医療安全地域連携加算等による医療経済・医療安全上の影響の検証と効率的かつ効果的な体制構築に向けた研究

文献情報

文献番号
202301003A
報告書区分
総括
研究課題名
医療安全地域連携加算等による医療経済・医療安全上の影響の検証と効率的かつ効果的な体制構築に向けた研究
課題番号
23AA1001
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
種田 憲一郎(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 後 信(九州大学病院 医療安全管理部)
  • 北村 温美(大阪大学医学部附属病院 中央クオリティマネジメント部)
  • 此村 恵子(国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター)
  • 辰巳 陽一(近畿大学病院 安全管理センター 医療安全対策部)
  • 中島 勧(埼玉医科大学 医学部)
  • 水野 篤(聖路加国際大学 急性期看護学)
  • 宮崎 浩彰(関西医科大学 医療安全管理センター)
  • 森井 康博(国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター)
  • 安田 あゆ子(名古屋大学医学部附属病院 医療の質・安全管理部)
  • 山口 悦子(中上 悦子)(大阪公立大学 大学院医学研究科/医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
6,928,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成29年の医療法改正で追加された特定機能病院間のピアレビュー、そして、平成30 年に新設された「医療安全対策地域連携加算」により、医療機関間の医療安全の連携が可能となったが、これらの連携による医療経済や医療安全の観点での効果は明らかにされていない。また超高齢化社会を迎え介護現場の医療安全の強化も喫緊の課題である。そこで本研究課題では、医療経済学及び医療安全学の観点から、医療安全対策地域連携加算や特定機能病院間のピアレビューによる効果を検証し、効率的かつ効果的な医療安全の連携体制の構築(介護施設等含む)に向けた提言を行う。研究1年目である令和5年度には、①既存の様々な医療安全の地域連携体制(介護施設等含む)及び特定機能病院間のピアレビューの担当者の同定、②同定された地域連携体制及びピアレビューの運用実態・効果・課題等の抽出を行い、同時に、③医療経済学的評価方法の検討を行った。
研究方法
本研究で求められる様々な医療機関等の医療安全の連携を調査・分析するための包括的かつ多面的な視点で取組む研究体制とした。とくに特定機能病院は大きく2つのグループ「国公立大学病院」と「私立大学病院等」があり、それぞれの運営事務局担当者に加えて、様々な特定機能病院(国立大学、公立大学、私立大学、県立病院、民間病院)の視点から研究に貢献する体制とした。地域における医療安全の連携に関しては、先進的な取組みを既に実施している4つのネットワークの各担当者、1つの公的病院団体の担当者、医療・介護の連携においては2つのグループ各担当者の協力を得て、情報収集及び分析・検討を行った。調査の統一性・効率性を確保するためにサブチームのリーダーを決め、グループ毎に事前の調整も行なった。
結果と考察
研究班員の関わる医療安全の様々な連携を中心にレビューし、医療安全の連携には大きく3つの類型があることが示唆された。具体的には、必ずしも「より安全」になる仕組みづくりだけでなく、一定水準の医療安全体制が維持できているかの確認や医療安全担当者の相互支援や様々なスキル向上などがあった。とくに後者は行政の立入検査、第三者機関の認定、外部監査などでは得られない重要な目的となっていた。医療安全の取組みは、様々な規模・機能の医療機関・介護施設がともに関心をもって、ともに学ぶことが可能である。一方で各現場での実践においては共通した学びから応用するスキルが必要である。医療安全に関する取組みのノウハウは、規模の大きい医療機関においてより多く蓄積されている傾向があるが、より専門的な小規模医療機関・介護施設から学んで活用し得るノウハウも少なくないと考えられる。相互に安心して学びあえる場、心理的安全性の担保を創る工夫が不可欠である。これらを考慮した上で、連携の成果を測る際の視点として、医療安全の効果については大きく3つの視点、そして費用対効果に関しては、費用を検討する上で3つの分析の立場があることを考慮する必要がある。
結論
研究 2 年目は、研究 1 年目に得られた現状把握のデータに加えて、引き続き施設同士、及び医療・介護の連携における医療安全対策の取組みについて情報収集を行う。そして医療安全上の効果を含む医療経済学的評価の分析を実施し、その結果をもとにモデルとなる医療安全の連携体制(介護施設等含む)の検討・提示を行う。このとき連携を推進する医療安全上の技術的助言支援ツールも作成する。

公開日・更新日

公開日
2024-10-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2024-10-28
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202301003Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
6,928,000円
(2)補助金確定額
5,874,000円
差引額 [(1)-(2)]
1,054,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,399,387円
人件費・謝金 734,830円
旅費 398,710円
その他 1,341,796円
間接経費 0円
合計 5,874,723円

備考

備考
自己負担額 723円

公開日・更新日

公開日
2024-09-25
更新日
-