がん化学療法後早期から療養の質を向上させる緩和ケア技術の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200925075A
報告書区分
総括
研究課題名
がん化学療法後早期から療養の質を向上させる緩和ケア技術の開発に関する研究
課題番号
H20-がん臨床・若手-022
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
小川 朝生(国立がんセンター東病院臨床開発センター精神腫瘍学開発部)
研究分担者(所属機関)
  • 清水 研(国立がんセンター中央病院 第二領域外来部精神腫瘍科)
  • 落合 淳志(国立がんセンター東病院 臨床腫瘍病理部)
  • 山口 雅之(国立がんセンター東病院 機能診断開発部)
  • 和田 徳昭(国立がんセンター東病院 乳腺科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
14,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 がん化学療法が進歩し、予後が期待できるようになった一方、化学療法後に慢性有害事象である認知機能障害を生じることが報告されている。この認知機能障害は、”chemo-brain”と呼ばれる。認知機能障害は、集中困難・抑うつなどの精神心理的苦痛を生じ社会復帰の障害や生活の質(QOL)の低下を生じるため、早期から適切な緩和ケアが提供されることが必要である。そこで、さまざまな抗悪性腫瘍薬がまねく認知機能障害と療養生活の質の低下の程度、その機序を明らかにすることを目指した。
研究方法
 抗悪性腫瘍薬の投薬前後での脳画像変化および認知機能、療養生活の質を評価するため外来補助化学療法中の患者を対象に、追跡調査をおこなう。評価には3Tesla MRIを用いたγアミノ酪酸の脳内分布の高精度定量に加えて、脳内白質の神経線維変化を測定する拡散テンソル解析を用いる。
結果と考察
 抗悪性腫瘍薬投薬前後での認知機能の変化、療養生活の質の変化とともに、3Tesla MRIを用いた脳構造画像の変化を追跡することを計画した。プロトコールを作成し、施設内倫理審査に諮った。
計測システムを確立するための基礎検討をおこない、代表的な脳内抑制性神経伝達物質であるγアミノ酪酸を、非侵襲的にin vivo 定量ができるようになった。
結論
 がん薬物療法中の影響を評価する測定系が確立した。施設内倫理審査を通過次第、調査を開始する。

公開日・更新日

公開日
2010-05-26
更新日
-