PCAPSを用いたがん診療の質構造知識モデルと質評価指標の開発および計測システムの設計

文献情報

文献番号
200925057A
報告書区分
総括
研究課題名
PCAPSを用いたがん診療の質構造知識モデルと質評価指標の開発および計測システムの設計
課題番号
H21-がん臨床・一般-005
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
飯塚 悦功(国立大学法人 東京大学 大学院工学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 水流 聡子(国立大学法人 東京大学 大学院工学系研究科)
  • 棟近 雅彦(早稲田大学・理工学術院 創造理工学部経営システム工学科)
  • 新海 哲(四国がんセンター)
  • 青儀 健二郎(四国がんセンター)
  • 吉岡 慎一(兵庫県立西宮病院)
  • 成田 淳(長野中央病院)
  • 乾 由明(兵庫県立西宮病院)
  • 矢野 真(武蔵野赤十字病院)
  • 蒲生 真紀夫(みやぎ県南中核病院)
  • 吉井 慎一(株式会社日立製作所 水戸総合病院)
  • 名取 良弘(飯塚病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
16,741,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、わが国のがん診療の質を評価するための指標を開発する。がん診療の質構造知識モデルにもとづき、がん診療の質向上にとって意味のある本質的な質評価指標の開発を行い、指標改善も可能とする計測システムを設計する。
研究方法
診療の質の把握については、患者状態把握の的確さ、医療介入の適切さ、介入後に得られた診療アウトカムの妥当性の3つの側面を計測するよう設計する。状態把握の的確さとは、把握すべき状態と現実に把握・理解しえた状態の乖離である。医療介入の適切さとは、把握した状態において本来実施すべき介入と現実に行われた介入の差である。そして診療アウトカムの妥当性とは、適切な状態把握と適切な介入によって到達できる状態と現実に到達できた状態の差である。
結果と考察
がん医療・がん種別の特性等を検討した結果,がん医療の質評価の範囲と重点を整理するためのコアフレームとして,「病態管理」「症状管理」「合併症・併存症管理」「共通課題管理」の4つの観点が必要と提案された.がん種毎に4つのフレームでの可視化を試みた.その結果,評価範囲と関係性および関係性の観点等を俯瞰し議論する上で,このフレームが有用であることが確認できた.
病態管理として可視化されたチャートの中で,がん診療の質に影響を与える重要な介入をしているユニットに着目し,当該ユニットではさらに詳細なプロセス構造を示すチャートで展開する(階層構造化)手順とした.この手順にしたがって,全体プロセス構造・重要部分プロセス構造での構造的可視化をがん種毎に行い,質評価に必要な構造化コンテンツを準備した.
これによって,評価対象の範囲・構造・特性の把握がしやすくなり,質評価をするユニットと観点,その評価に影響を与える要素が存在するユニットの特定が容易となることが想定された.
結論
H22年度の具体的アウトプットとして,以下があげられる.
1) がん種毎の質評価範囲となる診療プロセスを前述の4つのフレームで可視化した診療構造図
2) 1)の範囲内で,がん診療の質に強く影響を与えるユニットの特定と当該ユニットの状態適応型診療プロセスの構造的可視化コンテンツがん種毎のPCAPS手術コンテンツ・PCAPS術後補助化学療法コンテンツ,共通利用可能ながん疼痛マネジメントコンテンツ
3) 1),2)にもとづくがん種毎の質評価の観点
4) 参考となる産業界(品質管理分野)における質評価と測定の整理

公開日・更新日

公開日
2010-07-16
更新日
-