上肢切断者のQOL尺度開発と電動義手のリハビリテーション手法の開発、および電動義手の適切な支給の促進に関する研究(21240201)

文献情報

文献番号
200929021A
報告書区分
総括
研究課題名
上肢切断者のQOL尺度開発と電動義手のリハビリテーション手法の開発、および電動義手の適切な支給の促進に関する研究(21240201)
課題番号
H21-障害・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
飛松 好子(国立障害者リハビリテーションセンター病院・研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
1,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
肢切断者の生活実態調査を行い、生活の中での義手の使われ方を明らかにする。その調査を通じて上肢切断者のQOL尺度を開発する。開発した尺度は英訳し国際版を作製する。
機能とコスメーシスの両者を満たすものとして始まった電動義手の研究的支給も利用し、切断者の協力を得て電動義手の効率のよい医学的リハビリテーションの手法を開発する。生活実態調査、QOL調査から電動義手の適切な適応について明らかにする。以上を目的とする。
研究方法
)実態調査研究(1年目)
センター補装具制作部に登録された上肢切断者、および、その他の施設で義手を作っている上肢切断者100人程度を対象とし、健康関連QOL尺度であるSF36を使ったQOL調査、その他、過去において応募者が開発したPEQJ(下肢切断者のためのQOL尺度)を利用した切断者独自のQOLに関わると思われる項目の探索、FIMなどを使ったADL調査を行う。
2)電動義手の効率のよい医学的リハビリテーションの手法の開発(1~2年目)
センターに入院する上肢切断者やその他の上肢切断者をボランティアとして募り、電動義手使用に必要な筋肉の分離収縮に早期に習熟できるような機器を使用し、分離運動学習の神経機構などを明らかにする。
3)QOL尺度の信頼性、妥当性の検証と適切な支給法の開発(2~3年目)
実態調査の基づいた上肢切断者のQOL尺度の開発とその妥当性、信頼性を明らかにする。英語版を作製し国際尺度として国際的に提案する。開発したリハビリテーション手法の有効性について検証する。生活実態調査、QOL調査から電動義手の適切な適応について明らかにする。

結果と考察
今年度は初年度であり、到達点はアンケートの作成と送付、臨床データの蓄積、上肢切断のリハビリテーション、電動義手のリハビリテーションを行ったに過ぎないが、今後の進捗により目的を達成することは難くない。
結論
(1)期待される成果として
①上肢切断者の生活実態、義手の使用実態が明らかになること。
②上肢切断者のQOL尺度ができること。
③電動義手のリハビリテーション手法が改善すること。
④電動義手の適応が確定されること。
⑤電動義手の適切な支給がなされるようになること。
(2)間接的に期待される社会的成果
①福祉予算の適切な執行がなされるようになると期待されること。
②福祉用具の公平な支給が期待されること。
③QOL尺度が今後利用可能となること。
が期待される。

公開日・更新日

公開日
2010-09-22
更新日
-