リアルワールドデータの二次利用加速にむけた多施設データ処理方式の導入の試行研究

文献情報

文献番号
202303011A
報告書区分
総括
研究課題名
リアルワールドデータの二次利用加速にむけた多施設データ処理方式の導入の試行研究
課題番号
23AC1003
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
黒田 知宏(国立大学法人 京都大学 医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 岩尾 友秀(京都大学 医学部附属病院)
  • 油谷 曉(京都大学 医学部附属病院 医療情報企画部)
  • 岸本 和昌(京都大学 医学部附属病院医療情報企画部)
  • 岡田 佳築(国立大学法人 大阪大学 医学部附属病院)
  • 小西 正三(大阪大学 医学部附属病院)
  • 青柳 吉博(国立がん研究センター東病院 医療情報部)
  • 野村 恵一(国立がん研究センター 東病院 医療情報部)
  • 寺尾 涼恵(国立がん研究センター 東病院 臨床研究支援部門 臨床研究推進部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬品等の有効性評価に当たって、従来の臨床評価試験に加えて、医療情報の二次利用による所謂リアルワールドデータ(RWD)の利活用が進められている。我が国でも、臨床研究中核病院等に治験等の臨床研究に耐えうるデータベース(臨中ネット共通DB)を設置する「臨中ネット」が進められている。この基盤を実運用に乗せるためには、データ抽出時の研究者・データ提供者双方の負担や、受け渡し時のデータ漏洩リスクなどの課題を解決し、SQL等の専門知識を有しない研究者でも利用可能な仕組みを整備することが求められる。
 そこで本研究では、複数の医療機関からデータを抽出・共有する仕組みを臨中ネット産科病院の一部に導入して試行し、臨床研究を効率よく実施するシステムの実現を図る。
研究方法
クラウド上のモジュールを援用して、各医療機関の研究者がデータ提供素典ソースに接続し、効率的に分析可能であると伴に、患者データが直接ダウンロードできないことを保証するシステムを設計し、参加三機関に導入して検証する。令和5年度はシステム開発、令和6年度は検証にあてる。
 システムは、各医療機関に設置されたStationと、各分析者が用意するTrainから成る。
 各医療機関毎に、クラウド上に確保された計算リソース(Airflow / Kubernetesモジュール)から保有する臨中ネット共通DBにODBC接続で接続された環境(Station)を用意する。
 分析者は、分析用のプログラムと、分析結果やデータを収集するプログラムを準備して、コンテナ(Train)に詰め込み、レジストリ(Container Registry)に配置する。
 最終的には、分析者が作成したTrainが、データ提供元のStationに送り込んまれて分析が実施される。
結果と考察
 Station環境と、Container Registryを、参加三医療機関に導入した。また、データ抽出・探索解析用ソフトウエアのインタフェースを設計した。
 なお、参加三機関の臨中ネット共通DBの設置状況の違いから、StationからそれぞれのDBへの接続方法は違う方法が採られた。具体的には、京大病院はGoogle Cloud上での内部接続、阪大病院ではオンプレのサーバへのVPN接続、国がん東病院ではMicrosoft Azureとの異種クラウド間接続となった。これらの全てのパターンを試行し、システム構築のFeasibilityを確認することが出来た。
 今後は、Station利用に係る経費の適切な算出方法や、具体的な運用方法等が課題になると考えられた。
結論
 臨中ネット基盤へ、データ抽出・共有する仕組み(Personal Health Train)の導入を試行した。試行の結果、こうちくのFasibilityを確認することが出来た。

公開日・更新日

公開日
2024-07-17
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-07-17
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202303011Z