文献情報
文献番号
202301019A
報告書区分
総括
研究課題名
NDBをはじめとする医療ビッグデータを利活用できる人材の裾野を広げるための研究
課題番号
23AA2003
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
康永 秀生(国立大学法人東京大学 大学院医学系研究科公共健康医学専攻臨床疫学・経済学)
研究分担者(所属機関)
- 中山 健夫(京都大学 大学院医学研究科)
- 田宮 菜奈子(国立大学法人筑波大学 医学医療系 / ヘルスサービス開発研究センター)
- 山名 隼人(自治医科大学 データサイエンスセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
10,177,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
NDB・DPC等の大規模データ解析に精通した研究者を育成することは急務である。平成23年度からレセプト情報・特定健診等情報データベース(以下、NDB)の研究者への第三者提供が始まり、令和元年度からNDBオンサイトリサーチセンターが一般開放された。令和2年度から第三者提供が法制化され、民間事業者等への提供も可能となった。令和3年度には提供情報の範囲が拡大され、さらにNDBのリプレース及びNDBデータ等をクラウド上で解析できる「医療・介護データ等の連結解析基盤」(以下、HIC)の開発が進められた。令和4年度からオンサイトリサーチセンターのクラウド化、HICの試行的利用が開始された。このように、保健医療介護データベース研究の素地は整いつつある。
保健医療介護の実態を理解し、なおかつデータ解析に精通した研究者を育成することは喫緊の課題である。そのために、臨床医学・疫学・統計学の知識に加えて、データベースに関連する知識や技能の教育が必須である。
保健医療介護の実態を理解し、なおかつデータ解析に精通した研究者を育成することは喫緊の課題である。そのために、臨床医学・疫学・統計学の知識に加えて、データベースに関連する知識や技能の教育が必須である。
研究方法
東京大学は、令和5年度研究において、先行研究で開発した人材育成プログラムのコンテンツを更新・改善し、新たな「NDB・DPC等データベース研究人材育成セミナー」を開発した。
京都大学は、2019年度より文部科学省が管轄する「関西広域・医療データ人材育成拠点形成事業」を開始しており、主コースである修士課程追加履修コースのほかに、民間向けに展開する2つのインテンシブコースを併設している。
筑波大学では、昨年度に引き続き、医療・介護保険レセプトデータやDPCデータを用いた研究を推し進め、特に博士課程・研修医・若手教員を対象にした人材育成に力を入れている。
自治医科大学は、自治体職員など様々な利活用者と目的に合わせたプログラムの改良点を検討した。
京都大学は、2019年度より文部科学省が管轄する「関西広域・医療データ人材育成拠点形成事業」を開始しており、主コースである修士課程追加履修コースのほかに、民間向けに展開する2つのインテンシブコースを併設している。
筑波大学では、昨年度に引き続き、医療・介護保険レセプトデータやDPCデータを用いた研究を推し進め、特に博士課程・研修医・若手教員を対象にした人材育成に力を入れている。
自治医科大学は、自治体職員など様々な利活用者と目的に合わせたプログラムの改良点を検討した。
結果と考察
東京大学は、令和6年度のセミナーの実施と評価に向けて準備中である。NDB、DPCなどの大規模データベースを用いた研究を引き続き実施し、2023年は英文原著論文が124編出版された。
京都大学では、2023年度は本事業の成果を第43回医療情報学連合大会ワークショップ「未来を担う医療データ取扱人材の育成~関西広域 医療データ人材教育拠点形成事業(KUEP-DHI)の取り組み~」で報告した。アカデミアにおける研究者養成とは異なる形式での保健医療介護ビッグデータ研究人材育成の可能性について課題と可能性について検討を進めている。
筑波大学では、リアルワールドデータを用いた臨床医学・社会医学研究に関心を持つ医療者や若手教員を対象に医学教育を行い、研究者の裾野を広げ、本事業の目標である幅広い医療ビッグデータ研究にかかわる人材育成に貢献することができた。
自治医科大学では、今後求められる新規データの検討と更なる利活用のための基盤強化を実施した。このことにより、医療ビッグデータを利活用できる人材の裾野を広げることに貢献した。
京都大学では、2023年度は本事業の成果を第43回医療情報学連合大会ワークショップ「未来を担う医療データ取扱人材の育成~関西広域 医療データ人材教育拠点形成事業(KUEP-DHI)の取り組み~」で報告した。アカデミアにおける研究者養成とは異なる形式での保健医療介護ビッグデータ研究人材育成の可能性について課題と可能性について検討を進めている。
筑波大学では、リアルワールドデータを用いた臨床医学・社会医学研究に関心を持つ医療者や若手教員を対象に医学教育を行い、研究者の裾野を広げ、本事業の目標である幅広い医療ビッグデータ研究にかかわる人材育成に貢献することができた。
自治医科大学では、今後求められる新規データの検討と更なる利活用のための基盤強化を実施した。このことにより、医療ビッグデータを利活用できる人材の裾野を広げることに貢献した。
結論
近年、保健医療介護データベースのインフラ整備が進められている。それらのインフラを活用できる人材の育成にさらに貢献し、現在整備中の統合データベースの稼働の際には全省的な政策課題に関する研究・知見の提供にも貢献できる。さらに、日常臨床のクリニカル・クエスチョンをデータベース活用により解明する研究実践能力を持つ研究者を多数育成し、データハンドリング技術と臨床研究実践能力の両方に長けた人材も多数育成することにより、わが国の大規模データベース研究の進歩を加速できる。わが国の大規模データベース研究の技術水準を世界トップレベルに向上させ、わが国発のエビデンスを量産できることが期待される。また、様々な利活用者と目的に合わせて教育プログラムの改良を検討し、今後求められる新規データの検討と更なる利活用のための基盤を強化する必要がある。
公開日・更新日
公開日
2024-07-01
更新日
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