新型インフルエンザの大流行に備えた訓練に関する研究

文献情報

文献番号
200931023A
報告書区分
総括
研究課題名
新型インフルエンザの大流行に備えた訓練に関する研究
課題番号
H20-新興・一般-008
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
原口 義座(国立病院機構災害医療センター 臨床研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 保博(東京臨海病院)
  • 大日 康史(国立感染症研究所)
  • 川田 諭一(古河保健所)
  • 古閑 比斗志(横浜検疫所)
  • 角田 隆文(都立荏原病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
10,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
新型インフルエンザに焦点をあて、実際面からみて中核を占めるものとしての適切は訓練の在り方を提示することを大目的としたものである。
特に平成21年度に発生したH1N1亜型インフルエンザパンデミックを踏まえて、具体的な研究目標とした。
研究方法
専門的な視点に加え、総合的な観点の両面からアプローチする必要がある。そのような視点から、多面的に研究を組み立てた。
① 専門的、臨床的要素:感染症指定施設としての取組
② 医療施設全般、特に一般病院、診療所、などの取組
③ 医療施設との連携システム、公的機関・保健所・検疫所等
④ 医療施設と密接な関連のあるライフライン関係
⑤ 感染拡大、ひいては感染防護につながる交通関係企業・大企業・集客産業等の大企業
⑥ 教育部門・施設など 総力戦としての位置づけの元感染症との戦いとしての訓練・マニュアルに代表される指示・指揮系統の整備を行い、効果的な訓練方法の確立へ努める。
結果と考察
多面的な対応を行った。1.啓蒙:セミナー・シンポジウム  繰り返し行った。特に平成21年10月筑波で施行したシンポジウムは、一般開業医・診療所等の対応を主に    
2.マニュアル/指導書の作成 特に医療従事者用に、訓練を想定したものとし、机上シミュレーション等の検討結果を、動画を添付したものとして作成し配布した   
3.一般人・学生・中小企業教育用資料 東京商工会議所中心に、協力して教育用パンフレットの作成等を行った。 
4公的機関等との机上シミュレーション公的機関を想定した机上シミュレーションを行った。
5.対応の組み立てのシェーマ化 トライアングルのシェーマをベースに、訓練を想定することの必要性が明らかとなったと考えられる。
結論
平成21年4月より発生したH1N1 Pandemicにおいても、一部の施設では、その意義があったと考えられた.
それらのデータも踏まえて、訓練の在り方の基本となるシェーマの作成も可能となり、また教育用資料も徐々にであるが充実してきている。
個々の研究分担者の報告書からもその充実度が窺われると考えられる。。
しかし、今回提示したマクロ・ミクロの視点に加えて、目を将来に向ける、すなわち強毒型のインフルエンザ亜型、その他のパンデミックの発生の可能性を想定すると、更に徹底した協力・共同作業・倫理哲学面での確立の必要性がある(最大多数の最大幸福、あるいは最少不幸の社会)。

公開日・更新日

公開日
2010-10-21
更新日
-