節足動物が媒介する感染症への効果的な対策に関する総合的な研究

文献情報

文献番号
200931038A
報告書区分
総括
研究課題名
節足動物が媒介する感染症への効果的な対策に関する総合的な研究
課題番号
H21-新興・一般-005
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
小林 睦生(国立感染症研究所 昆虫医科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 小西 英二(神戸大学大学院 保健学研究科)
  • 高崎 智彦(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 倉根 一郎(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 川田 均(長崎大学熱帯医学研究所 病動物学分野)
  • 津田 良夫(国立感染症研究所 昆虫医科学部)
  • 沢辺 京子(国立感染症研究所 昆虫医科学部)
  • 山内 健生(富山県衛生研究所 衛生動物学)
  • 西條 政幸(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 冨田 隆史(国立感染症研究所 昆虫医科学部)
  • 柴田伸一郎(名古屋市衛生研究所 微生物部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
54,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1)蚊、マダニおよびシラミ類が保有する病原体の網羅的探索。 2) 蚊媒介性疾患であるデング熱nの予防ワクチン開発。3)我が国へのチクングニヤ熱輸入症例の実験室診断および輸入症例の実態解明。4) チクングニヤ熱の迅速且つ正確な検査法に関連した新規チクングニヤウイルス遺伝子検出法の開発。5) 媒介昆虫の発生密度、分布の適正調査による感染症流行リスクの評価。6) 輸入感染症としてのクリミア・コンゴ出血熱の診断法の開発、ウイルス遺伝子のマダニからの検出法の開発と評価。7)わが国のアタマジラミ駆除薬の抵抗性の実態解明と簡易検査法の開発などが本研究事業の意義である。
研究方法
1)蚊およびシラミからarbovirusおよびB. quintana遺伝子検出および分離を行う。2)4価のDNAワクチンの開発のための基礎的データの収集。3)チクングニヤ熱の輸入症例の実態解明。4)チクングニヤウイルスの突然変異株検出のPCR用プライマーの設計と実用化。5)地方衛生研究所間での検査技術の共有化。6) 疾病媒介蚊の発生密度や景観生態学的分析による蚊媒介性感染症の流行リスクの量的評価。7)ヒトスジシマカの8分間人囮法による成虫密度評価。8)本邦産マダニ類のクリミア・コンゴ出血熱ウイルスのスクリーニング法の開発。9) アタマジラミのピレスロイド抵抗性遺伝子の簡便な検査法の開発,駆除薬の無効なシラミコロニーの国内分布の状況調査。
結果と考察
1)釧路湿原で、未記録種のハマダラカAn. belenrae成虫および幼虫を確認。2) デング4価DNAワクチンの安全性を判定できる感染増強抗体測定法を開発。3) ベトナムのネッタイシマカにおけるND4およびCOI領域の系統解析。4)2009年チクングニヤ熱の輸入症例8例を診断し、2例からウイルスを分離。5)チクングニヤウイルスの変異株を検出するプライマーを設計。6)景観生態学的分析による媒介蚊発生状況の予測。7)8分間ヒト囮法によるヒトスジシマカ成虫密度の評価。8)ヒトスジシマカ成虫の潜み場所の調査。9)中国新疆ウイグル自治区採取のマダニから,PCR法によるクリミア・コンゴ出血熱ウイルスゲノム検出法の開発と評価。10)ピレスロイド抵抗性アタマジラミからアミノ酸置換突然変異を検出する試験法(QP法)の開発。
結論
媒介昆虫とマダニの分布と生態、病原体の検出、患者の迅速診断は非常に重要である。

公開日・更新日

公開日
2010-07-14
更新日
-