文献情報
文献番号
202306043A
報告書区分
総括
研究課題名
生成AIを活用したレセプト作成機能の構築と診療行為等データの二次利用基盤の構築に向けた調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23CA2043
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
藤林 和俊(順天堂大学 革新的医療技術開発研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 桑鶴 良平(順天堂大学 大学院医学研究科)
- 岡安 英俊(株式会社FIXER)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
31,720,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
令和5年度は、以下の基礎的調査・実験を実施した。
1. ASISモデル調査: 大学病院の病院情報システム(HIS)における電子カルテ(EMR)と医事会計システムの連結構造の事例調査
2. CANBEモデル検討のための基礎資料作成:
2-1. 電子レセプト作成に寄与するEMRデータの整理
2-2. 外来診療におけるデータ生成過程の構造化
3. AI活用ユースケースを見据えた生成AI活用シーン探索のための基礎実験
1. ASISモデル調査: 大学病院の病院情報システム(HIS)における電子カルテ(EMR)と医事会計システムの連結構造の事例調査
2. CANBEモデル検討のための基礎資料作成:
2-1. 電子レセプト作成に寄与するEMRデータの整理
2-2. 外来診療におけるデータ生成過程の構造化
3. AI活用ユースケースを見据えた生成AI活用シーン探索のための基礎実験
研究方法
ASISモデル調査とCANBEモデル検討のため、専門家の意見を聴取・資料作成を行った。これに基づき、AIを用いて診療報酬請求に資するシーンを探索した。対象とした電子レセプトは医科入院、医科入院外、調剤、歯科の4種類で、共通項目は患者情報、医療機関情報、診療日付、処方内容である。更に電子カルテから生成AIで請求コードを自動生成する実験を実施した。研究は順天堂大学医学部倫理委員会の承認を得て行った(実施許可番号E23-0372-H02)。
結果と考察
研究結果
1. ASISモデル調査: 調査された医療機関電子カルテは基幹システムを中心に各部門システムと連結しており、オーダーコードを用いて医事会計システムと連結し、請求コードが生成される。
2. CANBEモデル検討のための基礎資料作成: 電子カルテ情報と電子レセプト構成情報を整理した。電子レセプトは医事会計システムからの情報、電子カルテ基幹システムからの情報、電子カルテ基幹システムで生成され医事システムで変換される情報で構成されている。
3. AI活用ユースケース探索の基礎実験: 888件の薬剤名称から請求コードを生成し、96%の精度で正しい請求コードを生成できた。汎用的なAIエンジンと簡便な学習ステップで高精度を達成し、電子カルテ情報からの自動レセプト生成の可能性が示された。
考察
1. ASISモデル調査: 調査対象の大学病院では、電子レセプト作成に必要なデータ項目とフローを整理したが、中小規模病院や診療所のシステム連結構造は異なる可能性があり、さらなる調査が必要である。
2. CANBEモデル検討: 電子レセプト作成に寄与する情報を整理し、生成AIの学習データ項目を絞り込んだ。更に処方情報以外のデータ項目の検証も必要である。
3. AI活用シーン探索の基礎実験: 生成AIを使用して電子カルテ情報から請求コードを生成する可能性が示されたが、従来のルールベース方法も有効であり、今後の検討が必要である。
1. ASISモデル調査: 調査された医療機関電子カルテは基幹システムを中心に各部門システムと連結しており、オーダーコードを用いて医事会計システムと連結し、請求コードが生成される。
2. CANBEモデル検討のための基礎資料作成: 電子カルテ情報と電子レセプト構成情報を整理した。電子レセプトは医事会計システムからの情報、電子カルテ基幹システムからの情報、電子カルテ基幹システムで生成され医事システムで変換される情報で構成されている。
3. AI活用ユースケース探索の基礎実験: 888件の薬剤名称から請求コードを生成し、96%の精度で正しい請求コードを生成できた。汎用的なAIエンジンと簡便な学習ステップで高精度を達成し、電子カルテ情報からの自動レセプト生成の可能性が示された。
考察
1. ASISモデル調査: 調査対象の大学病院では、電子レセプト作成に必要なデータ項目とフローを整理したが、中小規模病院や診療所のシステム連結構造は異なる可能性があり、さらなる調査が必要である。
2. CANBEモデル検討: 電子レセプト作成に寄与する情報を整理し、生成AIの学習データ項目を絞り込んだ。更に処方情報以外のデータ項目の検証も必要である。
3. AI活用シーン探索の基礎実験: 生成AIを使用して電子カルテ情報から請求コードを生成する可能性が示されたが、従来のルールベース方法も有効であり、今後の検討が必要である。
結論
大学病院のHISにおけるEMRと医事会計システムの連結構造を調査し、電子レセプト作成に必要なデータ項目とフローを整理した。本研究結果は、生成AIの文字量制限の解決策を示し、電子カルテ処方情報から請求コードを生成する実験で自動レセプト生成の可能性を示したが、従来の方法も有効であり、今後も検討が続けられる必要がある。
公開日・更新日
公開日
2025-05-23
更新日
-