認知神経科学的アプローチによる精神神経疾患に対する偏見の実態調査と偏見軽減に関する研究

文献情報

文献番号
200929018A
報告書区分
総括
研究課題名
認知神経科学的アプローチによる精神神経疾患に対する偏見の実態調査と偏見軽減に関する研究
課題番号
H20-障害・一般-011
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 英彦(独立行政法人 放射線医学総合研究所 分子イメージング研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 大久保 善朗(日本医科大学)
  • 加藤 元一郎(慶應義塾大学)
  • 松浦 雅人(東京医科歯科大学)
  • 竹村 和久(早稲田大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
9,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本年度は、前年度に明らかになった精神疾患に対するネガティブな潜在的態度形成の認知神経メカニズムを調べることを目的とした。
研究方法
健常者を対象に統合失調症と高血圧に関連する単語を読んだ時の脳活動をfMRIを用いて調べた(課題1)。 続いて、統合失調症と高血圧をターゲット概念として、犯罪者という属性と結び付ける潜在的態度をImplicit Association Test(IAT)を用いて測定し、IAT課題施行中の脳活動も測定した(課題2)。
結果と考察
課題1において精神疾患に関連する単語を見たときには身体疾患に関連する単語を見たときと比べて恐怖の中枢である扁桃体が強く反応した。課題2における潜在的な態度に関連する脳活動として前部帯状回が賦活した。さらに課題1の扁桃体の活動が高い人ほど、課題2における精神疾患と犯罪との潜在的結びつけが高いことが示された。潜在的態度形成に関連する認知神経学的検討の結果、精神疾患に対する潜在的な態度形成には恐怖という感情が重要な役割を担っていることが示唆された。
結論
一般市民に対しては精神疾患に対する恐怖のイメージを軽減することがネガティブな態度の軽減につながる可能性があることが示唆された。

公開日・更新日

公開日
2010-05-25
更新日
-