特定保健指導のアウトソーシング先に対する「保健指導の質の評価ガイド」を利用した質の管理・促進に関する研究

文献情報

文献番号
200926031A
報告書区分
総括
研究課題名
特定保健指導のアウトソーシング先に対する「保健指導の質の評価ガイド」を利用した質の管理・促進に関する研究
課題番号
H20-循環器等(生習)・一般-012
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
森 晃爾(産業医科大学 産業医実務研修センター)
研究分担者(所属機関)
  • 石原逸子(日本赤十字九州国際看護大学)
  • 鳩野洋子(九州大学大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
5,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
先行研究で開発した質の高い業者を選定するための「保健指導の質の評価ガイド」が活用され、保健指導サービスの質が確保されるためには、保健指導を提供する保健指導サービス機関や市町村における品質管理が体系的に行われる必要がある。このような課題を解決するための各種支援ツールの開発と推進方略の検討を目的とした。
研究方法
保健指導サービス機関を対象に、保健指導サービス品質管理システムの導入支援に関するモデル事業を行った。市町村についても、同様のモデル事業を実施した。また、市町村の特定保健指導の質の管理における保健所の役割とそれが発揮される条件を検討するために、県型保健所保健師に対してグループインタビューを実施した。品質管理のためのマネジメントシステムにおけるもっとも強力な改善機会になる内部監査のあり方について詳細に検討した。また、事業所、健診機関の保健師に対し「保健指導実践者のコンピテンシーに関する質問紙」による調査を行った。
結果と考察
保健指導サービス機関でのモデル事業では、システムの導入によって品質管理の取り組みが継続的に改善することが確認されるなど、本支援プログラムの有効性が認められた。知見をもとに、「保健指導サービス品質管理システム導入支援ガイド」を完成させた。市町村についてもモデル事業を通じて、自治体向けの同ガイドを完成させた。県型保健所保健師に対してグループインタビューでは、保健所保健師は市町村へ特定保健指導の質の管理に関わることを役割として捉えるものの、人員不足等のいくつかの課題の存在が明らかになった。また、保健指導実践者の行動特性の実際とコンピテンシーに着目した研修計画ガイド(案)を策定した。
結論
有効な保健指導サービスが提供されるためには、プログラムの品質と人材の品質の両方が向上しなければならない。そのためには、今回開発した「保健指導サービス品質管理システム導入支援ガイド」が活用されることが望まれ、そのための誘因と評価の仕組みとして第三者評価とそれに伴う認証の仕組みに関する基準や制度、導入手法の検討が必要と考えられた。また、地域においては、質の向上のための研修の推進及び県もしくは、国のレベルで質の管理の活動に対する位置づけが行われること、保健所の役割の明確化が行われること等の方策が必要と考えられた。保健指導実践者の資質は、知識・技術に加えてコンピテンシーに着目した研修が必要と考えられ、今後、更なる検討と研修プログラムの開発が必要と考えられた。

公開日・更新日

公開日
2010-10-14
更新日
-

文献情報

文献番号
200926031B
報告書区分
総合
研究課題名
特定保健指導のアウトソーシング先に対する「保健指導の質の評価ガイド」を利用した質の管理・促進に関する研究
課題番号
H20-循環器等(生習)・一般-012
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
森 晃爾(産業医科大学 産業医実務研修センター)
研究分担者(所属機関)
  • 石原逸子(日本赤十字九州国際看護大学)
  • 鳩野洋子(九州大学大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
先行研究で作成した「保健指導の質の評価ガイド」などのツールが活用され、特定保健指導の質が担保されるためには、保健指導サービス提供組織における質の管理の取組みを推進することが必要である。そのための各種ツールの開発と保健指導サービスの品質向上に向けた方略に関する提言を行うことを目的とした。
研究方法
保健指導サービス機関について、医療保健者等による特定保健指導の委託先選定の実態に関する調査および保健指導サービス品質管理システム導入支援のモデル事業と導入支援ガイドの開発を行った。また、市町村における質の向上に関する方策として、質の管理に関する実態調査、導入支援ガイドの開発および保健所の役割の検討を行った。保健指導実践者の資質向上のために、行動目標の明確化と保健指導実践者の資質向上のための研修計画ガイド(案)の策定を行った。
結果と考察
医療保険者や自治体に行った調査では、委託先の選定においては「保健指導の質」を重視していることが明らかになった。第三者評価機関を望む意見も多数を占めた。一方、特定保健指導を自前で実施している自治体では、個別の教育・研修計画や技術レベルの確認などの実施は不十分であった。モデル事業の結果、「保健指導サービス品質管理システム導入支援ガイド」(保健指導サービス機関版および自治体版)を完成させた。この過程において内部監査のあり方について詳細に検討した。さらに、県型保健所保健師に対するグループインタビューでは、保健所保健師は市町村へ特定保健指導の質の管理に関わることを役割として捉えていたが、推進のための障害要因も明らかになった。保健指導実践者の資質向上のために、キャリアコンピテンシーを表現し、さらに質問紙調査の結果をもとに研修計画ガイド(案)を策定した。
結論
有効な保健指導サービスが提供されるためには、プログラムの品質と人材の品質の両方が向上しなければならない。そのためには、今回開発した「保健指導サービス品質管理システム導入支援ガイド」が活用されることが望まれ、そのための誘因と評価の仕組みとして第三者評価とそれに伴う認証の仕組みに関する基準や制度、導入手法の検討が必要と考えられた。また、地域においては、質の向上のための研修の推進及び県もしくは国のレベルで質の管理の活動に対する位置づけが行われること、保健所の役割の明確化が行われること等の方策が必要と考えられた。保健指導実践者の資質は、知識・技術に加えてコンピテンシーに着目した研修が必要と考えられ、今後、更なる検討と研修プログラムの開発が必要と考えられた。

公開日・更新日

公開日
2010-10-14
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200926031C

成果

専門的・学術的観点からの成果
「保健指導サービス品質管理システム導入支援ガイド」の開発よって、自主的なシステム導入の取り組みが進むことが期待されるとともに、第三者評価制度の導入の際の技術的な指針になると考えられる。
臨床的観点からの成果
特記事項なし
ガイドライン等の開発
「保健指導サービス品質管理システム導入支援ガイド」に含まれる「保健指導品質管理システムガイドライン」は、品質管理のためのガイドラインとして用いることができる。
その他行政的観点からの成果
特記事項なし
その他のインパクト
国立保健医療科学院での研修会や、都道府県での研修会において、講演の中で紹介した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
3件
公衆衛生情報.2009; 39(5):44-46、 公衆衛生情報.2009; 39(6):48-50、 保健師ジャーナル.2009;65(6):470-476
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
4件
第83回日本産業衛生学会 3報、 日本地域看護学会第12回学術集会 1報
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-10-07
更新日
-