文献情報
文献番号
202306003A
報告書区分
総括
研究課題名
看護師養成所2年課程(通信制)の入学要件見直しに係る調査研究
課題番号
23CA2003
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
奥 裕美(聖路加国際大学 大学院看護学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 小山田 恭子(聖路加国際大学 大学院看護学研究科)
- 三浦 友理子(聖路加国際大学大学院看護学研究科)
- 相澤 恵子(聖路加国際大学大学院看護学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
5,384,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
次の3点を目的として本研究を実施した①2年課程通信制における教育内容、特に紙上事例演習、面接授業における優れた教育事例(Good Practice;GP)を把握すること、②入学要件における准看護師としての就業経験年数を短縮した場合に必要とされる効果的な教育方法への示唆を得ること、③2年課程通信制の看護教員を対象とした教育方法に関する研修教材(Faculty Development;FD教材)を開発すること。
研究方法
上記3点の目標を達成するため、全国の看護師養成所2年課程(通信制)の教員を対象に、①GP収集調査、②FD教材開発のための調査を行った(2023年7月~9月)。収集した資料を2年課程通信制の教員を含めたプロジェクトチームにて分析、検討し、研修に必要な内容をまとめた。
結果と考察
①GP収集調査:16校中14校より回答を得た。1校当たり、1から2科目の実践事例が提供された。また回答した14教育機関の学習環境、学習支援体制、実習科目の展開の方法は多様であることが分かった。そのようななか、特定の教育機関が行うGPに基づいた教育方法を提案しても、活用可能性は低いと考えられることから、GPを参考として、2年課程通信制の教育機関が共通で理解でき活用可能な臨床実習にを効果的に支援する資料の開発の必要性が示唆された。②FD教材開発調査:回答数は、61であった。「通信制教育に特徴的な内容」および「看護学教育の一般的な内容」に分けて調査し、 「通信制教育に特徴的な内容」に基づく9項目では8項目で平均値が4(おそらく視聴する)以上であった。2年課程通信制における教育経験年数(6年未満と6年以上)による差は見られず、提示した項目はほぼ全体的に、学習ニーズが高く、FD教材の内容に反映していく必要性が示された。また、「看護学教育の一般的な内容」に基づく15項目の結果では、「⑨ 実習内での教授活動(現場での教育活動)」「⑬教育組織におけるチーム連携」「⑮教員としての自己研鑽」「④学生のレディネスに応じた教育的判断(学生の学習状況の分析と教育方法の選択など)」などがニーズの高い項目として挙げられた。こちらの結果も、経験6年目未満と6年目以上による差は見られず、FD教材の内容に反映させる必要性が示唆された。これらの結果を踏まえて2年課程通信制の教員を含めたプロジェクトチームにて検討し、研修教材に必要な内容を研修用動画6編、添削指導の手引き、臨地実習の効果を高める記録用紙等の資料から成る「看護師養成所2年課程(通信制)教員研修ツール」と、ツールの活用を支援する使用ガイドを開発した。
結論
2年課程通信制の教員が行う教育実践のGP、学習ニーズ、そして教育経験知に基づき研修教材に必要な内容をまとめ、2年課程(通信制)の教育機関で共通して活用可能な動画6編、添削指導の手引き、臨地実習の効果を高める記録用紙等の資料から成る研修ツールと、ツールの活用を支援する使用ガイドを開発した。
公開日・更新日
公開日
2024-06-27
更新日
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