悪性胸膜中皮腫の診断および治療法の確立とアスベスト曝露の実態に関する研究

文献情報

文献番号
200925053A
報告書区分
総括
研究課題名
悪性胸膜中皮腫の診断および治療法の確立とアスベスト曝露の実態に関する研究
課題番号
H21-がん臨床・一般-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
金子 昌弘(国立がんセンター中央病院 内視鏡部)
研究分担者(所属機関)
  • 関 順彦(帝京大学医学部 内科学講座)
  • 浅村 尚生(国立がんセンター中央病院 気道縦隔科)
  • 松野 吉宏(北海道大学病院 病理部・腫瘍病理部)
  • 楠本 昌彦(国立がんセンター中央病院 放射線診断部)
  • 岸本 卓巳(岡山労災病院 副院長)
  • 井内 康輝(広島大学大学院 医歯薬学総合研究科病理学)
  • 西本 寛(国立がんセンター がん対策情報センター)
  • 柿沼 龍太郎(国立がんセンター がん予防・検診研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
98,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
胸膜悪性中皮腫(MPM)に対しての診断治療と、早期発見方法を確立し、一般住民の不安を解消することを目的として研究を行なう。
研究方法
1)MPMに関連する内外の研究業績の集積と評価を行なう。
2)本邦でのMPMの現状を把握するために、「登録事務局」を設置し、症例を登録し予後との関連から評価を行うシXテムを構築し運用を開始している。
3)X線と低線量CTによる検診と問診を行い、問診と所見の関連や経時的な変化を検討している。 
4)個施設において診断と治療に関連しての検討行なう。
結果と考察
1)全世界的に共通の病期分類について提案がなされた。
2)症例登録に関しては、全国の30施設から189症例が仮登録されている。登録の簡素化などの対策が必要で、また永続的な登録のための機関の設置も必要である。
3)一般住民に関するアスベスト関連疾患の検診に関しては、26施設で約9810例の検診が行われ、胸膜肥厚斑に関して、X線に比較しCTの発見率の高いことと職歴との関連が明らかになった。
4)個々の施設においての研究では、各種のマーカーや遺伝子の解析も行なわれ、ペメトレキセドの効果も明らかになった。
結論
1)MPMに関する研究について標準的な病期分類の策定が行なわれた。
2)MPM症例の集積に関しては登録の簡素化を図ると共に、永続的研究組織を作る必要がある。
3)アスベストの吸入歴を示す胸膜肥厚斑の発見に関して、低線量CTはX線より明らかに優れている。胸膜肥厚斑の認められた受診者に対して長期の経過観察が必要になる。
4)MPMの組織学的な診断に関して遺伝子的な解析やマーカーの分析が進んでいる。ペメトレキセドの生存期間延長効果も認められた。

公開日・更新日

公開日
2010-06-08
更新日
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