青年期・成人期の発達障害者に対する支援の現状把握と効果的なネットワーク支援についてのガイドライン作成に関する研究

文献情報

文献番号
200929015A
報告書区分
総括
研究課題名
青年期・成人期の発達障害者に対する支援の現状把握と効果的なネットワーク支援についてのガイドライン作成に関する研究
課題番号
H20-障害・一般-008
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 直司(山梨県立精神保健福祉センター)
研究分担者(所属機関)
  • 志賀 利一(社会福祉法人電機神奈川福祉センター)
  • 塚本 千秋(独立行政法人岡山県精神科医療センター)
  • 鳥海 順子(山梨大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、発達障害者支援センターと精神保健福祉センターにおける相談支援ケースを中心に、現在、実践されている高機能の発達障害者へのネットワーク支援の現状と課題を明らかにするとともに、青年期・成人期の発達障害者への効果的なネットワーク支援の方法論を示すガイドラインの作成を目的としている。
研究方法
主任研究班では、ガイドラインの構成案、及び、ガイドラインにおいて紹介する支援事例の収集方法と倫理的配慮について検討した。分担研究としては、志賀班では、就労に関する直接支援を実施している発達障害者支援センター6ヶ所の利用者について調査を実施し、生活実態の類型とそれぞれの支援ニーズ、障害者手帳の取得状況などの関連について検討した。塚本班では、青年期・成人期において比較的良好に社会適応しているケースを対象として、どのような危機状況を、どのように乗り越えてきたのかという視点を中心としたライフストーリー研究を実施した。鳥海班では、発達障害者の就労支援に取り組む支援機関・支援者について情報収集と、養育者を対象としたインタビューにより、おもに高等学校と福祉分野の支援機関とのネットワーク支援のあり方について検討した。
結果と考察
青年期・成人期ケースの支援においては、多くの関係機関・職種の貢献が必要であり、各分野の専門家が参照できるような支援ガイドラインが求められている。本研究班の中心的な研究課題は、「高機能の発達障害者が青年期・成人期において、どのような生活ニーズを有し、それらに対して、どのような機関が、どのような方法で支援できるのか、また、どのようなネットワーク支援が可能なのか」といった全体像と詳細を明らかにすることである。また、その前提として、機関連携・ネットワーク支援の概念整理が重要である。事例集も本ガイドラインの核心部の一つであり、事例の収集と掲載にあたって慎重な倫理的配慮が求められる。平成22年度は、事例収集・掲載の方法論を確定し、本格的に事例の収集を始める。また、汎用性の高いガイドラインを作成するために、関係機関・団体との意見交換を積極的に行う予定である。
結論
青年期・成人期の発達障害者へのネットワーク支援に関する支援ガイドラインの作成に向けて、生活・支援ニーズと支援のあり方を検討すること、医療、保健、福祉、教育、就労、司法などのネットワーク支援の現状を把握し、それぞれの分野における役割と課題を整理することなどに取り組んだ。ガイドラインにおいて先駆的なネットワーク支援のモデル事例を提示するために、事例収集の方法論と倫理的配慮について、とくに慎重に検討した。

公開日・更新日

公開日
2010-05-25
更新日
-