テロの可能性のある病原体等の早期検知・迅速診断法の開発とその評価法の確立に関わる研究

文献情報

文献番号
200931021A
報告書区分
総括
研究課題名
テロの可能性のある病原体等の早期検知・迅速診断法の開発とその評価法の確立に関わる研究
課題番号
H20-新興・一般-006
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
佐多 徹太郎(国立感染症研究所 感染病理部)
研究分担者(所属機関)
  • 森川 茂(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 加来 義浩(国立感染症研究所 獣医科学部)
  • 高橋 英之(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 堀野 敦子(国立感染症研究所 細菌第二部)
  • 牧野 壮一(国立大学法人帯広畜産大学 大動物特殊疾病研究センター)
  • 高橋 元秀(国立感染症研究所 細菌第二部)
  • 安藤 秀二(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 黒田 誠(国立感染症研究所 病原体ゲノム解析研究センター)
  • 田中 智之(堺市衛生研究所)
  • 岩本 愛吉(東京大学医科学研究所 先端医療研究センター)
  • 松本 哲哉(東京医科大学微生物学講座)
  • 中村 修(慶應義塾大学 環境情報学部)
  • 尾家 重治(山口大学医学部附属病院 薬剤部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
81,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
バイオテロ関連病原体等の迅速診断検査、病原体分離同定法と検査ネットワークの整備と人材育成、および病原体ゲノムデータベースの作製、臨床診断支援法の構築とアップデート、そして除染法について確立することを目的とする。
研究方法
バイオテロ関連病原体等の迅速診断法を開発し、地方衛生研究所に導入する。次世代シーケンサによる超高速病原体ゲノム解読システム、未知の病原体も検出できるシステムを構築する。地研におけるバイオテロ対応能力強化と人材育成を行う。バイオテロ関連疾患の臨床診断支援法としてバイオテロ対応ホームページのアップデート、Web情報の管理方法の確立として情報公開の仕組みに関する研究開発を行う。有効な除染方法を開発する。
結果と考察
網羅的ウイルス遺伝子PCR法を改変し地研に配布し評価した。環境検体からの核酸抽出法として磁気ビーズ法を、また携帯型炭疽菌核酸検出法を開発した。豚のレストンエボラウイルスの抗体検出系および遺伝子検出系を開発した。ポックスウイルス共通遺伝子検出法をキット化し配布し評価した。ニパと狂犬病ウイルスの抗原検出ELISAを開発した。蛍光抗体法によるペスト菌の検出法を確立した。鼻疽および類鼻疽菌のレファレンス用の菌株数を増強し、分離同定法を検討し、またLAMP法の開発を行った。カクテルPCRと蛍光ビーズ法を組み合わせた迅速検出法を開発し、病原体や毒素が検出可能となった。野兎病菌の迅速ELISA法を開発した。リケッチア属の核酸迅速検出法を開発した。毒素を簡易かつ迅速に検出するイムノクロマトキットの試作品を作製し地研に配布し評価した。次世代シーケンサを用いた炭疽菌の簡易株系統分類法を開発した。殺芽胞効果には次亜塩素酸ナトリウムと酢の混合液が優れていた。全国地研の代表でウイルスの迅速キット二種類について評価検討し問題点を明かにした。バイオテロ対応ホームページ(HP)の改訂を目的としてシステムおよび担当専門家チームを組織し、最新版に改訂した。CDROM版は全国の主要医療機関に配布した。また、市販のイムノクロマトキットについて性能評価をおこなった。
結論
バイオテロ関連病原体等の迅速検出法の新たな開発については順調に進んだ。地研にウイルス検出キットを作製し配布し評価し、問題点を明かにした。次年度は細菌等について同様な検討を行うことで検査ネットワークの確立をめざしたい。

公開日・更新日

公開日
2010-07-13
更新日
-