文献情報
文献番号
202227012A
報告書区分
総括
研究課題名
公衆衛生医師の人材育成に向けた好事例の横展開に向けた研究
課題番号
22LA1001
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
町田 宗仁(国立保健医療科学院 国際協力研究部)
研究分担者(所属機関)
- 名越 究(島根大学医学部)
- 吉田 穂波(神奈川県立保健福祉大学 大学院ヘルスイノベーション研究科)
- 武智 浩之(群馬県利根沼田保健福祉事務所)
- 宮園 将哉(大阪府健康医療部)
- 山本 長史(北海道江別保健所)
- 横山 勝教(香川県東讃保健福祉事務所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
4,168,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究班では、今までの公衆衛生医師の確保から人材育成までの取組をレビューし、各地での取組を収集した。公衆衛生医師数の現状についても、複数の角度から分析をした。近年の健康危機管理事例を踏まえた公衆衛生医師に求められる関係機関との調整能力等、保有すべきコンピテンシーに関する現状と課題について分析した。さらに、志望者の新規開拓の向けた基礎資料として、若手医師や医学生に公衆衛生業務に関する意識調査を行った。広報活動を通じて、活動や分析についてのフィードバックを得た。公衆衛生医師の魅力を伝えるコンテンツを検討し、作成した。これらにより、医療と行政の橋渡しを行う公衆衛生医師の人材育成方策の横展開を推進するためのコンテンツを構築し、ひいては公衆衛生行政サービスの充実を図ることを目標とした。
研究方法
具体的には、以下の11の分野で報告をまとめた。
1.過去の公衆衛生人材確保と育成に関する調査レビュー
2.公衆衛生医師確保・人材育成・勤務継続・採用後の定着に向けた工夫等に関する自治体調査
3.医学生を対象とした公衆衛生学や公衆衛生医師に対する意識調査
4.医学生を対象とした就職活動の情報源に関する調査
5.国立保健医療科学院での研修を修了した医師に対する公衆衛生医師のキャリアパスのアンケート調査について(通称「保健所長研修」参加者向け)
6.国立保健医療科学院での研修を修了した医師に対する公衆衛生医師のキャリアパスのアンケート調査について 専門課程Ⅲ地域保健臨床研修専攻科修了生(卒後2年目研修医)向け
7.公衆衛生医師数についての考察(配置実数と業務統計を基に)
8.公衆衛生医師数に関する統計学的検証(残差法、密度法、マンホイットニーU検定を用いて)
9.公衆衛生医師に期待するコンピテンシーの調査
10.公衆衛生医師の確保と育成に関するシンポジウムを活用した意見交換
11.シンポジウムやオンライン等を活用した意見交換や広報活動
1.過去の公衆衛生人材確保と育成に関する調査レビュー
2.公衆衛生医師確保・人材育成・勤務継続・採用後の定着に向けた工夫等に関する自治体調査
3.医学生を対象とした公衆衛生学や公衆衛生医師に対する意識調査
4.医学生を対象とした就職活動の情報源に関する調査
5.国立保健医療科学院での研修を修了した医師に対する公衆衛生医師のキャリアパスのアンケート調査について(通称「保健所長研修」参加者向け)
6.国立保健医療科学院での研修を修了した医師に対する公衆衛生医師のキャリアパスのアンケート調査について 専門課程Ⅲ地域保健臨床研修専攻科修了生(卒後2年目研修医)向け
7.公衆衛生医師数についての考察(配置実数と業務統計を基に)
8.公衆衛生医師数に関する統計学的検証(残差法、密度法、マンホイットニーU検定を用いて)
9.公衆衛生医師に期待するコンピテンシーの調査
10.公衆衛生医師の確保と育成に関するシンポジウムを活用した意見交換
11.シンポジウムやオンライン等を活用した意見交換や広報活動
結果と考察
1~4からは、医学生や若手医師に、公衆衛生医師としての働き方に対して、より関心を持っていただくために、業務の魅力を、実習、対面やオンライン面談、デジタルコンテンツなど、あらゆる手段で伝えていくこと、具体的に公衆衛生医師への就職を考えている層には、勤務条件や環境の希望を採用側が的確に聞き取り、実現可能なことから実行していくこと、採用後も研修機会の提供やキャリアパスの明示をしていくことが必要であることが考えられた。5、6からは、住民との関わりなど公衆衛生の仕事の魅力を現場で学生に伝えることの重要性、公衆衛生医師の業務の具体的なイメージの紹介やキャリアパスの明示がリクルートの際には重要、などが分かった。7~8では、複数の角度からの公衆衛生医師数に関する考察を試みた。数値や係数の解釈については、多様な背景要素を考慮する必要があると考えられた。9からは、コンピテンシーと業務の組み合わせは1対1対応ではなく、複数のコンピテンシーを含む多種多様な事例を事例集としてまとめることが望ましいことが分かった。10、11からは、シンポジウムを通じて、若手の公衆衛生医師に対する育成の機運が高められ、今後、参加者や主催者それぞれのつながりの中で横展開に発展していくことが期待されるとともに、オンラインセミナーやウェブ発信等の新たな媒体を用いて研究成果の還元を行うことが出来た。
結論
公衆衛生医師の確保と育成は、コロナ禍の時だけではない、現在進行形の課題である。今後も多角的な見地から、持続的に現場の状況や課題を集め、それらを関係者の力を集めてどう実効的な手法で解決に繋げて行くか、検討する必要がある。
公開日・更新日
公開日
2023-08-07
更新日
-