文献情報
文献番号
200931017A
報告書区分
総括
研究課題名
インフルエンザ及び近年流行が問題となっている呼吸器感染症の分析疫学研究
課題番号
H20-新興・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
廣田 良夫(公立大学法人 大阪市立大学 大学院医学研究科公衆衛生学)
研究分担者(所属機関)
- 森 満(札幌医科大学 医学部公衆衛生学講座)
- 星 淑玲(筑波大学 大学院人間総合科学研究科ヒューマン・ケア科学)
- 小島原典子(東京女子医科大学衛生学・公衆衛生学第二講座)
- 砂川富正(国立感染症研究所 感染症情報センター)
- 鈴木幹三(名古屋市緑保健所)
- 中野貴司(独立行政法人 国立病院機構 三重病院 臨床研究部国際保健医療研究室)
- 加瀬哲男(大阪府立公衆衛生研究所)
- 吉田英樹(大阪市保健所)
- 大藤さとこ(公立大学法人 大阪市立大学 大学院医学研究科公衆衛生学)
- 小笹晃太郎(財団法人 放射線影響研究所疫学部)
- 池松秀之(特定医療法人 原土井病院 臨床研究部)
- 入江 伸(医療法人 相生会 九州臨床薬理クリニック)
- 岡田賢司(独立行政法人 国立病院機構 福岡病院)
- 徳永章二(九州大学病院 医療情報部)
- 井手三郎(聖マリア学院大学大学院看護学科)
- 鷲尾昌一(聖マリア学院大学大学院看護学科)
- 伊藤雄平(久留米大学医療センター 小児科)
- 原めぐみ(国立大学法人 佐賀大学 医学部社会医学講座)
- 伊藤澄信(独立行政法人国立病院機構本部)
- 中田恵子(大阪府立公衆衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
67,197,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
・インフルエンザワクチンの有効性と免疫原性
・百日咳ワクチンの有効性と関連因子
・高齢者肺炎に対する肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの有効性
・インフルエンザワクチン・肺炎球菌ワクチンの接種政策の費用対効果
・呼吸器感染症の予防指針等の作成
・新型インフルエンザワクチンの有効性、免疫原性、安全性
・百日咳ワクチンの有効性と関連因子
・高齢者肺炎に対する肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの有効性
・インフルエンザワクチン・肺炎球菌ワクチンの接種政策の費用対効果
・呼吸器感染症の予防指針等の作成
・新型インフルエンザワクチンの有効性、免疫原性、安全性
研究方法
①インフルエンザ
血液悪性腫瘍患者などのハイリスク集団で調査
② 百日咳
多施設共同症例対照研究
③ 高齢者肺炎
多施設共同症例対照研究
④ 費用対効果
モデル構築および解析
⑤ 微生物検索・病原診断
呼吸器ウイルスの検出法などを検討
⑥ 指針等作成
インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンなどについて作成
⑦新型インフルエンザ
妊婦、筋ジス患者、中高生など14集団で調査
血液悪性腫瘍患者などのハイリスク集団で調査
② 百日咳
多施設共同症例対照研究
③ 高齢者肺炎
多施設共同症例対照研究
④ 費用対効果
モデル構築および解析
⑤ 微生物検索・病原診断
呼吸器ウイルスの検出法などを検討
⑥ 指針等作成
インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンなどについて作成
⑦新型インフルエンザ
妊婦、筋ジス患者、中高生など14集団で調査
結果と考察
①血液悪性腫瘍患者での接種後HI価≧1:40はH1:19%、H3:21%、B:21%
②2010年1月末までに、百日咳症例13人、対照18人を登録した
③予備解析における調整ORは、肺炎球菌ワクチン1.05、季節性インフルエンザワクチン0.29、新型インフルエンザワクチン0.24であった
④肺炎球菌ワクチン接種プログラムの1救命年当たり増分費用は、740万円から960万円。対象年齢が若く自己負担額が低いほど小さい
⑤新型インフルエンザ確定に当たり、ウイルス分離をGold Standardにした時のリアルタイムRT-PCR法は、感度100%、特異度72%、全体一致率92%
⑥これまでの研究成果の集約と既存データの検索・整理実施
⑦中高生の免疫原性は1回接種でEMEA基準、FDA基準を満たす。他は解析中
②2010年1月末までに、百日咳症例13人、対照18人を登録した
③予備解析における調整ORは、肺炎球菌ワクチン1.05、季節性インフルエンザワクチン0.29、新型インフルエンザワクチン0.24であった
④肺炎球菌ワクチン接種プログラムの1救命年当たり増分費用は、740万円から960万円。対象年齢が若く自己負担額が低いほど小さい
⑤新型インフルエンザ確定に当たり、ウイルス分離をGold Standardにした時のリアルタイムRT-PCR法は、感度100%、特異度72%、全体一致率92%
⑥これまでの研究成果の集約と既存データの検索・整理実施
⑦中高生の免疫原性は1回接種でEMEA基準、FDA基準を満たす。他は解析中
結論
①免疫抑制療法を受けている患者では抗体応答が低い
②今後、協力施設を増やして症例・対照数を集積し解析を進める
③季節性・新型インフルエンザワクチンによる肺炎リスクの低下が示唆された
④肺炎球菌ワクチン接種プログラムは、適格年令65歳以上、自己負担額0円としたとき最も効率的
⑤新型インフルエンザの確定診断におけるリアルタイムRT-PCRは迅速性に優れ、多数の症例を判定するのに適切
⑥乳幼児、免疫抑制療法中患者におけるワクチン免疫原性を周知させる必要あり
⑦中高生の接種回数は1回でよい
②今後、協力施設を増やして症例・対照数を集積し解析を進める
③季節性・新型インフルエンザワクチンによる肺炎リスクの低下が示唆された
④肺炎球菌ワクチン接種プログラムは、適格年令65歳以上、自己負担額0円としたとき最も効率的
⑤新型インフルエンザの確定診断におけるリアルタイムRT-PCRは迅速性に優れ、多数の症例を判定するのに適切
⑥乳幼児、免疫抑制療法中患者におけるワクチン免疫原性を周知させる必要あり
⑦中高生の接種回数は1回でよい
公開日・更新日
公開日
2010-07-14
更新日
-