今後のたばこ対策の推進に関する研究

文献情報

文献番号
200926024A
報告書区分
総括
研究課題名
今後のたばこ対策の推進に関する研究
課題番号
H20-循環器等(生習)・一般-005
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
望月 友美子(国立がんセンター 研究所たばこ政策研究プロジェクト)
研究分担者(所属機関)
  • 片野田 耕太(国立がんセンター研究所がん対策情報センター)
  • 中村 正和(大阪府立健康科学センター 健康生活推進部)
  • 曽根 智史(国立保健医療科学院公衆衛生政策部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
8,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国のたばこ政策を巡る変化は著しく、WHOたばこ規制枠組条約(FCTC)、健康日本21や健康増進法、がん対策基本法、がん対策基本計画など、たばこ規制の方向に転換させる枠組みは急速に整ってきた。それに伴い、行政、NGO、研究のいずれの分野でも裾野が広がってきたが、国民の健康を守る「たばこ規制政策」を実現するための戦略基盤がまだまだ脆弱である。本研究は、政策根拠の継続的な供給体制と研究や事業の効果を増強するための連携体制の構築、その上に巨視的かつ中長期的展望を与え、将来のたばこ問題の構造を構想し、新たな政策展開を図るための戦略的基盤と強固な政策根拠の提供を目的としている。
研究方法
1.効果的なたばこ規制政策の戦略的実現に関する研究?公共的施設・職場に対する全面禁煙規制・分煙規制の規制影響評価に関する調査研究?
2.たばこの健康影響に関する新たな科学的証拠の創出ならびに系統的収集と情報共有基盤の構築に関する研究
(1)受動喫煙の人口寄与危険割合と3コホート併合解析(2)システマティックレビューによるたばこの健康影響に関する新たな科学的証拠の創出に関する研究-喫煙とメタボリック・シンドローム発症の関係についての文献的考察-(3)「たばこ・禁煙と健康」に関する情報の収集と提供についての検討(4)たばこと広告、メディア、スポンサーシップに関する予備的研究 (5) 審議会における政策形成の定量的分析の一試論 について、は前年度と同様の方法論で行った。
結果と考察
政策立案に必要な科学的証拠は我が国においては系統的に収集・評価・統合・提供できていないので、諸外国の膨大な科学的根拠から高品質の情報を迅速に提供する仕組みを作った。メタボリックシンドロームや受動喫煙など、政策上重要な分野において、独自の新たな科学的証拠を創出するために、集中して研究を進めるべきである。政策形成過程としては、財務省財政制度審議会の参与分析の結果を元に、審議会等の委員および所属機関の政策提言機能の意義についても検証したが、労働省及び地方(特に、神奈川県を例にして)における同様の分析を行う必要がある。
結論
 今年度の結果をもとに、我が国のたばこ政策という大きな枠組における政策形成に、いかなる積極的な関与をすることが、公衆衛生に資するたばこ政策の実現を可能にするか、を他の研究班や関係者・関係機関とともに検討していく。

公開日・更新日

公開日
2010-09-28
更新日
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