がん患者に発症する心血管疾患・脳卒中の早期発見・早期介入に資する研究

文献情報

文献番号
202307045A
報告書区分
総括
研究課題名
がん患者に発症する心血管疾患・脳卒中の早期発見・早期介入に資する研究
課題番号
23EA1036
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
小室 一成(国立大学法人東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 石岡 千加史(東北大学 大学院医学系研究科臨床腫瘍学分野)
  • 平野 照之(杏林大学 医学部脳卒中医学教室)
  • 平田 健一(神戸大学 大学院医学研究科循環器内科学分野)
  • 絹川 弘一郎(富山大学 学術研究部医学系内科学(第二)講座)
  • 今村 善宣(神戸大学 大学院医学研究科腫瘍血液内科学分野)
  • 神宮 啓一(東北大学 大学院医学系研究科放射線腫瘍学分野)
  • 中釜 斉(国立がん研究センター)
  • 佐瀬 一洋(順天堂大学 大学院医学研究科臨床薬理学教室)
  • 泉 知里(国立循環器病研究センター 心不全・移植部門)
  • 田尻 和子(国立がん研究センター 東病院)
  • 下村 昭彦(国立国際医療研究センター病院 乳腺・腫瘍内科)
  • 岡田 佳築(大阪大学 医学部附属病院)
  • 桑原 政成(虎の門病院 循環器センター内科)
  • 鈴木 達也(国立がん研究センター がん対策研究所がん医療支援部)
  • 原田 睦生(東京大学 医学部附属病院)
  • 高橋 雅信(東北大学 大学院医学系研究科臨床腫瘍学分野)
  • 赤澤 宏(東京大学 医学部附属病院)
  • 岡 亨(埼玉県立がんセンター 総合内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
6,154,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、わが国のがん医療における心血管疾患および脳卒中の診療体制・人材育成の実態を把握し、それらの早期診断・早期介入に関する課題を見いだし、腫瘍循環器領域と腫瘍脳卒中領域の医療提供体制および人材育成への方策を提案することである。
研究方法
1. がん診療を行っている医療機関に対する腫瘍循環器診療および腫瘍脳卒中診療の実態調査
第4期がん対策推進基本計画、循環器病対策推進基本計画、いずれにおいてもがんと循環器・脳卒中の学際領域が取り上げられている中で、そのニーズに応えられる医療提供体制の整備や人材育成に大きな課題がある。このような学際領域における医療提供体制やモダリティ、人材育成に関する課題を抽出するためのアンケート調査を行う。
2. がん患者への腫瘍循環器および腫瘍脳卒中に関する意識調査
がん治療に合併する心血管疾患や脳卒中に関して、がん患者に対して意識調査を行う。
結果と考察
1. がん診療を行っている医療機関に対する腫瘍循環器診療および腫瘍脳卒中診療の実態調査
医療機関での腫瘍循環器診療および腫瘍脳卒中診療の実態を調べるために、医療提供体制、モダリティ、人材育成について腫瘍医用、循環器医用、脳卒中医用のアンケートを準備してそれぞれの立場から回答できる内容とした。また、対象施設についても検討し、第4期がんプロ拠点病院、全国がんセンター協議会参加施設、がん診療連携拠点病院を対象としていたが、研究分担者からの意見を参考に、2022年度院内がん登録者数の多い拠点外病院を抽出して調査対象に加え、計710施設への調査を行うこととした。
2. がん患者への腫瘍循環器および腫瘍脳卒中に関する意識調査
がん治療に合併する心血管疾患や脳卒中、それらを診療する腫瘍循環器や腫瘍脳卒中に対する意識について、がん患者用のアンケートを準備した。アンケート内容については、東京大学の倫理審査委員会に諮っている。承認後に、全国がん患者団体連合会を通してアンケートを実施する。
結論
がん医療における心血管疾患および脳卒中の診療体制・人材育成の実態について、医療機関を対象としたアンケート調査を進めている。現状把握や課題抽出を通して、がん治療に合併する心血管疾患、脳卒中における望ましい医療提供体制や活用されるべき指標、人材育成プランの方向性について示唆を得ることが期待される。また、がん治療に合併する心血管疾患、脳卒中に対するがん患者の意識について、がん患者を対象としたアンケート調査を進めている。がん患者の視点を包含した提言となり、がん患者のQOLの向上に結び付くことが期待される。

公開日・更新日

公開日
2024-06-21
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202307045Z