再発・難治性骨髄腫に対する至適分子標的療法の確立と生物学的治療予測因子の探索

文献情報

文献番号
200925063A
報告書区分
総括
研究課題名
再発・難治性骨髄腫に対する至適分子標的療法の確立と生物学的治療予測因子の探索
課題番号
H21-がん臨床・一般-011
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
飯田 真介(公立大学法人名古屋市立大学 大学院医学研究科 生体総合医療学講座 腫瘍・免疫内科学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 渡辺 隆(国立がんセンター中央病院 血液内科)
  • 大間知 謙(東海大学医学部 血液腫瘍科)
  • 木下 朝博(名古屋大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学)
  • 畑 裕之(熊本大学医学部附属病院 血液内科)
  • 村上 博和(群馬大学医学部保健学科 検査技術科学)
  • 黒田 純也(京都府立医科大学 血液・腫瘍内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
再発・難治性の多発性骨髄腫に対するセカンドライン療法として、bortezomib + dexamethasone併用(BD)療法とthalidomide + dexamethasone併用(TD)療法のランダム化第II相試験をJapan Clinical Oncology Group(JCOG)リンパ腫グループで実施し、1年無増悪生存割合をプライマリーエンドポイントとして比較し、より有効性の高い治療法を選択する。さらにセカンダリーエンドポイントとして、腫瘍病型を特徴付けている染色体転座病型がBD療法およびTD療法において治療予測因子となりえるかどうか検討し、将来の層別化治療の可能性を探索する。
研究方法
再発・再燃・治療抵抗性の多発性骨髄腫に対するBD療法とTD療法のランダム化第II相試験(JCOG0904: PC605)の実施計画書、説明・同意文書、Case Report Form (CRF)を作成し、JCOGプロトコール審査委員会の承認を得てから参加施設でのIRB承認を得て臨床試験を開始する。
結果と考察
平成21年5月28日に本試験実施計画書をJCOGプロトコール審査委員会の一次審査に提出した。同年8月27日に参加施設の医師とCRCを対象に本試験のスタートアップ・ミーティングを開催するとともに、研究分担者施設でのCRF記入テストを実施し同年11月9日に二次審査へ提出した。平成22年1月18日付けでJCOGプロトコール審査委員会での承認が得られ、同年2月3日より患者登録を開始した。3月31日時点で参加予定45施設中18施設でIRB承認が得られた。さらに本試験で実施する予定の染色体転座病型を反映する遺伝子発現検査の意義を検討し、CCND1、FGFR3、c-MAFの3遺伝子について治療予測因子としての可能性を検討することとなった。
結論
本試験は、セカンドライン治療として新規薬剤をどのような順序で使用することが患者の無増悪生存期間延長に寄与できるのか、そして染色体転座病型が各新規薬剤使用時の治療予測因子になりえるのかという臨床的疑問に答えるために重要な臨床試験である。平成22~23年度の2年間で80例の患者登録を完了し、再発・再燃・治療抵抗性骨髄腫患者に対する標準治療を確立するための第III相試験へと繋げる必要がある。

公開日・更新日

公開日
2010-05-24
更新日
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