わが国の生活習慣病における一次予防のための運動基準策定を目的とした大規模介入研究

文献情報

文献番号
200926053A
報告書区分
総括
研究課題名
わが国の生活習慣病における一次予防のための運動基準策定を目的とした大規模介入研究
課題番号
H21-循環器等(生習)・一般-009
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
下川 宏明(東北大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 福本 義弘(東北大学 病院)
  • 代田 浩之(順天堂大学 大学院医学系研究科)
  • 北風 政史(国立循環器病センター 循環器内科)
  • 松崎 益徳(山口大学 大学院器官制御医科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我々は、過去3年間の厚生労働省科研費研究(平成18〜20年度)により、大規模かつ詳細な生活習慣病患者データベース(1万人登録)を確立した。本研究では、この大規模コホートを用いて、日本人の生活習慣病における一次予防に必要な運動基準策定を目指した大規模介入研究を行うことを目的とし、当研究期間内において、生活習慣病における身体活動量と予後との相関を明らかにし、運動療法介入による生活習慣病の改善の有無を検討する。
 
研究方法
対象患者:参加施設およびその関連施設において既に生活習慣病の登録観察研究を行っている20歳以上の患者。文書による同意の得られる患者はすべて登録対象とする。目標症例数は10,000例で既に10,000例の登録が終了している。
登録時調査(21年度):
以下の8項目について登録する。
① 年齢、性別、身長、体重、腹囲
② 生活習慣病の合併の程度
③ 合併症疾患の有無
④ 症状の重症度
⑤ 心機能評価
⑥ 治療内容 
⑦ 身体活動能力
⑧ 身体活動量評価(健康づくりの運動指針2006より)
この評価では、「身体活動」「運動」「生活活動」を身体活動の強さの単位である「メッツ」に身体活動の実施時間を掛けた「エクササイズ(Ex)」(=メッツ・時)を用いて評価する。
結果と考察
本年度は上記項目を登録し、身体活動量が不十分な症例には、その都度主治医が運動療法の介入を行っている。現時点で上記項目①から⑦は全例で登録が終了しており、上記項目⑧に関しては3,000例の登録が終了している(更に更に登録を継続・追加中である)。
 
結論
現在、我が国では、食生活の欧米化や運動不足に伴い、メタボリックシンドロームを始めとする生活習慣病の頻度が増加の一途をたどっている。さらに超高齢化社会を迎えており、生活習慣病を原因とする心血管病患者数の増加、頻回の入退院、それに伴う多種類の薬剤の併用は医療費の高騰を引き起こしており、心血管病に対する効果的・効率的予防治療法の確立は、大幅な医療費抑制効果が期待される。従って本研究は、実際の医療を担当する医師ばかりでなく、厚生労働行政にも有用な情報を提供し、最終的には国民の保険、医療、福祉の向上に貢献することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2010-05-24
更新日
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研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2011-02-01
更新日
-