動脈硬化性疾患の危険因子の性差と予防に関するコホート研究

文献情報

文献番号
200926044A
報告書区分
総括
研究課題名
動脈硬化性疾患の危険因子の性差と予防に関するコホート研究
課題番号
H20-循環器等(生習)・一般-025
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
内藤 博昭(国立循環器病センター 放射線診療部)
研究分担者(所属機関)
  • 友池 仁暢(国立循環器病センター 病院長)
  • 後藤 葉一(国立循環器病センター心臓血管内科)
  • 宮本 恵宏(国立循環器病センター 臨床研究開発部・動脈硬化代謝内科部門)
  • 筒井 裕之(北海道大学大学院医学研究科 循環器病態内科学)
  • 久保田 功(山形大学医学部 器官病態統御学講座 循環・呼吸・腎臓内科学)
  • 吉村 道博(東京慈恵会医科大学 循環器内科学)
  • 鄭 忠和(鹿児島大学大学院 循環器・呼吸器・代謝内科学)
  • 池田 智明(国立循環器病センター 周産期治療部)
  • 岡村 智教(国立循環器病センター 予防検診部)
  • 河野 雄平(国立循環器病センター 内科高血圧・腎臓病部門)
  • 吉政 康直(国立循環器病センター 動脈硬化代謝内科部門)
  • 斯波 真理子(国立循環器病センター 研究所 バイオサイエンス部門)
  • 東 将浩(国立循環器病センター 放射線診療部)
  • 嘉田 晃子(国立循環器病センター 病因部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
NADESICO研究(Nationwide Gender-based Atherosclerosis Determinants Estimation and Ischemic Cardiovascular Disease Prospective Cohort Study)は、冠動脈CT検査による冠動脈内腔狭窄・動脈壁性状指標(プラークの有無とサイズ、石灰化、含有脂質量等)を共通検査項目として、女性の冠動脈内腔狭窄・動脈壁性状指標の関連因子を明らかにすることを主要目的としている。さらにそのコホートを追跡することにより冠動脈狭窄・冠動脈石灰化を有する女性の予後を明らかにする。
研究方法
本研究は北海道大学、山形大学、東京慈恵会医科大学、国立循環器病センター、鹿児島大学を登録拠点施設とし冠動脈マルチスライスCT検査を受けた女性1,000人以上と男性1,000人以上からなる冠動脈疾患を疑われた患者を対象とする前向きコホート研究である。登録時評価項目は冠動脈CT検査、臨床情報、喫煙・食事内容・運動量に関する評価、女性に特有な因子に関する評価であり、動脈硬化関連バイオマーカー測定の為の血清サンプルを収集する。さらに、1年後、2年後、3年後に発症イベントの有無を確認する。
結果と考察
登録拠点施設は北海道大学、山形大学、東京慈恵会医科大学、国立循環器病センター、鹿児島大学の5施設であり、倫理委員会の承認をうけ、拠点施設を含める11施設で登録を開始した。2010年3月24日時点で505名を登録した。2009年10月末までの症例では、冠動脈疾患が疑われる男女ほぼ同数が登録されていた。石灰化スコアの分布は、男性65歳以上で60.6(0-5444.5)[中央値(範囲)]と高く、女性64歳未満では0(0-464.3)と低く、石灰化ありの症例(Agatston score=0)は男性では100人(76%)、女性では64人(52%)であった。まだ目標症例数2000名の登録を完了していないが、22年度3月末には1200名以上の症例数が見込まれる。
結論
症例数が1200例前後となることも予想されるが、心血管イベントの発症率により十分な検出力が得られることがわかった。しかし、さらに参加施設の増数とリクルート体制の強化によりコホート作成達成とその時間の短縮を目指す。

公開日・更新日

公開日
2010-05-27
更新日
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