘導心電図記録・大動脈緊急症の病院選定に資する臨床指標、および脳卒中病院前救護に関する実態調査。
2) 病院前システム遅延の原因抽出:アンケート調査において脳卒中病院前診断およびプレホスピタル12誘導心電図の導入遅延の原因を調査。
3) 初期診療医と専門医の連携に関する現状把握のための文献システマティックレビュー。
4) 救急隊、看護師、初期対応医を対象とした循環器救急疾患に対する救急医療現場と専門医の連携推進ガイドブック作成
結果と考察
結果:脳卒中病院前診断に関しては、病院前脳卒中スケールを常時使用している救急隊は76.4%と2019年の63.6%から大幅に増加していた。また、脳卒中の大血管閉塞の判断にスケールを使用している率は2019年が12%に対して2022年は28%までの増加していた。救急隊の管内に常時緊急血管内治療が可能な病院の存在に関するアンケートでは、2019年が25.9%に対して2022年は14.4%と半分に減少していた。これは病院機能の集約化が加速した結果と推測された。さらに救急車内でタブレット端末(ICT)やカメラなどを用いた転送に関しては2019年が21.3%から2022年には33.1%まで増加していた。急性心筋梗塞・急性大動脈解離に対するプレホスピタル12誘導心電図の使用率の実態調査・大動脈緊急症例の病院選定に用いる臨床サインの特徴に関するアンケート調査では、12誘導心電図が測定できる資機材を搭載している全救急車(非常用救急車も含む)に対する割合は57%であるが、全救急車の80%に搭載している救急隊は74%であった。現場活動で実際に12誘導心電図装着を実施している率は73%であった。さらに12誘導心電図の解析結果は参考にしている救急隊は46%にとどまり、搬送先の医療機関に解析結果を伝えているものが46%と同数であった。
2) 病院前システム遅延の原因抽出:病院前システムに対する理解度の低さも病院前システム遅延の原因として判明した。
3) 初期診療医と専門医の連携に関する現状把握のための文献システマティックレビュー:専門医以外の医療従事者の12誘導心電図判読能力のメタアナリシスを行い論文化した(Circ Rep 2022;4:289-297[査読有り])。本研究にて、プレホスピタル12誘導心電図に表示される心電図診断におけるST上昇急性心筋梗塞の正診率については、感度85.4%、特異度95.4%と良好な結果が得られた。
4) 救急隊、看護師、初期対応医を対象とした循環器救急疾患に対する救急医療現場と専門医の連携推進ガイドブックの作成: 本研究の最終成果物である「プレホスピタルケアのための脳卒中・急性冠症候群・急性大動脈解離ハンドブック」を作成した。
考察:「プレホスピタルケアのための脳卒中・急性冠症候群・急性大動脈解離ハンドブック」において、全国地域メディカルコントロール協議会に対して提言した「主幹動脈閉塞の脳卒中スケールプロトコル」および「急性冠症候群診断プロトコル」は、全国一律の普及は難しく、医療資源の充実度の異なる各地域の特性を踏まえて改変して運用してくことが望ましいと考える。
結論
全国消防本部に脳卒中病院前救護、プレホスピタル12誘導心電図記録・大動脈緊急症の病院選定に資する臨床指標に関するアンケート調査を行い、現状と課題が明らかになった。さらに、本研究の最終成果物である「プレホスピタルケアのための脳卒中・急性冠症候群・急性大動脈解離ハンドブック」を作成し、脳卒中病院前救護における「主幹動脈閉塞の脳卒中スケールプロトコル」およびプレホスピタル12誘導心電図を用いた「急性冠症候群診断プロトコル」をそれぞれ提案した。

公開日・更新日

公開日
2024-08-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202308021C

成果

専門的・学術的観点からの成果
全国消防本部に脳卒中病院前救護、プレホスピタル12誘導心電図記録・大動脈緊急症の病院選定に資する臨床指標に関するアンケート調査を行い、病院前救護の現状と課題が明らかになった。
臨床的観点からの成果
国立循環器病研究センターが立地する医療圏のみならず京都府・兵庫県の医療圏に所属する救急隊に対する病院前救護のレクチャーに本ガイドブックを利用し、これまでに1600人の救命救急士・救急隊員に配布した。
ガイドライン等の開発
本研究で提唱した「主幹動脈閉塞の脳卒中スケールプロトコル」および「急性冠症候群診断プロトコル」を、日本蘇生協議会蘇生ガイドライン2025と、救急蘇生法の指針2025に反映させ、最終的には各医療圏のメディカルコントロール協議会のプロトコルに記載されるように提案する。
その他行政的観点からの成果
なし。
その他のインパクト
本研究の最終成果物である「プレホスピタルケアのための脳卒中・急性冠症候群・急性大動脈解離ハンドブック」をWEB上で公開し、全国の救急隊が無料でダウンロード可能とした。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
2件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件
「プレホスピタルケアのための脳卒中・急性冠症候群・急性大動脈解離ハンドブック」

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Matsuyama M, Nagamine Y, Mori T, et al
Women with Acute Aortic Dissection Have Higher Prehospital Mortality Than Men
JACC Adv. , 2 , 100623-  (2023)
原著論文2
Tanaka A, Matsuo K, Kikuchi M, et al
Japan Resuscitation Council (JRC) Acute Coronary Syndrome (ACS) Task Force and the Guideline Editorial Committee on behalf of the Japanese Circulation Society (JCS) Emergency and Critical Care Committee. Systematic Review and Meta-Analysis of Diagnos
Circ Rep , 4 , 289-297  (2022)

公開日・更新日

公開日
2024-06-21
更新日
2025-06-03

収支報告書

文献番号
202308021Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,200,000円
(2)補助金確定額
7,200,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,416,462円
人件費・謝金 1,860,718円
旅費 699,054円
その他 1,562,766円
間接経費 1,661,000円
合計 7,200,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2024-12-12
更新日
-