予防接種後健康被害審査の効率化に関する研究

文献情報

文献番号
200931033A
報告書区分
総括
研究課題名
予防接種後健康被害審査の効率化に関する研究
課題番号
H20-新興・一般-018
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
多屋 馨子(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 岡部 信彦(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 安井 良則(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 砂川 富正(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 田中 敏博((株)日立製作所 水戸総合病院 小児科)
  • 落合 雅樹(国立感染症研究所 検定検査品質保証室)
  • 新井 智(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 佐藤 弘(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 山本 久美(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
21,250,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国内外の予防接種後副反応報告を収集し、海外の健康被害救済・副反応報告システムについて調査することで、わが国に適した日本版システム(VAERS)を構築する。また、品質管理試験成績あるいはワクチン成分との関連性を研究することで副反応の原因究明に資する検討を行う。
研究方法
予防接種後副反応報告書(紙媒体)を、直近のものから順次、電子化し、迅速な集計ならびに解析を行う。自治体対象の研修会を実施し、電子媒体の運用を拡大する。システムの改善点を明らかにし、入力の効率化と、解析の迅速化、予防接種後副反応の迅速かつ効率的な解析を行う。海外の制度をHPや現地調査することで、わが国に適したシステムの構築を行う。ワクチン成分と副反応報告との関連を検討するために、現行の国家検定の試験項目についてパラメータとして整理し、副反応(局所反応)因子を明らかにするための検討を行う。
結果と考察
「予防接種後健康被害解析システム」を初年度に構築したことから、本システムが効率的に運用できるよう、直近年度分から順次副反応報告書の電子化を進め、BCGを除く2年分について電子化を完了した。自治体担当者向け研修会を開催したことで、少数ながらいくつかの自治体については、電子媒体の使用が始まった。自治体に伺って報告ファイルの改善点を検討し、全国運用に向けた準備を行った。海外、特に先進国の現状調査は、わが国のシステム構築に多いに参考となった。DPTワクチン追加接種時の局所反応原性と百日咳毒素の活性の相関について検討した。
結論
予防接種副反応情報は政策立案に極めて重要であり、迅速・正確・適切に情報提供することで、正しい知識で予防接種を選択可能となる。接種後に健康被害を認めた場合は、速やかな救済申請と、迅速審査、因果関係が明らかになった場合の速やかな救済も重要な課題である。そのためには、紙媒体報告を改善し、データを電子化し、構築したシステムに搭載することで、上記目的を達成できる可能性がある。今後は全国レベルでの運用と、セキュリティが構築されたより良い搬送システム、接種者数を迅速に把握するシステムが必要である。主な先進国の制度を調査し、わが国の実情に適したシステムを構築し、正しい情報を迅速に国民に提供し、理解して接種を受けられるよう、日本版VAERSの構築を目標とする。

公開日・更新日

公開日
2010-07-14
更新日
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