身体障害者福祉法における今後の障害認定のありかたに関する研究

文献情報

文献番号
200929002A
報告書区分
総括
研究課題名
身体障害者福祉法における今後の障害認定のありかたに関する研究
課題番号
H19-障害・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
岩谷 力(国立障害者リハビリテーションセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 柳澤信夫(東京工科大学片柳研究所)
  • 伊藤利之(横浜市リハビリテーション事業団)
  • 江藤文夫(国立障害者リハビリテーションセンター更生訓練所)
  • 寺島 彰(浦和大学総合福祉学部)
  • 玉川 淳(国立障害者リハビリテーションセンター研究所障害福祉研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
2,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 障害者自立支援法の成立により、身体障害者福祉法に規定されたいた障害福祉サービスは、障害者自立支援法に基づき実施されることとなった。かかる状況において、日常生活能力の回復の支援、日常生活の自立支援、福祉的就労の支援、職業的自立の支援などのリハビリテーションを想定しながら、身体障害認定制度のあり方について調査研究する。
研究方法
 1)横浜市が平成10年度、20年度の身体障害者手帳(肢体不自由)の新規交付人数、年齢別割合の比較、2)平成21年11月の新規手帳交付件数、年齢割合、原因疾患の後方視的調査、3)手帳取得の動機、目的等に関するアンケートを実施するとともに、障害団体の会員を対象として、手帳の提示で利用できるサービスの周知度と利用状況に関するアンケート調査、手帳を所持することで享受し得る便益のモデル的推計を行った。
結果と考察
 高齢者の身体障害者手帳の新規交付が増加していた。また、手帳取得の目的は、医療費の軽減や手当の申請、交通機関の利用が多かった。サービスの利用状況に関する調査では、鉄道旅客運賃割引、公共施設割引等が周知度も高く、利用も多かった。肢体不自由1級の手帳所持者では、年間約23万円の便益を受け得るものと推計された。
結論
 障害の捉え方が医学モデルから社会モデルに発展している今日、医療ニーズの他に、社会の障壁により生じている活動制限、参加制約をどのように捉え、どのようなニーズがあるのか、それらの判定に役立つ障害等級が認定が可能であるか検討が必要である。

公開日・更新日

公開日
2010-05-25
更新日
-

文献情報

文献番号
200929002B
報告書区分
総合
研究課題名
身体障害者福祉法における今後の障害認定のありかたに関する研究
課題番号
H19-障害・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
岩谷 力(国立障害者リハビリテーションセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 柳澤信夫(東京工科大学片柳研究所)
  • 伊藤利之(横浜市リハビリテーション事業団)
  • 江藤文夫(国立障害者リハビリテーションセンター更生訓練所)
  • 寺島 彰(浦和大学総合福祉学部)
  • 玉川 淳(国立障害者リハビリテーションセンター研究所障害福祉研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 障害者自立支援法の成立により、身体障害者福祉法に規定されたいた障害福祉サービスは、障害者自立支援法に基づき実施されることとなった。かかる状況において、日常生活能力の回復の支援、日常生活の自立支援、福祉的就労の支援、職業的自立の支援などのリハビリテーションを想定しながら、身体障害認定制度のあり方について調査研究する。
研究方法
 以下に掲げる調査研究を実施した。
1.障害認定の現状の課題整理
2.自立支援に必要となるサービスの種類と量の推定
3.障害福祉政策における身体障害者福祉法の障害認定の意義の検討
4.脳卒中者の自立支援サービス利用実態調査
5.英国の雇用・生活支援手当制度の調査
6.肢体不自由の障害程度認定に関する調査
7.身体障害者の福祉サービス利用に関するアンケート調査
8.手帳所持による経済的便益の推計
結果と考察
 障害認定の方法については、法令で規定される基準の判定方法が時代遅れとなっていること、認定のあり方については、身体障害者福祉法における障害認定の目的と手帳所持者の手帳利用目的が乖離し、障害認定は税金減免、医療費補助、公共料金や旅客運賃の割引のために利用されていることが明らかとなった。
 後方視的調査で、障害等級は機能訓練、生活訓練量にある程度関連するが、自立支援に必要なサービスの種類と量の前方視的な推計は困難なことが判明した。
 高齢者の障害者手帳の新規交付が増加していた。
 手帳所持により肢体不自由1級で年間約23万円の便益を受け得るものと推計された。
 
結論
 障害認定の方法については、医学の進歩による診断技術を適用することで対処できるものと考えられる。
 もっとも、身体障害者福祉法の障害等級は機能障害の重症度を基準として障害を医学モデルで捉えた体系であり、障害の捉え方が社会モデルに発展し、当時者のニーズも医学的ニーズから社会的ニーズ、社会参加保障、権利保障へと拡大する中で、それらのニーズの判定に役立つような障害等級認定がかのうであるのか検討を進めることが必要である。

公開日・更新日

公開日
2010-05-25
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200929002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
 身体障害者福祉法の障害等級は機能障害の重症度を基準としており、障害を医学モデルで捉えた体系である。障害の捉え方が医学モデルから社会モデルに発展する中で、当事者のニーズの判定に役立つ障害等級に再構成するための基盤となる情報を整理することができた。
臨床的観点からの成果
 脳卒中リハビリテーションにおける自立支援施設の役割を明らかにすることができた。
ガイドライン等の開発
 身体障害認定基準及び認定要領の改善に不可欠な知見を提供することができた。
その他行政的観点からの成果
 障がい者制度改革について検討が進められているが、議論の参考となるべき関係する知見を整理することができた。
その他のインパクト
 シンポジウム「身体障害認定が抱える課題と今後の認定制度のあり方」(平成22年2月27日、学術総合センター)を開催した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-29
更新日
2017-05-23