がん医療に関するメディア報道が国民に与える影響の分析研究及び適正な医療報道のあり方の研究

文献情報

文献番号
200925061A
報告書区分
総括
研究課題名
がん医療に関するメディア報道が国民に与える影響の分析研究及び適正な医療報道のあり方の研究
課題番号
H21-がん臨床・一般-009
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
松村 有子(東京大学医科学研究所 先端医療社会コミュニケーションシステム 社会連携研究部門)
研究分担者(所属機関)
  • 宮野 悟(東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センターDNA情報解析分野)
  • 堀江 重郎(帝京大学医学部泌尿器科学)
  • 中村 利仁(北海道大学大学院医学研究科医療システム学分野)
  • 湯地 晃一郎(東京大学医科学研究所附属病院内科)
  • 山口 拓洋(東京大学医学部附属病院 臨床試験データ管理学)
  • 三浦 裕司(帝京大学第三内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
18,750,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究の目的は、がん患者を含む国民が享受すべきがん医療を適切に選択していくことに資する報道のあり方について調査分析し、その実現を目指すことである。(1)がんについてメディア報道が国民に与える影響、特に患者・家族の認識や受療行動に与える影響を分析研究で明らかにする。(2)医療提供者、市民患者、報道関係者それぞれが望む情報提供について、調査分析を行い明らかにする。(3)国民ががん医療に適切に関わることができ、がん患者が自分に必要な情報を適切に利用していくことができるよう、医療報道のあり方について検討し提言する。
研究方法
1)がん医療報道と実際のがん医療との差異に関する分析研究
 新聞紙、雑誌、テレビ報道で取り扱われる、がんや医療に関する報道内容を収集する。
①報道内容の医学的検証と分析。②報道内容の医療制度面からの検証分析③報道担当者のインタビュー調査を実施し、企画立案からの思考経路に関する分析研究
2)がん医療報道のあり方の研究
①医療提供側、②患者家族、③市民、がそれぞれ求めるがん医療報道に関して、がんに関する認知について、調査を行う
3)海外において、がん医療に関する報道内容の適正化を目的として実践されている試みに関する情報収集
結果と考察
平成21年度には、当初の研究計画の1,2年目の研究計画である、がん医療報道と実際の癌医療との差異について、分析研究を実施した。がん医療報道として、新聞(主要5紙)、雑誌(主要6誌)、テレビ番組(がんを主題に扱った番組、啓蒙番組)を分析対象とした。それぞれの報道内容を分類し、内容について医療専門家の立場から検証を行った。報道担当者の思考経路・情報収集経路に関するインタビュー調査を行った。がん医療報道と実際のがん医療との差異についての分析研究を実施した。患者・家族および市民が知りたいがんの情報のパイロット研究として患者家族、市民へのインタビュー調査を行った。
結論
国民に正確で上質な医療情報を提供するためには、メディアと医療界は有機的に連携しなければならない。我々、医療者はメディア報道の特性を熟知し、国民への情報提供手段として有用に活用すべきである。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-