身寄りのない人や意思決定が困難な人への医療行為の同意に関する実態把握のための研究

文献情報

文献番号
202306012A
報告書区分
総括
研究課題名
身寄りのない人や意思決定が困難な人への医療行為の同意に関する実態把握のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23CA2012
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
山縣 然太朗(国立大学法人 山梨大学 大学院総合研究部 医学域 社会医学講座)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
2,760,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202306012C

成果

専門的・学術的観点からの成果
 本研究は、身寄りのない人や意思決定が困難な人の医療同意を支援する際の留意点や標準的なプロセスを提言するにあたり、医療同意に関する判例を収集し、その示唆を得ることができた。この結果を基に、法的根拠をふまえた提言をしていくことが可能となった。
臨床的観点からの成果
(1) 研究成果
 医療同意に関する判例が27件抽出できた。医療機関が本人・家族に説明する場合の説明義務や、家族等の第三者に説明をする際の守秘義務の範囲等が課題として明らかになった。
(2) 研究成果の臨床的・国際的・社会的意義
 国内では法的根拠に基づいた本人および第三者による医療同意の在り方についてコンセンサスを得たプロセスは見当たらない。本研究結果により、身寄りのない人や意思決定が困難な人の医療同意を支援する際の法的根拠をふまえた提言につなげることが可能となった。
ガイドライン等の開発
 身寄りのない人や意思決定が困難な人の医療同意において、身元保証サービス事業者が支援者となるケースが近年増加している。身元保証サービス事業者は、成年後見制度等の公的なサービスでは補えない部分、一身専属性が高い行為、事実行為や死後事務等をカバーしている現状がある。今後は、身寄りのない人や意思決定が困難な人の医療同意における身元保証サービス事業者の支援のあり方についての指針を作成する予定である。
その他行政的観点からの成果
 本研究班が作成した「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」、「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドラインに基づく事例集」は、医療、介護、自治体等から大きな反響があり、研修会の依頼が増えている。ガイドラインおよび事例集は身寄りのない人の支援に関わる現場で実際に活用されている。今後、作成する指針についても、身寄りがない人の支援に関わる人たちにとって役立つものになることが期待される。
その他のインパクト
 本研究班が作成した「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」、「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドラインに基づく事例集」に関しては、関係機関やマスコミなどから問い合わせが多数あり、現在も研修会や講演の依頼が絶えない。今後、高齢者の単身世帯、認知症高齢者がますます増加することが予想され、本研究結果に基づく指針についても大きな反響を呼ぶことが期待される。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
1件
その他論文(和文)
3件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
4件
講演4件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Yamazaki S, Tamiya N, Muto K, Hashimoto, et al.
Current situation of the hospitalization of persons without family in Japan and related medical challenges
PLOS ONE , 18 (6)  (2023)
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0276090

公開日・更新日

公開日
2025-05-23
更新日
-

収支報告書

文献番号
202306012Z