糖尿病患者における心血管イベント発症に関する後ろ向きコホートに関する研究

文献情報

文献番号
200928006A
報告書区分
総括
研究課題名
糖尿病患者における心血管イベント発症に関する後ろ向きコホートに関する研究
課題番号
H21-糖尿病等・一般-004
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
林 登志雄(名古屋大学医学部附属病院 老年内科)
研究分担者(所属機関)
  • 川嶋 成乃亮(済生会中津病院)
  • 渡邉 裕司(浜松医科大学医学部臨床薬理学)
  • 服部 良之(獨協医科大学医学部・内分泌・代謝学)
  • 大類 孝(東北大学大学院医学系研究科・老年科学)
  • 横手幸太郎(千葉大学大学院医学研究院・分子内科)
  • 吉栖 正生(広島大学大学院医歯薬研究科・循環病態学)
  • 曽根 博仁(筑波大学大学院 人間総合科学研究科)
  • 久保田 潔(東京大学大学院医学研究科・薬剤疫学)
  • 荒木 厚(東京都健康長寿医療センター)
  • 梅垣 宏行(名古屋大学医学部附属病院・老年内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 糖尿病戦略等研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我々は16-18年度厚労省総合研究事業「各種高脂血症薬の糖尿病合併心血管病の発症進展予防効果」(井口前名大病院長班長)を施行した。全国12機関,40関連病院より自立2型糖尿病患者4014名を登録し、19年春2年経過時まで虚血性心疾患(IHD)、脳血管障害(CVA)の発症,入院等を評価した。このコホート研究を後ろ向きに初診時からデータ ベース化し本邦最大規模の糖尿病研究として完遂させ登録することが目的である。
研究方法
内分泌, 循環器,老年科,臨床薬理学,薬剤疫学,医療経済学の専門家が参加, 心血管障害,生活習慣因子(脂質,血圧等) 及び治療経過(糖尿病等)を年代別(45-84歳まで),性別に分析する。班員の東大薬剤疫学久保田教授に御提言頂いたケースコホート研究を施行し、オッズ比、ハザード比も算定している。当該年度は初診年度の調査を行うと共に平成19,20年度のイベント発症記録を後ろ向きに検討し86%の回収を得た。20年度までのイベント発症例180名とサブコホートの一部120名につき、3大合併症、血管合併症を含む,詳細調査を施行した。 安全管理モニターを名大,浜医大2名の教授にお願いした。
結果と考察
10月までに平成20年度までのイベント記録、初診時の記録等を全参加施設から約86%の回収率で得た。コントロール研究の対象者をランダムに選定し、過去5年間のイベント記録と合わせ、各施設で調査を進めた。国立国際医療センター糖尿病情報センターのソフト開発者を加え検討した。当初2年間の成績からIHDに対し低HD L-C及び高LDL-C血症は、65歳未満にて有意な危険因子で、CVAには75歳以上で危険因子であった。インスリン使用とIHD,CVAのリスクも年代で有用性、危険性が相反する可能性が示唆される。分担研究では浜医大より臨床研究データベースシステムを用いたスタチンとHbA1C値について、獨協医大より2型糖尿病患者内皮機能におけるスタチンの効果につき報告を頂いた。筑波大より2型糖尿病患者の冠危険因子としてNon-HDL-CやLDL-C/HDL-C比等の有用性が,東北大,名大よりアルツハイマー病患者や認知機能の検討結果が報告された。中津病院から心不全とNOとの関連が報告された。
結論
本研究は7年間の詳細調査にもとづく大規模臨床研究となり、心血管病発症数等において本邦最大の、そして高齢者に有用な成績を得られる研究になる可能性が確認された。今後、男女,年代別評価を更に進める事が期待される。

公開日・更新日

公開日
2015-10-07
更新日
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