健康増進施策推進・評価のための健康・栄養モニタリングシステムの構築

文献情報

文献番号
200926054A
報告書区分
総括
研究課題名
健康増進施策推進・評価のための健康・栄養モニタリングシステムの構築
課題番号
H21-循環器等(生習)・一般-010
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
吉池 信男(公立大学法人青森県立保健大学 健康科学部栄養学科)
研究分担者(所属機関)
  • 伊達 ちぐさ(奈良女子大学生活環境学部)
  • 徳留 裕子(名古屋学芸大学管理栄養学部)
  • 広田 直子(松本大学人間健康学部)
  • 福井 充(大阪市立大学大学院医学研究科)
  • 田嶼 尚子(東京慈恵会医科大学内科学)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院人材育成部)
  • 中村 雅一(大阪府立健康科学センター脂質基準分析室)
  • 由田 克士(国立健康・栄養研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
22,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
健康増進施策を国及び都道府県等各自治体で効果的に推進するためには、対象住民の健康・栄養状態を継続的にモニタリングすることが必須である。調査協力率の向上及び都道府県レベルでのデータ活用の充実を目指して、従来実施されてきた国及び都道府県健康・栄養調査の手法を見直すために必要な検討を行うことを目的とした。
研究方法
1)対象者の抽出方法及び協力の依頼方法、2)データ収集の枠組み、3)血液等の検査及び各調査の標準化手法、4)簡便な食事調査手法、5)新たな調査設計に対応した統計学的手法、6)調査データの都道府県健康増進計画への有効活用に関して検討及び開発を行う。特に食事調査については、食生活の中心が家庭から、外食やいわゆる「孤食」へと変化する中で、現在の家庭ごとの「秤量記録法」には限界があると言われている。そこで、調査対象者の負担を軽減して協力率を上げ、同時に調査精度を保つことを目的に、24時間思い出し法に携帯電話のデジタルカメラ機能を活用した新たな方法(「携帯電話法」)を開発する。
結果と考察
対象者の抽出方法及び協力依頼の方法について、ある自治体で実施された調査において実証的に検討した。集団の摂取量評価のために必要な複数日調査を行った場合の分析方法について検討を行い、データ処理ソフトウェアの開発を進めた。都道府県健康・栄養調査データの縦断的な解析を行うためのデータベース及び解析方法を開発・検討した。糖尿病及びメタボリックシンドロームの主要指標であるHbA1cについて標準化及び精度管理手法を検討した。さらに、国民健康・栄養調査において平成6年以降14年間分析に使われてきた機器の切り替えに伴う標準化手法の検討を行うとともに、必要な技術的対応を行った。「携帯電話法」について、多施設での検証作業を行うため、対象者、面接者、データ処理担当者に対するマニュアルを作成し、40?59歳の男性を対象として調査を開始した。
結論
従来実施されてきた国及び都道府県健康・栄養調査の手法を見直すために必要な事項を本年度から検討を開始した。特に食事調査方法について、より簡便で従来と整合性のもてる調査手法を開発し、具体的な方法を提示することは、これからの健康・栄養モニタリングシステムを再構築する上で、大きなステップアップとなることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2010-09-24
更新日
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