科学的根拠に基づくがん情報の提供及び均てん化に向けた体制整備に資する研究

文献情報

文献番号
202307035A
報告書区分
総括
研究課題名
科学的根拠に基づくがん情報の提供及び均てん化に向けた体制整備に資する研究
課題番号
23EA1026
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
若尾 文彦(国立がん研究センターがん対策情報センター本部)
研究分担者(所属機関)
  • 長谷川 潔(東京大学大学院医学系研究科 臓器病態外科学 肝胆膵外科)
  • 下井 辰徳(国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科)
  • 中島 信久(琉球大学 医学部 附属病院 地域医療部)
  • 関根 郁夫(筑波大学 医学医療系 臨床腫瘍学)
  • 藤 也寸志(国立病院機構 九州がんセンター)
  • 中山 健夫(京都大学 大学院医学研究科)
  • 奥村 晃子(公益財団法人 日本医療機能評価機構 EBM医療情報部)
  • 高山 智子(静岡社会健康医学大学院大学 社会健康医学研究科)
  • 東 尚弘(東京大学大学院医学系研究科 公衆衛生学分野)
  • 八巻 知香子(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策研究所 がん情報提供部)
  • 平野 公康(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策研究所 がん情報提供部)
  • 鈴木 斎王(宮崎大学医学部附属病院 患者支援センター)
  • 鈴木 克典(山形県立中央病院 消化器内科)
  • 坪井 正博(国立がん研究センター 東病院呼吸器外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
8,460,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、がんを心配して情報を探し始める場面から適切にがん拠点病院等で、患者らが正しい情報を入手できるよう、
1.がん関連機関の情報連携環境の構築をもとにした“信頼できる情報群”からなる相談員や医療者向け情報支援データベースの整備
2.患者や国民が必要な情報にアクセスしやすい情報検索システムの検討及び検証
3.がん診断時等の患者にがん診療施設で適切に情報提供する方策の検討
の3つの観点から、科学的根拠に基づく情報の提供及び均てん化に向けた体制整備と方策を提言する。
研究方法
(1)医療者向けの情報支援データベースの整備として、原型となるプラットフォーム案の作成、人工知能を活用したがん情報検索システム、薬剤情報等の詳細情報へのリンクの検討を行った。(2) 患者や国民が必要な情報にアクセスしやすい情報検索システムの検討及び検証では、利用者の検索パターンの検討および情報にアクセスしやすい情報検索システムの検討を行った。(3) がん診断時等の患者にがん診療施設(がん非拠点病院を含む)で適切に情報提供する方策の検討では、がん診断時等にがん診療施設で効果的に情報提供する方策に関する検討をおこなった。
結果と考察
(1)医療者向けの情報支援データベースの整備では、ガイドラインの横断的検索システムと生成AIを連携することで、相談員に有用な情報支援データベースの実現の可能性があること、製薬企業の薬剤情報は、正確かつ新鮮な情報源として、大きな期待がされるが、患者への直接提供には、薬機法等の解釈の見直しが必要であると考えられた。(2) 患者や国民が必要な情報にアクセスしやすい情報検索システムの検討及び検証では、情報が増大する中、アクセス目的別のページ誘導、ページ構成の工夫や情報を絞った分かりやすいページ群が有用であると考えられる。さらに、情報の入り口となる検索エンジンに適切な情報への誘導する仕組みが必要であると考えられた。(3) がん診断時等の患者にがん診療施設(がん非拠点病院を含む)で適切に情報提供する方策の検討では、各地域や施設ごとに置かれた状況はさまざまであるなか、好事例となる事例を収集し、提示する事により、がん診療連携拠点病院内外における適切な情報提供の方策が検討できると考えられた。
結論
本研究では、1.がん関連機関の情報連携環境の構築をもとにした“信頼できる情報群”からなる相談員や医療者向け情報支援データベースの整備。2.患者や国民が必要な情報にアクセスしやすい情報検索システムの検討及び検証。3.がん診断時等の患者にがん診療施設で適切に情報提供する方策の検討の3つの観点から検討を行った。1.では、ガイドラインの横断的検索システムと生成AIを連携することで、相談員に有用な情報支援データベースの実現の可能性があること、製薬企業の薬剤情報は、正確かつ新鮮な情報源として、大きな期待がされるが、患者への直接提供には、薬機法等の解釈の見直しが必要であると考えられた。2.では、情報が増大する中、アクセス目的別のページ誘導、ページ構成の工夫や情報を絞った分かりやすいページ群が有用であると考えられる。さらに、情報の入り口となる検索エンジンに適切な情報への誘導する仕組みが、必要であると考えられた。3.では、各地域や施設ごとに置かれた状況はさまざまであるなか、好事例となる事例を収集し、提示する事により、がん診療連携拠点病院内外における適切な情報提供の方策が検討できると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2024-05-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2024-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202307035Z