難聴者自立支援のための埋め込み型骨導補聴器の開発

文献情報

文献番号
200930012A
報告書区分
総括
研究課題名
難聴者自立支援のための埋め込み型骨導補聴器の開発
課題番号
H21-感覚・一般-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
羽藤 直人(愛媛大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 小池 卓二(電気通信大学 電気通信学部)
  • 神崎 晶(慶應義塾大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 感覚器障害研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
既存の骨導補聴具を凌駕し、快適な装用と良好な 補聴特性を有する、日本オリジナルのインプラント型骨導補聴器を開発することにより、老人性難聴者を含め、従来型補聴器の使用が困難であった難聴者の自立支援に貢献する。
研究方法
①振動子設計・評価
超磁歪素子はその大きさや形状にて振動特性が異なるため、シミュレーションを行いながらチタンカプセルを含めた最適振動特性を持つ振動子の設計を行う。側頭骨モデルにて振動子の特性を検証し改良した。
②振動子作製
超磁歪素子および応用製品の製造販売を行なっているGMMテック社等の協力の下,最適形状の超磁歪素子を試作した。
③シミュレーション解析
骨導による基底板振動挙動を解析可能な,有限要素 中耳-蝸牛モデルを用いてコンピューターシミュレーションを行った。電磁コイルと振動子を配置したモデルで、効率的な加振配置や加振力特性のシミュレーションを行った。
結果と考察
本年度は、磁界の変化によりその寸法が変化する素子である超磁歪素子を用いて、体内埋め込み型骨導補聴器用の振動子、および外部より音響信号を伝送するためのコイルを設計・試作し、その動作特性の評価を行った。その結果、AM波を伝送信号として用いることで、体内埋め込み振動子へ効率的に音響エネルギーを供給することができることを明らかにした。また、振動子は高周波数域まで良好な振動特性を示し、高音域までカバーする新たな骨導補聴器の実現可能性を示した。さらに、超磁歪素子を用いた骨導振動子の補聴特性を確認するため、試作した振動子を遺体に取り付け加振し、外耳道に発生する音圧、および側頭骨に発生する振動を計測した。その結果、振動子は高周波域で高い出力を持ち、良好な直線性を有していることが示された。
結論
21年度は3年度にわたる開発計画の1年目であり、当初の予定通りの体内インプラント部分のシミュレーションおよびシステム設計が完了した。

公開日・更新日

公開日
2010-09-22
更新日
-