文献情報
文献番号
202306012A
報告書区分
総括
研究課題名
身寄りのない人や意思決定が困難な人への医療行為の同意に関する実態把握のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23CA2012
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
山縣 然太朗(国立大学法人 山梨大学 大学院総合研究部 医学域 社会医学講座)
研究分担者(所属機関)
- 熊田 均(熊田法律事務所)
- 田宮 菜奈子(国立大学法人筑波大学 医学医療系 / ヘルスサービス開発研究センター)
- 武藤 香織(国立大学法人東京大学 医科学研究所)
- 橋本 有生(早稲田大学法学部)
- 山﨑 さやか(健康科学大学 看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
2,760,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
研究代表者らは、2019年に「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン(以下、ガイドライン)」を作成した。また、2022年にガイドラインを補う事例集を作成した。この中で、医療行為の同意については、本人の一身専属性(本人だけに属する権利等)が極めて強いものであり、成年後見人等の第三者が提供される医療に係る意思決定・同意を行う権限はないものと考えられている。ガイドラインでは、医療行為の同意に関する考え方や対応については、人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン(厚生労働省, 平成30年改訂)の活用、医療・ケアチームや倫理委員会で検討することが示されている。意思決定が困難な人の医療行為の同意のあり方については、医療現場の実態を踏まえた上で整理が必要な状況である。
本研究は、医療行為の同意について本人以外の者に権限を付与する場合、医療行為の同意の権限を付与してもよい条件に当てはまる者や医療行為の同意の権限を付与してもよい医療行為の類型化に関する検討を行うために、身寄りのない人や意思決定が困難な人への医療行為に関する判例を収集し、医療の同意についての課題を整理することを目的とした。
本研究は、医療行為の同意について本人以外の者に権限を付与する場合、医療行為の同意の権限を付与してもよい条件に当てはまる者や医療行為の同意の権限を付与してもよい医療行為の類型化に関する検討を行うために、身寄りのない人や意思決定が困難な人への医療行為に関する判例を収集し、医療の同意についての課題を整理することを目的とした。
研究方法
判例検索データベースを使用して、「家族同意」のキーワードを主として、身寄りのない人や意思決定が困難な人への医療行為の同意に関する判例を収集した。抽出した判例から医療行為の同意についての課題を整理した。
結果と考察
平成6年から令和5年度にかけて27件の判例を抽出した。本人に同意能力がある場合、または、本人に同意能力がない場合の両方において、医療側の説明義務、誰が、誰に、どこまで、どのように説明するのかを問われる判例が多かった。医療機関が家族に説明する場合の守秘義務の範囲は課題として残った。医療の同意を考える際には、意思決定支援のプロセスを踏むことが必要であるが、意思決定支援に焦点があたった判例は見当たらなかった。医療の同意は一身専属性が高いということは法律の解釈なので、今後も判例を収集し、法的な解釈を整理する必要がある。医療の説明をする側(医療機関)と、医療の説明を受けて同意する側(患者)の関係性をふまえると、医療の同意を本人以外の第三者が支援する場合、医療側が誰に、何を、どこまで、どのように説明する必要があるのかを整理し、提示することが重要である。
また、身寄りがない人の医療同意を第三者が支援する場合、成年後見人等や、高齢者等身元保証サービスが実施している現状がある。医療現場における成年後見人等に期待される役割はガイドラインに示したが、医療現場における高齢者等身元保証サービスに期待される役割は整理できていない。身寄りがない人の支援は、当事者に関わる関係機関がネットワークを作ることが望まれる。そのため、高齢者等身元保証サービス事業者が、利用者の医療の同意についてどのように支援をしているのかの実態把握をし、高齢者等身元保証サービスの支援のあり方を検討していく必要がある。
また、身寄りがない人の医療同意を第三者が支援する場合、成年後見人等や、高齢者等身元保証サービスが実施している現状がある。医療現場における成年後見人等に期待される役割はガイドラインに示したが、医療現場における高齢者等身元保証サービスに期待される役割は整理できていない。身寄りがない人の支援は、当事者に関わる関係機関がネットワークを作ることが望まれる。そのため、高齢者等身元保証サービス事業者が、利用者の医療の同意についてどのように支援をしているのかの実態把握をし、高齢者等身元保証サービスの支援のあり方を検討していく必要がある。
結論
医療同意に関する27件の判例を抽出した。医療の同意に関する判例は、医療側から本人または家族への説明義務を問われる判例が多いことが明らかになった。
また、今後の研究の中で、高齢者等身元保証サービス事業者が、利用者の医療の同意についてどのように支援をしているのかの実態把握をし、高齢者等身元保証サービスの支援のあり方を検討していく必要がある。
また、今後の研究の中で、高齢者等身元保証サービス事業者が、利用者の医療の同意についてどのように支援をしているのかの実態把握をし、高齢者等身元保証サービスの支援のあり方を検討していく必要がある。
公開日・更新日
公開日
2026-07-24
更新日
-