早期胃がん内視鏡切除症例のWebを用いたがん登録システムによる前向きがん登録に関する研究

文献情報

文献番号
200925078A
報告書区分
総括
研究課題名
早期胃がん内視鏡切除症例のWebを用いたがん登録システムによる前向きがん登録に関する研究
課題番号
H21-がん臨床・若手-022
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
小田 一郎(国立がん研究センター中央病院 内視鏡部)
研究分担者(所属機関)
  • 飯石 浩康(大阪府立成人病センター)
  • 小野 裕之(静岡県立静岡がんセンター 内視鏡科)
  • 近藤 仁(KKR札幌医療センター斗南病院)
  • 田邉 聡(北里大学医学部 消化器内科学)
  • 二宮 基樹(広島市立広島市民病院 外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
20,250,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
早期胃がんに対する内視鏡切除は広く普及してきたが、その実態、特に長期経過については、個々の施設からの報告にとどまりreferenceとなる前向き多施設データは存在しない。本班研究では、日本胃癌学会と共同で開発してきた「Web登録システム」を用い、早期胃がんに対する内視鏡切除症例を全国多施設において前向き登録し、その短期成績、長期成績を調査する「Web登録システムを用いた早期胃がん内視鏡切除症例の前向きコホート研究」を計画した。
研究方法
研究1年目の平成21年度においては、プロトコールの作成、登録施設の決定、プロトコールに従い「Web登録システム」の改修を行う。
結果と考察
作成したプロトコールの概要を以下に示す。平成22年6月(予定)から2年間、全国41施設において内視鏡切除施行予定の全ての胃がん病変あるいは胃がん疑い病変を対象に登録を行い、短期成績と長期成績の調査を行う。Primary endpointを5年生存割合、Secondary endpointsを一括切除割合、治癒切除割合、偶発症割合、局所遺残・再発割合、転移再発割合、異時性多発胃がんの発生割合、無再発生存期間、無転移再発生存期間、がん登録の評価とした。長期成績の解析では、高い追跡率が必要であるが、多施設・多症例での検討の場合、困難であることが多い。「Web登録システム」では、登録する際の個人情報保護や、長期成績未更新症例について各施設のメールアドレス宛に通知を自動送信するなど、多くの作業を自動化することにより、簡便に膨大な登録数に対応し、高い追跡率をもって登録を行えるようにした。しかし、「Web登録システム」を用いても内視鏡切除後に他施設で追跡される症例や、転居等で消息不明となる症例が存在すると推測され、特に予後が良く、死亡イベントの発生が低いと推測される早期胃がん内視鏡切除症例では、そのような症例が多いと思われる。本研究プロトコールでは、そのような症例も追跡するために、患者や他院への問い合わせ、さらには住民票照会、院内がん登録データとの照合、戸籍照会を行う体制を整えた。
結論
研究2年目以降、平成22年6月(予定)から、登録開始する。本研究成果により、前向きに登録された全国多施設データが得られる。さらに、「Web登録システム」は、あらゆる臓器、疾患、治療法にも応用可能であり、様々な分野での実態把握につながる可能性がある。

公開日・更新日

公開日
2010-06-08
更新日
-