各種健診データとレセプトデータ等による保健事業の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200926033A
報告書区分
総括
研究課題名
各種健診データとレセプトデータ等による保健事業の評価に関する研究
課題番号
H20-循環器等(生習)・一般-014
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
水嶋 春朔(横浜市立大学 大学院 医学研究科 情報システム予防医学部門)
研究分担者(所属機関)
  • 大重 賢治(横浜市立大学 大学院 医学研究科 情報システム予防医学部門)
  • 佐藤 敏彦(北里大学 医学部附属北里臨床研究センター 企画開発部門)
  • 島 健二(医療法人川島会 川島病院)
  • 島袋 充生(琉球大学 医学部附属病院 第二内科)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院 人材育成部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
20,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、医療保険者が管理する特定健診データ、特定保健指導データとレセプトデータを突合して経年的なデータを分析することにより、特定健診受診対象者の現状把握、健診項目や疾病が医療費に一番影響を及ぼしていて、それは予防可能か、どのような対策が最も効果が期待できるかについて詳細な検討をする。
研究方法
数団体の市町村国民健康保険、企業の健康保険組合の健診・保健指導データとレセプトデータを個人単位で突合したデータセットを構築する。その上で、性・年齢階級別の健診データの評価に基づき、保健指導対象者を選定し、腹囲・内臓脂肪を減少させるための効果的な保健事業(予防教育プログラム)を開発し、健診データの改善等から糖尿病等の生活習慣病有病者・予備群をどの程度予防できるのか、レセプトデータから生活習慣病に関する医療費どの程度削減できるのかを予測する。
結果と考察
1.特定健診・保健指導の評価におけるレセプト分析の可能性と課題、2.生活習慣病ならびに心臓血管イベントの発症リスク解析と系統的拾い上げシステムの構築、3.特定健診における受診勧奨者の医療機関への受診促進の試み、4.特定健診および特定保健指導事業の効果に関する調査-初年度と次年度の比較、5.各種健診データとレセプトデータ等による保健事業の評価のためのデータ分析手法の開発、6.保健指導教材をベースにした保健指導実施者用管理システムの開発、7.ポピュレーションアプローチのためのスライドショー式情報提供ツールの開発と評価に取り組んだ。また調剤レセプト上の調剤情報を分析するシステムの開発を行い、特定健診データとレセプトデータを突合させる標準的な手法についててびきにまとめ、本報告書資料として収載した。
結論
特定健診・保健指導の評価におけるレセプト分析を行うにあたっては、傷病名および診療行為の標準化と、連結可能匿名暗号化が不可欠である。40歳代以上では、生活習慣病のレセプトへの出現頻度は加速度的に上昇し、また糖尿病合併症も遅れて上昇する傾向が認められた。合併症を評価にアウトカムとする場合には、数千人以上の母集団の人数が必要と思われる。健診未受診者では、一次検診および二次健診受診者の何れに比較しても、全死亡が多い。レセプトのさらに詳細な分析による原因疾患の特定、死亡小表による死因の確認が重要な課題である。

公開日・更新日

公開日
2010-05-27
更新日
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