エビデンスに基づいたがん予防知識・行動の普及および普及方法の評価

文献情報

文献番号
200925034A
報告書区分
総括
研究課題名
エビデンスに基づいたがん予防知識・行動の普及および普及方法の評価
課題番号
H20-がん臨床・一般-003
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
山本 精一郎(国立がんセンターがん対策情報センター がん情報・統計部 がん統計解析室)
研究分担者(所属機関)
  • 片野田耕太(国立がんセンターがん対策情報センター がん情報・統計部 がん統計解析室 )
  • 倉橋典絵(国立がんセンターがん予防・検診研究センター予防研究部)
  • 田中英夫(愛知県がんセンター研究所・疫学予防部)
  • 佐々木敏(東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻疫学保健学講座社会予防疫学分野)
  • 岡 浩一朗(早稲田大学スポーツ科学学術院)
  • 別府 文隆(株式会社リクルート開発室医療ユニット企画グループ)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
21,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、発がんに関するエビデンスが十分な予防要因、予防方法を特定し、予防知識・行動の普及を行い、普及度および普及方法を評価することである。本研究は、がん対策推進基本計画におけるがん予防の推進、死亡率の減少に資する政策的研究である。
研究方法
1年目に策定した研究の全体計画に従い、「禁煙・防煙」「野菜・果物の摂取量増加」「身体活動の増加」について、予防方法、普及方法の検討を行い、普及を行い、評価する。また、研究者とゲームクリエイターとの協働により、がん予防知識・行動の普及のためのシリアスゲーム開発と評価を行う。
結果と考察
本年度は普及準備を行った。禁煙・防煙を先行させ、ヘルスコミュニケーションの理論に基づき、対象者の選定後、(1)Habit & Practice調査、(2)コミュニケーション戦略分析、(3)セグメンテーション調査、(4)行動科学モデルの構築、(5)コンセプト/メッセージの開発・評価を行った。これらの結果から、大学生の中で就職活動に不安を持つセグメントを対象に、就職活動と禁煙を絡めたキャンペーンを行っていくこととした。食事・身体活動については、対象者を選定し、(1)を実施した。その結果、食事については独居男性、身体活動については犬の散歩をテーマに進めることとなった。シリアスゲームについては試作版を作成し、評価を行い、ゲームが好きな特定層をターゲットとして完成版を普及させていくことが適切であることがわかった。
結論
ここまで、ソーシャルマーケティングの手法を活用するヘルスコミュニケーションの理論に基づいて、がん予防の普及戦略を策定してきた。ターゲットを絞ってその行動制御要因を探り、そこにアピールする方法が有用であるという感触を得ている。3年目は、(6)クリエイティブ(普及資材)の制作・評価、(7)情報環境分析調査・メディアプランニング、(8)普及および普及方法の評価を行っていきたい。実際の普及には、研究者のみならず、広告代理店やパブリックリレーション(PR)の企業関係者等と協働し、メディアや大学を活用して普及を行った後、評価し、普及方法に関するエビデンスを創出する予定である。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-