緩和ケアにおけるIVRの確立についての研究

文献情報

文献番号
200925052A
報告書区分
総括
研究課題名
緩和ケアにおけるIVRの確立についての研究
課題番号
H20-がん臨床・一般-021
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
荒井 保明(国立がんセンター中央病院 放射線診断部)
研究分担者(所属機関)
  • 中島 康雄(聖マリアンナ医科大学 放射線科)
  • 小林 健(石川県立中央病院 放射線診断科)
  • 曽根 美雪(岩手医科大学 放射線科)
  • 稲葉 吉隆(愛知県がんセンター中央病院 放射線診断・IVR部)
  • 新槇 剛(静岡県立静岡がんセンター画像診断科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
21,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、これまでにJIVROSG(Japan Interventional Radiology in Oncology Study Group:日本腫瘍IVR研究グループ)で行われた臨床試験により緩和ケアにおける標準的治療となる可能性が示されたIVRについて、既存の治療法とのランダム化比較試験を行い、緩和ケアにおける当該IVRの位置づけを明らかにすることにある。
研究方法
緩和段階の症例が呈す種々の症状に対する治療は必ずしも標準化されておらず、医療者の判断や患者の希望により種々の治療法が適宜採用されているのが現状である。このため、低侵襲とはいえ侵襲的治療であるIVRを介入させるランダム化比較試験を行うためには、倫理的に許容され、かつ実行可能な試験を組むことが最も重要である。本年度は、昨年度の研究で得られたランダム化比較試験の基本デザインに基づき、各試験のプロトコールを確定するとともに、試験遂行に関わる環境を整備した上で、試験を開始した。なお、倫理面への配慮として、ヘルシンキ宣言、臨床試験倫理指針を遵守してプロトコールを作成し、試験中に発生した有害事象についても速やかに報告され、効果安全性評価委員会の評価を受けることとした。加えて、被験者の個人情報についても万全の保護対策を講じた。
結果と考察
1難治性腹水に対するシャント治療の有効性を評価するランダム化比較試験(JIVROSG-0803)、有痛性悪性骨腫瘍の疼痛緩和に対する経皮的骨形成術の有効性を評価するランダム化比較試験(JIVROSG-0804)、がんによる消化管通過障害に対する経皮経食道胃管挿入の有効性を評価するランダム化比較試験(JIVROSG-0805)、切除不能悪性大腸狭窄に対するステント治療の有効性を評価するランダム化比較試験(JIVROSG-0806)、悪性大静脈症候群に対する金属ステント治療の有効性を評価するランダム化比較試験(JIVROSG-0807 )のプロトコールを完成し、試験を開始した。緩和IVRの標準的治療としての可否をランダム化比較試験により評価しようとする本研究は欧米でも類を見ない極めてチャレンジングなものであり、完遂と結果の提示が期待される。
結論
緩和ケアにおける標準的治療となる可能性が示されたIVRについて、当該IVRの標準的治療としての可否を評価するため、既存の治療法とのランダム化比較試験を開始した。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-